一人で見る夢は夢でしかないけれど


先日、インドネシアで開かれたWWFスタッフの研修に参加してきました。

アジア太平洋地域にあるWWFの7つの事務局から19名のスタッフが集まったこの研修のテーマは、人とチームの育成。

より良い対人関係の築き方や、チームを成長させ、力を高めるための道筋などを、討議や協議、演習などを通じて学びました。

「良い上司、悪い上司の違いって何だろう?」「考えの違うメンバーが一体となるチームに成長する道筋は?」お題を皆で考えてから、講師が講義し、討議やロールプレイを繰り返します。

「世界の自然や野生生物を守るWWF」などというと、一体どんな人たちが、どんな仕事をしているのだろう?! と思われるかもしれません。

ですが実際には、普通にある多くの職場にも共通した、課題解決や、仕事の仕方を通じて、活動をしています。

その中では、リーダーとしてプロジェクト・チームを引っ張るリーダーシップや、外部との交渉、活動を効率的に進めるためのノウハウなどが、とても大切です。

一方的な講義ではなく、身に付く、ちょっとした工夫が凝らされていました。文化の多様性も実感!

特にWWFの場合、世界各地に事務所がありますので、そうしたスタッフ同士が、文化や言語の違いを越えて心を合わせ、コミュニケーションをとっていかねばなりません。

持続可能な社会を実現し、野生生物とその生息環境を守る、という「夢」。それを、世界の仲間たちと共に実現させる。

とても難しいことですが、その夢を私たち自身がしっかりと育て、たくさんの人たちにも共感、理解していただけるように努力し、未来を変える行動につなげていかなくてはいけません。

インドネシア、フィジー、ネパール、カンボジアの仲間たちと。

A dream you dream alone is only a dream. A dream you dream together is reality.(一人で見る夢は夢でしかないけれど、皆で見る夢は現実になる)

そんなジョン・レノンの言葉を思い出したこの研修。

来年は東京で実施する予定です。

ひとつの「夢」の実現に向けて、共に歩んでいく心強い世界の仲間たちとの出会いと再会を、今から楽しみにしています。(企画管理室 安村)

研修をサポートしてくれたWWFインドネシアのスタッフたち。

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自然保護室長(淡水・リーダー開発・PSP)
安村 茂樹

修士(生物化学・早稲田大学)
サンゴ礁センター駐在時に地域住民主体の環境調査を立ち上げ(現在も石垣島、久米島で継続中)。南西諸島域にて、多分野の研究者と協働した野生生物有害化学物質汚染調査、生物多様性評価調査を指揮。GIS手法を用いた保全重要域図は生物多様性条約で示されたEBSAに、野外調査ではオキナワトゲネズミ再発見や久米島沖のサンゴ大群集発見に寄与。UNEP/GEF黄海プロジェクトと連携した日中韓湿地保全活動をリードし、2020年より緊急支援や淡水・教育活動に関わる部門を統括。

沖縄のサンゴ礁と森、中国・韓国の干潟の保全に従事。国際会議でサイドイベント主催やロビー活動をする機会をいただきました。国際、環境、NGO-この3ワードが合わさるWWFで、何をすべきか考え、その仕事の醍醐味を実感し、行動する。そんな機会を一人でも多くのスタッフに提供したいです。晴れの日に気が向いたら、自転車で通勤し、休みは、川でカヌー漕いでいます。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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