20年ぶり!絶滅寸前のスマトラサイの生存を確認


ボルネオ島・東カリマンタン州の西クタイ県で、WWFインドネシアなどの調査チームが、スマトラサイの生存の痕跡を確認。その生存が確実であることを明らかにしました。同地域では、過去20年以上スマトラサイが確認されておらず、絶滅したと考えられていました。今回の調査結果を受け、西クタイ県の地方政府はスマトラサイ保護のための法整備を行なうと表明。WWFインドネシアもその調査や資金について支援するとしています。

見つかった「足跡」

スマトラサイ(Dicerorhinus sumatrensis)

スマトラサイは現存するサイ類では最小の種で、かつて、インドシナ半島、スマトラ島、ボルネオ島に、広く分布していたと考えられています。

主な生息環境は熱帯林ですが、東南アジアの熱帯林の消滅と、角を狙った密猟により減少。

現在は、IUCN(国際自然保護連合)の「レッドリスト」の中で、最も絶滅の恐れが高い「CR(近絶滅種)」に指定され、その総個体数は推定で100頭以下とみられています。

ボルネオ島に生息しているスマトラサイは、ボルネオサイとも呼ばれる亜種個体群ですが、ここ最近に生存が確実とされていた場所は、島北部のマレーシア領サバ州にある2つの保護区に限られ、推定個体数も十数頭といわれてきました。

調査で見つかったサイの泥浴び場

そのスマトラサイの生存が、島の中東部に位置する東カリマンタン地域で、今回20年ぶりに調査によって確認されました。

今回の調査は、WWFインドネシア、西クタイ県林野庁、ムラワルマン大学および地域の関係者により行なわれたもので、調査隊はサイの足跡のほか、サイの食物となる20種以上の植物を確認。

実際に、サイの姿が確認されたわけではないので、どのくらいの個体数が生存しているのかは予断を許しませんが、確かに生存しているという点と、周辺環境に豊かな森林植生が残っていることを確認しました。

ボルネオの森を守るために

見つかったスマトラサイの足跡

こボルネオ島のインドネシア領であるカリマンタン地域では、スマトラサイは、1990年代初頭に絶滅したと考えられていました。

そうした中でのこの「再発見」は、今後のボルネオ森林保全の大きな力になる可能性を秘めています。

WWFインドネシアのナジール・フォアドは、今回の調査結果を受けて、今後ただちに総括的な調査を実施して生存個体数を割り出す必要性と、その結果に基づき、スマトラサイの生息に適したエリアを選出して、保護を強化すべきであることを指摘。

さらに、そうした保護計画を長期的に継続してゆくため、生息地周辺に住む人々にも便益をもたらす形で立案し、資金調達のための努力が必要であると延べました。

サイが木の幹に角をこすり付けた跡も確認された。

西クタイ県の地方政府関係者も、スマトラサイ生存の事実を重く受け止め、「我々は彼らを保護しなければならない。地域のコミュニティが自然と調和して生きられるようにしなければならない」と談話を発表。

すでに地方政府として、スマトラサイを含めた、絶滅のおそれのある動植物の保護に関する法律の整備を行なう、としています。

WWFインドネシアでは、今後も地方政府への協力と連携のもと、スマトラサイ保護と、生息環境である森の保全をめざした政策やプログラムの立案を支援し、その実践と調査活動、活動資金の調達に取り組むことにしています。

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