パリ協定、ようやくルール作りがはじまった!
2016/05/21

国連の会議が開かれているドイツ、ボンより温暖化担当の小西です。
こちらは気温18度前後の気持ちいい季節。環境配慮の行き届いた会議場も、天井がガラス張りで、きれいな青空がのぞいています。
ここでは今、「パリ協定」で決まったさまざまな温暖化対策を、実行に移すための、具体的なルールを作りが進められています。
昨年末に決まった「パリ協定」は、世界のすべての国を対象とした画期的な国際協定!
でも、ルール作りがきちんとできなければ、その協定も実効性が約束されません。

しかも会議には対立がつきもので、今回のボン会合でも、このルール作りに際してまず何の項目を優先するのかをめぐり、先進国と途上国の間で意見が合わず、議論が最初から止まってしまいました。
限られた時間の中で、会議はいったいどうなるのか。
私たちも政府代表へ働きかけや、情報収集のため会場を走り回っていましたが、ようやく木曜日に、項目だてが決まり、ルール作りの議論が始まりました!
結局、先進国が進めたい温室効果ガスの削減目標の項目と、途上国が求めている温暖化への適応や資金支援の項目を、同時に話し合っていくことで決着したのです。
本来ならば、どちらかを優先した方が、ルール作りは早く進むのですが、それを不満として一部の国々が議論を止めてしまう事態になれば、できる話もできません。
そうした政治的な難しさを抱えながら、一つ一つ大切なルール作りの議論が進められています。
とにもかくにも、ようやくこれで、パリ協定のルール作りの議論が本格的にスタートしました!
交渉が進み始めて、行きかう交渉官たちの足取りも軽くなっています。
ボン会合会期の残すところあと1週間。
中身のある議論を期待しつつ、そのゆくえを追いたいと思います!
