坂東眞理子著『女性リーダー4.0 新時代のキャリア術』を読んで


温暖化担当の小西です。
『女性の品格』の著者、坂東眞理子氏の新著『女性リーダー4.0新時代のキャリア術』。

あちこち売り切れでしたが、ようやく手に入れ、読み始めたら一気に引き込まれました。

アナウンサーから気象予報士、40歳台でアメリカの大学院進学後、公共の利益のため活動するWWFジャパンに入局して10年たつ私は、もともと凸凹だらけのキャリアです。

日本ではまだまだ女性の少ない道を進んできた人間の一人であり、前を見ても横を見ても仲間は少数。

現にエネルギー関連の会合などに出ると、女性は自分ただ一人、ということも多々あります。

「女性リーダー4.0 新時代のキャリア術」毎日新聞出版

私は本は心に残ったところは折りまげる癖があるのですが、
このように折り曲げだらけになってしまったのです。

自分が信じる、経済と環境が調和した持続可能な未来に向けて、一生懸命に取り組んでいても、時に「現実を知らない理想主義者」と言われ、心折れることもしばしば。

でもこの本は、今後のリーダーシップに必要なのは「多様性」や「公共性」だと明言し、とても肯定しているのです。

本書は次のような言葉で結ばれていました。

「エネルギーも石油を燃やす火力発電から原子力発電か太陽、風力、海流発電へ、大きく変わっていきそうです。

先が見えない時にはマネージャーではなくリーダーが必要とされますが、明確な見通しは誰にも持てません。(中略)

これから大きな変動期を迎える日本のビジネス界で、多様なバックグランドの社員を差別しないで、十分能力を発揮させるのは急務です。

多様な経験を重んじる、多様な価値観を重んじる、そういった中から新しいリーダーが生れ、新しい組織を作っていくことでしょう。

女性たちがそこで大きく輝くことを期待しています」

とても勇気づけられた一言でした。

その他にも、女子学生、社会人一年生、若手リーダー、そして女性が活躍する組織作りに携わる方々に向けた、語り掛けるような、実践的なアドバイスが満載です。

世代や立場、思いによって、心に響くところは違うと思いますが、悩みにぶつかったそんな時、羅針盤になる本として、繰り返し読みたいと思わせる一冊でした。

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専門ディレクター(環境・エネルギー)
小西 雅子

博士(公共政策学・法政大)。米ハーバード大修士課程修了。気象予報士。昭和女子大学特命教授、京都大学院特任教授兼務。
中部日本放送アナウンサーなどを経て、2005 年に国際 NGO の WWF ジャパンへ。専門は国連における気候変動国際交渉及び国内外の環境・エネルギー政策。2002 年国際気象フェスティバル「気象キャスターグランプリ」受賞。環境省中央環境審議会委員なども務めている。著書『地球温暖化を解決したい―エネルギーをどう選ぶ?』(岩波書店 2021)など多数。

世界197か国が温暖化対策を実施する!と決意して2015年に国連で合意された「パリ協定」の成立には感動しました!今や温暖化対策の担い手は各国政府だけではなく、企業や自治体・投資家・それに市民です。「変わる世の中」を応援することが好きな小西です♪

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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