埋もれた50年前の線路
2016/04/03
埼玉の秩父と東京都心を結ぶ西武池袋線。
その終着点である池袋駅のすぐ手前の線路わきに、小さな空き地があります。
先日たまたま、この空地が旧い駅の跡であることを知りました。「上り屋敷」という名の駅だそうで、1945年まで使われていたらしい。
調べてみると、西武沿線には他にも西鷺宮、上山口といった今では無くなってしまった駅や、使われなくなった路線があったことも分かりました。
本川越駅の手前で西武新宿線につながる西武安比奈線もその一つです。
これは、入間川(荒川支流)で採取された砂利を運ぶ貨物専用線で、1964年の東京オリンピックに向けた建設需要でも活躍したそうですが、大会目前の1963年に休止。最近になって廃線が決まりました。
自宅の最寄り駅からさほど遠くなかったので、先日その跡地を見に行ってみたところ、半世紀にわたる休止の間に、線路は道路で分断され、わずかに枕木と古いレールが残るばかり。
でも、その風景の中には、時代の折々に何かを創り上げようとした人の意志と、社会の変化があったことが感じられました。
2020年、また東京でオリンピック・パラリンピック大会が開かれます。
前回の東京オリンピックが、戦後の復興と経済成長を象徴するものだとしたら、今回のオリンピックは何を掲げ、物語るものになるのか。それに向けて、何ができるのか。
答えは一つではないかもしれません。
ですが、私たちとしてはやはり、次の大会が表層的でただ派手なだけではない、地球の環境や未来の世代にとって、真に「意味あるもの」となることを願わずにはいられません。
今後、オリンピックの話題がまた増えてゆく中、環境配慮に向けた真剣な検討や議論が活発になり、注目されることを期待したいと思います。(広報室 三間)