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喜界島で世代を超えたサンゴの石垣修復活動


奄美大島の東約20kmに位置する喜界島では、サンゴの化石を使った石垣や墓石などのサンゴ礁文化が色濃く残されています。

この石垣は台風などの強い風や塩害から家屋を守るために造られてきたもの。

特に阿伝集落は、石垣の残る昔ながらの島の景観が多く残る集落として有名です。

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阿伝集落に残るサンゴの石垣

しかし、昔はいたる所にあったサンゴの石垣は、道路の拡張による取り壊しや、石を積む職人がいなくなったこともあり、減少する傾向にあります。

また、人口が減り、空き家が増えるともに石垣を維持管理する人も減少。崩れたままの石垣が放置されることも問題になっています。

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台風によって崩れた石垣

この状況を改善しようと2020年の4月、阿伝集落で住民の方々が中心となり、「阿伝サンゴの石垣保存会」が発足しました。

そして10月、喜界島の早町小学校5年生の児童が、保存会の指導をうけて石垣の修復作業に取り組みました。

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外側に積む石と内側に積む石を分けて運ぶ子どもたち。

この日の参加者は、小学生から80代の高齢者まで。

最初に喜界島サンゴ礁科学研究所の駒越研究員から石垣に使われているサンゴについて解説を受け、その後、保存会の方から、石の積み方を教わりながら石垣の修復に取り組みました。

最初は緊張気味だった子どもたちも、自分たちでハンマーを使って積みやすい大きさに石を割りながら作業を進めました。

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積み方を教わりながら一つ一つ協力して石を積む。

作業は2時間ほどで完了。見事にサンゴの石垣は蘇りました。

子どもたちは、自分たちが積んだ石垣を満足そうに見上げ、保存会の方たちはその様子を見て嬉しそうに微笑んでいる光景が印象的でした。

サンゴの石垣は、サンゴという生き物の恵みによってもたらされた文化。地域が主体となってサンゴの海を守っていくためには、こうした文化を大切にする取り組みも重要です。

これからもこうした文化が、島の方々の手によって受け継がれていくことを願います。

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修復したサンゴの石垣と記念撮影。

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自然保護室 国内グループ所属
鈴木 倫太郎

南西諸島のサンゴ礁など海域をフィールドを担当しています。

石垣島・白保の海に初めて出会ってから20余年。それ以来、研究者として、仕事として、サンゴにかかわり続けてきました。サンゴを愛し、サンゴから愛されそびれた男。サンゴ礁の魅力を多くの人に伝えていきたいと思います。

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