国連気候変動ボン会議(APA1-5・SB48)


2018年最初の国連気候変動会議が、ドイツ・ボンにおいて4月30日~5月10日の日程で開催されます。地球温暖化の進行を抑制するために、国際社会が2015年に作った「パリ協定」。この国際的な約束を、実際に機能させていくための更なる詰めの交渉と議論が、2017年に引き続き継続される予定です。

2つの主要テーマ

今回の会議の主要テーマは2つあり、1つは「パリ協定の『ルールブック(実施指針)』作り。もう1つは「タラノア対話」というイベントです。いずれも、今後のパリ協定の実効性、すなわち国際的な温暖化対策にとって重要なテーマであり、着実な進展が期待されています。

パリ協定のルール作り

2015年のパリ協定成立以降、国連気候変動会議は、パリ協定の本格運用を開始するための準備作業を行っています。具体的には、「パリ協定」本体やそれに付随した決定では決めきれていなかった細則について定めるという作業です。その細則を総称して、「実施指針」、もしくは交渉関係者による通称で、パリ協定の「ルールブック」と呼んでいます。

実は、この「ルールブック」については、今年2018年12月開催のCOP24(国連気候変動枠組条約第24回締約国会議)における策定が予定されています。このため、今回の会議は、時期的にもいよいよ大詰めを迎えるべきタイミングにきています。

主な交渉の舞台は、パリ協定特別作業部会(APA)と呼ばれる会議体です。

このAPAに加え、SBI(実施に関する補助機関)およびSBSTA(科学上及び技術上の助言に関する補助機関)に、その作業が振られた議題もあります。

パリ協定の下で、各国が行なう温暖化対策をどのように報告し、それをどのように国際的にチェックしていくのか、といった議題も含まれます。それぞれの議題は、内容としてはかなり専門的なものです。

しかし、その専門的な議題の中には、パリ協定以前から通底して存在する大きなテーマもあります。

それは、「先進国と途上国という単純な二区分から、よりニュアンスのある区分の仕方(差異化)に移行しつつ、より建設的な協力を通じて世界の脱炭素化を目指せるか」という課題です。これをめぐっては細かい議論の中でも、しばしば先鋭的な対立が起きるため、予断を許さない状況です。

タラノア対話

パリ協定が目指す「2℃未満」や「1.5℃」という目標に必要な排出量削減努力の水準と、現状の各国の削減努力の水準との間には、大きなかい離があることが知られています。これを埋めていくために、パリ協定では、「5年ごとに目標の改善を検討する」というサイクルを持っており、そのための最初の議論を開始するのが、実は今年・2018年となっています。

この目標改善に向けた議論には2つのレベルがあり、1つは世界レベルで取り組みを見直すことと、もう1つは各国レベルでその見直しを受けて自国の取り組みを見直すことです。今年2018年は、その世界レベルでの取り組みの見直しが行われることとなっており、そのためのプロセスを「タラノア対話(正式名称は「促進的対話」)」と呼んでいます。タラノア対話の本番は、COP24で開催される閣僚級での議論ですが、そこに至るまでに、様々な情報共有とアイディア出しが事前に行われることになっていて、今回の会議も、COP24に向けて、準備的な議論をすることになっています。そのプロセスには、政府代表だけでなく、企業の代表、自治体の代表、市民社会の代表など、様々なグループの代表が、積極的に「何ができるか」を出し合うことになっており、WWFの代表も今会合では発言する予定です。

日本の役割

日本はパリ協定のルールブック交渉やタラノア対話双方において、問題のある姿勢も少ない反面、目立った貢献もありません。4月に発表された外務省・有識者会合の提言も受け、気候変動を外交の柱に位置づけるならば、より積極的に、時に対立に彩られがちなこの交渉において、打開案を提示していく側に立てるよう、積極的な姿勢が望まれます。

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