砂漠のトカゲのダンスを見たら


NHKの0655をご存知でしょうか?

全国の愛猫家の憧れ「おれ/あたし、ねこ」、愛犬家の夢「わが輩は、犬」「わたし、犬、いぬ」などのすばらしい曲を生み出し続けている番組です。

先ごろこの0655に、新たな名曲が生まれました。

その名も「砂漠のトカゲ」。

ご覧になった方は、デーモン閣下の歌声と、主演のアンチエタヒラタカナヘビ(Meroles anchietae)のダンスに魅了されたことでしょう。

アフリカ南部、ナミブ砂漠の固有種であるこのトカゲが、熱い砂への接触を極力避けるために行なうThermal dance(通称、アチチ・ダンス)はたいへんユニークなものです。

このアンチエタヒラタカナヘビと同じカナヘビ科に属するトカゲは、日本にも生息しています。

その一種であるミヤコカナヘビ(Takydromus toyamai)は、ダンスこそしませんが、長い尾を持つ美しいトカゲです。

しかし、生息地の開発や、人が持ち込んだ外来生物による捕食、そしてペット目的の違法捕獲により減少。

今年「種の保存法」の国内希少野生動植物種に指定されました。

この指定により、捕獲はもとより、販売や無償での引き渡しは、違法行為となったのです。

ペットショップでは多くの生きものが売られています。

世界のカナヘビ科のトカゲたち。ペット目的で捕獲が続いているものは少なくありません

特にトカゲなどの爬虫類は近年人気の動物。

それらは当然、適正に捕獲されて、繁殖させたものだと思い込みがちですが、中には違法に捕まえられ、売られているものもいます。

そんな違法取引に荷担しないためには、売る側も、飼う人も、きちんとした情報を把握することが必要です。

アチチ・ダンスを見たら、ペット目的の取引が一因となって、絶滅の危機に瀕している生きものがいるということを、ぜひ思い出してください。(トラフィック 若尾)

ミヤコカナヘビ。沖縄の宮古島に生息する希少なトカゲです。本州のカナヘビと異なり、鮮やかな体の緑色と、長い尾が特徴です

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森林・野生生物室 野生生物グループ TRAFFIC
若尾 慶子

修士(筑波大学大学院・環境科学)
一級小型船舶操縦免許、知的財産管理技能士2級、高圧ガス販売主任者、登録販売者。
医療機器商社、海外青年協力隊を経て2014年入局。
TRAFFICでペット取引される両生類・爬虫類の調査や政策提言を実施。淡水プロジェクトのコミュニケーション、助成金担当を行い、2021年より野生生物グループ及びTRAFFICでペットプロジェクトを担当。
「南西諸島固有の両生類・爬虫類のペット取引(TRAFFIC、2018)」「SDGsと環境教育(学文社、2017)」

子供の頃から生き物に興味があり、大人になってからは動物園でドーセントのボランティアをしていました。生き物に関わる仕事を本業にしたいと医療機器業界からWWFへ転身!ヒトと自然が調和できる世界を本気で目指す賛同者を増やしたいと願う酒&猫好きです。今、もっとも気がかりな動物はオガサワラカワラヒワ。

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