「ふゆみずたんぼ」からのお客様
2011/12/21
企画調整室の清野です。12月16日、宮城県で「ふゆみずたんぼ」によるお米づくりに取り組む方々が、「NPO法人田んぼ」のスタッフと共に、東京のWWF事務局を訪ねて来てくださいました。
「ふゆみずたんぼ」とは、冬の間も田に水をはったままにする農法です。近代の米作りでは、冬は田んぼから水を抜いてしまう場合がほとんど。しかし、水をはっておくほうが、泥の中の菌類やイトミミズ、ユスリカなどの小さな生物が増え、お米の生産力が高まるほか、雑草を抑える効果もあるといわれています。
WWFでは、この宮城県のふゆみずたんぼで作られたお米を、通信販売「パンダショップ」で販売しています。その名も「福幸米(ふっこうまい)」。
ご存知のとおり、宮城県は、東日本大震災で大きな被害を受けました。そこで、内陸のふゆみずたんぼで、無農薬・無施肥で作られた新米を販売し、代金のうち200円を、津波の被害を受けた沿岸の田んぼの復興に使おう、という試みが始まり、私たちのショップでも応援させていただいた、というわけです。
事務所に来てくださった生産者の方々は、「ふゆみずたんぼ」ならではの管理の大変さや、販路拡大などの課題の大変さをお話くださる一方、次のような暖かい言葉もかけてくださいました。
「今年は震災も重なり、とても厳しい状況だったが、そんな折にパンダショップでの販売が始まり、ほぼ完売と聞いて、うれしかった。私たち生産者にとって、未来への希望がつながった」
「がんばれば応援してくれる人たちがいる。よし、また来年も作ろう、という気になる。来年のために、また1本、苗を買う、という作業につながっていく」
「生産者と消費者のあいだの距離がもっと縮まって、対等な関係で、産物を通じて目的を共有していきたい」
私たち消費者が、お米を買うという形で、田んぼの生物多様性の保全と震災復興の両方に参加できるのだ、ということも実感できた、嬉しい瞬間でした。
お米の生産者と消費者を一つにつなげてくれる「福興米」づくり。これからも応援してゆきたいと思います。
- パンダショップでは、寒風沢島と同じ「ふゆみずたんぼ」の農法で作られた『福幸米(ふっこうまい)』を販売しています。代金500円のうち200円が宮城県沿岸部の津波被害を受けた田んぼの復興に使われます。1,000袋の限定販売!ぜひお求めください。