初めて出会ったオオツノヒツジ


グラッグという名のヒツジをご存知でしょうか。
アーネスト・シートンの著作『シートン動物記』の主人公のひとりで、ロッキー山脈に生きるオスのオオツノヒツジです。

子どもの頃、自分が動物の世界にハマり込んだ、おそらく最初のきっかけの一つに、この『動物記』との出会いがありました。ハイイログマやオオカミ、ヤマネコに初めて出会い、コヨーテなどという動物がいることを知ったのも、この本の中です。

先日、会員の皆さまにお届けする会報『WWF』の新年号に、今年の干支であるヒツジの原稿を書いていて、ふとこのグラッグのことを思い出しました。

物語の細かいところは覚えていませんが、描かれていた巨大な角をいただいたその姿と、オオカミとも戦う「野生のヒツジ」という存在が、とにかく印象的でした。

『シートン動物記』は子ども向けに書かれた作品ではありますが、そこに描かれている野生の世界の厳しさや、その中で必死に生きる動物たちの生きざま、親子のきずななどは、今も強く心の中に残っています。

オオツノヒツジ、ドールシープ、ユキヒツジ、アルガリ、そしてムフロン。

世界で今知られている5種の野生のヒツジは、白いフワフワしたかわいいイメージのヒツジと異なり、いずれも高山の険しい岩場などをはじめとする過酷な自然の中で、たくましく生きています。

野生のヒツジたちにとっても、今年がどうかよい1年になりますように。(広報室:三間)

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自然保護室(コンサベーションコミュニケーション グループ長)
三間 淳吉

森、海、気候、野生生物、さまざまな活動をサポートしています。

虫を追いかけ40年。鳥を追いかけ30年。生きものの魅力に触れたことがきっかけで、気が付けばこの20年は、環境問題を追いかけていました。自然を壊すのは人。守ろうとするのも人。生きものたちの生きざまに学びながら、謙虚な気持ちで自然を未来に引き継いでいきたいと思っています。

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