「奄美群島国立公園」の設立に向けて


沖縄や奄美、八重山などの島々が浮かぶ南西諸島。

ここでは今、ユネスコの世界自然遺産の登録に向けて、国立公園の新設や拡充整備が進められています。

今年9月には、沖縄島北部で「やんばる国立公園」が誕生。

続いて、奄美大島とその周辺の離島を国立公園に指定する計画も開示されました。

そこで先日、この計画に対する意見(パブリックコメント)を提出しました。

主旨は、奄美群島の自然の重要性をきちんと認識した上で、現場での保全活動に学校や地域の人たちが参加できる仕組みを創ること。

そして、森の環境に配慮した農業や、木材の持続可能な利用を進めることです。

また同じく、海に流れ込んでサンゴ礁を脅かす赤土の対策や、自然破壊を伴う観光の規制、希少な野生生物を脅かす密猟や、ペットを含む外来生物への対策の必要性も強く訴えました。

1970年代から南西諸島の自然保護を続けてきた私たちWWFとしても、今回のような国立公園化の方針は歓迎すべきものと考えています。

ですが、意見書でも述べたように、いまだにさまざまな問題があることも事実。

特に、小さな島では生態系が壊れやすく、世界中でその場所にしかいない「固有種」も生息しているため、一度失われると回復がきわめて困難になります。

アマミノクロウサギ

これらを脅かす問題を解決してゆかねば、世界自然遺産も、見境の無い観光のための無益な看板にしかなりません。

私たちは今後、奄美での新たな保全活動を計画していますが、その中には、地域の協力を得た環境教育活動や、外来生物問題についての普及活動も含まれています。

奄美群島で地域の方々と創っていくこれらの保全の取り組みを、一つの自然保護のモデルとして、他の地域へも広げてゆきたいと思います。(自然保護室 権田)

ケナガネズミ

関連情報

自然保護室 国内グループ所属
権田 雅之

南西諸島プロジェクトを担当。陸域での取り組みを行なっています。

亜熱帯に属する琉球列島の島々で、アマミノクロウサギをはじめ希少生物やその生息地の保全に、地域の方々と共に取り組んでいます。問題と地域社会の変革は、国外の他の島々でも同じような問題と解決の縮図。次の一手は東南アジアの島々や地域への拡大もありや。

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