河北潟からのお客さま


草刈です。
先日、石川県にある河北潟から、私たちの事務局にお客さまがありました。NPO法人河北潟湖沼研究所のスタッフの方です。

河北潟は日本海に面した潟湖で、もともとは海とつながった汽水域(海水と淡水が混ざる水域)の湖でしたが、江戸期以降は干拓が盛んになり、農地としても利用されてきました。

そして1960年代の大規模な干拓事業で、農地が大幅に拡大。ほぼ淡水の湖となり、現在に至っています。

しかしこの開発の歴史は、海水と淡水双方の恵みに育まれた、河北潟本来の豊かな自然を損なってきました。

NPO法人河北潟湖沼研究所では、そうした中で、手での田植えや草取り、農薬・除草剤の不使用などにこだわった(生物多様性)「七豊米」や、外来種の水草を肥料として利用し、農薬や化学肥料を使わない「すずめ野菜」の栽培を推進。こうした取り組みを通じて、河北潟の自然を取り戻し、循環型地域社会の実現を目指して頑張っています。

また、周辺に生息する、絶滅のおそれのある野生生物についてまとめた『河北潟レッドデータブック』も刊行するなど、地域の生物多様性の保全にも尽力しているとのこと。

この本を見ると、この50年間に河北潟がどのような変遷をたどり、その中でどのように生きものたちが姿を消してきたのかが、実によくわかります。

今後は、地方の市民や自治体が、より盛んに自主的に地域の景観、生物多様性の保全を進めてゆくことが期待されていますが、その中にあって、多角的で先進的な取り組みの例と感じました。

一つの地域の自然を深く見つめてみると、そこにもっと大きなテーマや、大事な視点が見えてくることがあります。この河北潟も、そんな場所の一つなのかもしれません。

NPO法人河北潟湖沼研究所の皆さん、これからもぜひ頑張ってください!

自然保護室 国内グループ所属
草刈 秀紀

日本の自然保護にかかわる法制度の改善をめざす取り組みを行なっています。

子どもの頃から動物が好きで、農業者でもないのに農業高校の畜産科に行き、上京して大学時代に多くの自然団体の会員になりました。野生のエルザのゲームワーデンにあこがれ、32年前に職員になりました。最近は、永田町を徘徊しています。

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