続報!野生復帰したシベリアトラのウポニー、運命のパートナーと出会う!?


2014年の冬、極東ロシアで人里に現れて捕獲され、翌年5月に自然の森に帰された1頭のシベリアトラがいました。

WWFロシアのスタッフらに「ウポニー(頑固者)」と名付けられた、このオスのトラは、その後も自然の中で生き延びられるか心配されていましたが、先日、現地から嬉しい続報が届きました。

なんと、新しいすみかで、ウポニーにパートナーが見つかったのでは?というニュースです!

勢いよくトラック方飛び出し、野生へ戻ったウポニー

ウポニーに装着された首輪のGPSデータによると、6日間連続でおよそ1キロ四方の狭い範囲内から動かず、しかもその間、獲物を捕食した形跡が確認されませんでした。

このような行動は、繁殖期をむかえたトラの典型的な行動パターンであると分析され、ウポニーがメスのトラと出会った可能性が非常に高いと言えます。

アムールトラセンターのセルゲイ・アラミレフ極東支部長も、次のように喜びのコメントをされました。

「一度捕獲されてから自然に戻された動物は、本来野生に生息していた個体と比べ、社交性が劣るという見解があります。

その中で今回、ウポニーにパートナーが見つかったという情報は、野生復帰プログラムが成功に一歩近づいたということにもなります」

うまくいけば今後、ウポニーの血を引いた可愛らしい仔トラたちが、母トラについて回る姿をカメラトラップにおさめることが出来るかも!?

そう思うと私も楽しみで仕方ありません。

ウポニーの新しいすみか、ガー川流域の盆地で調査に取り組むWWFロシアのスタッフたち

しかし、ウポニーもすむ極東ロシアの森では、今も持続可能でない方法で伐採された木材が、中国で建材や家具に加工され、日本に輸出されていると指摘されています。

これからも、この豊かな森の保全活動を支援しながら、日本の企業や消費者に、持続可能な方法で生産された木材の調達・購入を働きかけていきたいと思います。(広報 山本)

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WWFジャパン ブランド・コミュニケーション室 メディア グループ長
山本 亜沙美

大学時代の専攻していた海洋生物学をきっかけに、絶滅危惧種や環境保全活動に興味を持ち始める。2005年卒業後、米セントラルフロリダ大学院にて生物学を学び、2007年に卒業。卒業後、航空会社にて運行管理のオペレーション業務に携わった後、2010年にWWFジャパン自然保護室アシスタントとして入局。2013年より広報・プレス担当として、取材対応、記者発表などをはじめとしたメディアリレーション、イベント企画・運営などに携わる。2018年7月からメディアグループ長として、広報全般・WWFジャパンのブランドコミュニケーションを担当する。

海洋生物学が専門のリケジョな広報プレス担当です。人の心に響くものはいつの時代も変わらずですが、今は伝える手法が多様化しつつあります。情報のトレンドを追いかけ、常に一歩引いた視点で物事を見るように心がけています。休みがあればスクーバ&スキンダイビングをしにどこかの島に行っています♪

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