「エネルギー基本計画」まず白紙に。そこからグリーンな未来を


温暖化担当の山岸です。5月10日の記者会見で、菅首相が、エネルギー基本計画を「白紙に戻して」議論し直すと発言しました。

「エネルギー基本計画」というのは、名前の通り、日本のエネルギー政策の基本となる計画で、「エネルギー政策基本法」という法律に基づいて作られています。

実は、エネルギー基本計画は昨年2回目の見直しが行なわれ、改定がされたばかりでした。

しかし、今回の震災と原発事故を受けて、再度の見直しが必須の状況となっており、1カ月ほど前にも、菅首相は見直しの必要性があることを示唆していました。今回の発言は、その見直しにあたって、「再生可能エネルギーや省エネの役割」が、より強調されている点が特徴です。

現状のエネルギー基本計画は、2020年までに原子力発電所を9基、2030年までに14基、新しく増設するとしています。また、再生可能エネルギーの拡大をうたいつつも、温暖化問題の原因となる化石燃料へ依存傾向を強く残しています。

このため、「見直し」といっても、現状の原子力&化石燃料重視の路線を、申し訳程度に変えるだけではないかという危惧が大きくありました。しかし、今回、より根本的に見直す用意があることが示されたことで、少し希望が見えてきたと思います。

ただ、うがった見方をすれば、「白紙に戻し」たとしても、よい方向に進むとは限りません。より悪くなってしまう可能性だってあります。でも、今回の菅首相の発言では、「再生可能エネルギー」と「省エネ」を重視する姿勢が垣間見えました。

私たちもそこに希望を見て、この菅首相の発言を歓迎する声明を発表しました。

これまでの報道では、年内までに新しい基本計画の原案が作られ、3月末までに改定が行なわれるといわれています。
引き続き、温暖化対策とエネルギー政策の両面から、この問題を追っていきたいと思います。

 

 

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自然保護室 気候変動・エネルギーグループ所属
山岸 尚之

国連交渉や国内の気候・エネルギー政策でのアドボカシー(提言)活動を担当。

京都議定書が採択されたときに、当地で学生だったことがきっかけでこの分野に関心をもち、大学院を経てWWFに。以来、気候変動(地球温暖化)という地球規模の問題の中で、NGOがどんな役割を果たせるのか、試行錯誤を重ねています。WWFの国際チームの中でやる仕事は、大変ですがやりがいを感じています。

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