有明海・荒尾海岸で進む市民参加の干潟保全


九州・有明海の沿岸、熊本県の荒尾から、地元の海の保全にかかわっていらっしゃる方から、嬉しいニュースをいただきました。

日本を代表する干潟の一つである荒尾干潟に、新しくビジターセンターが開設されることになった、というものです。

荒尾干潟は、国際的な保全湿地として「ラムサール条約」にも登録されている、国内屈指の渡り鳥の飛来地で、ノリ養殖をはじめとした沿岸漁業も盛んです。

ビジターセンターは、干潟の自然を体験し、その保全や漁業について学ぶ場となるもので、送っていただいた熊本日日新聞の記事によれば、開設を求める地元の声を受け、環境省が利用計画と基本構想の策定に踏み切ったとのこと。

実際、環境省が地元で開いた意見交換会では、センターの展示や実習などについて、漁協関係者が提案したノリの手摘み体験などをはじめ、さまざまなアイデアと熱意が示されました。

「施設ができるだけでは困る」という声が上がっていることからも分かる通り、取り組みに向けた荒尾の皆さんの姿勢は本物。国としても、こうした地元の活動を認めて一歩を踏み出したようです。

私たちWWFが10年前に保全プロジェクトを開始した時、有明海にまだ一つもなかったラムサール条約の登録地は、今ではこの荒尾海岸を筆頭に3カ所となりました。

いずれにも共通しているのは、地域の方々が地元の海を守り、引き継いでいこう、という強い想いと、そのための取り組みを地道に続けてきたことです。

そんな人たちと一緒に行なった活動と、今日実った成果は、私たちにとっても大事な経験になっています。

2017年度に着工予定というこのセンター。

エコツアーなどの取り組みや、学習施設としての機能、そして地域の自然と産業への理解を深めていく、そんな拠点になってくれることを期待したいと思います。(自然保護室 前川)

荒尾海岸で越冬するハマシギの群とズグロカモメ

関連記事

自然保護室 海洋水産グループ所属
前川 聡

ASC認証にかかわるプロジェクトを主に担当しています。

日本各地の漁師町を訪ねては、持続的な養殖や漁業の推進のために関係者の方々と話し合いをしています。道すがら、普段はなかなか見ることができない風景や鳥を見つけては、一人ほくそえんでいます。もちろん、新鮮な魚介とお酒も! 健康診断の数値が気になるAround Fifty

この記事をシェアする

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは世界約100か国で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP