坂東眞理子著『女性リーダー4.0 新時代のキャリア術』を読んで
2017/02/07
温暖化担当の小西です。
『女性の品格』の著者、坂東眞理子氏の新著『女性リーダー4.0新時代のキャリア術』。
あちこち売り切れでしたが、ようやく手に入れ、読み始めたら一気に引き込まれました。
アナウンサーから気象予報士、40歳台でアメリカの大学院進学後、公共の利益のため活動するWWFジャパンに入局して10年たつ私は、もともと凸凹だらけのキャリアです。
日本ではまだまだ女性の少ない道を進んできた人間の一人であり、前を見ても横を見ても仲間は少数。
現にエネルギー関連の会合などに出ると、女性は自分ただ一人、ということも多々あります。
自分が信じる、経済と環境が調和した持続可能な未来に向けて、一生懸命に取り組んでいても、時に「現実を知らない理想主義者」と言われ、心折れることもしばしば。
でもこの本は、今後のリーダーシップに必要なのは「多様性」や「公共性」だと明言し、とても肯定しているのです。
本書は次のような言葉で結ばれていました。
「エネルギーも石油を燃やす火力発電から原子力発電か太陽、風力、海流発電へ、大きく変わっていきそうです。
先が見えない時にはマネージャーではなくリーダーが必要とされますが、明確な見通しは誰にも持てません。(中略)
これから大きな変動期を迎える日本のビジネス界で、多様なバックグランドの社員を差別しないで、十分能力を発揮させるのは急務です。
多様な経験を重んじる、多様な価値観を重んじる、そういった中から新しいリーダーが生れ、新しい組織を作っていくことでしょう。
女性たちがそこで大きく輝くことを期待しています」
とても勇気づけられた一言でした。
その他にも、女子学生、社会人一年生、若手リーダー、そして女性が活躍する組織作りに携わる方々に向けた、語り掛けるような、実践的なアドバイスが満載です。
世代や立場、思いによって、心に響くところは違うと思いますが、悩みにぶつかったそんな時、羅針盤になる本として、繰り返し読みたいと思わせる一冊でした。