© Elizabeth Kemf / WWF

トラが生き残る森で…歩き続けること30年!


野生動物の中でも、特に人気の高いトラ!
先日、そんなトラの保全プロジェクト現場のひとつ、タイのケーン・クラチャン国立公園に行ってきました。
隣国ミャンマーの国境沿いにあるこの国立公園では、日本の皆さんのご支援によって、WWFジャパンとWWFタイが、野生動物の調査用自動カメラ(カメラトラップ)を設置、トラやトラの捕食対象となる草食動物の調査を実施しています。

私は今回、そのカメラの設置に同行しました。

© Kaeng Krachan National Park

朝露が残る森の中、歩き出すと汗がじわじわ出てきます。目にする植物や、聞こえてくる生きものの鳴き声、いろんなものが新鮮で、興奮しました。

「ニーアライカー?!(これ何ですか?!)」
私のどんな質問にも、すぐ答えてくれたのが、この道一筋30年!
レンジャーのスータッさんです。

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© Kaeng Krachan National Park

たびたび立ち止まって、ケーン・クラチャン国立公園にいるさまざまな生き物のことを教えてくれたスータッさんです。そっと差し出してくれた手の中には、カエルがいました。

スータッさんは、このプロジェクトや日々のパトロールのため、チームを引き連れて、森の中のけもの道を一日中歩いています。
植生や野生動物の痕跡を丁寧に記録し、調査もしながら進むため、一日かけて移動できる距離は、約2キロだそう。

©WWF Japan

首元にはヒルに噛まれた跡が…血が止まらない様子に、私はひやひやしましたが「痛くもかゆくもないよ!」と頼もしかったです。

そんなスータッさんの、一番好きな動物も、まさにトラ!!
先日も、2頭の野生のトラが、この国立公園内に設置された自動撮影カメラに映っていました。
確認できたトラの姿に喜びもひとしおだったものの、今後のパトロールは、一層気を引き締めて臨まねば、そう感じたそうです。

©WWF Japan

けもの道にある木に無事カメラを設置。この地点にも、トラは通りかかるでしょうか?

今後は継続的にトラの調査を続け、個体数や生息域を明らかにし、タイとミャンマー両国での保全計画を策定することを目指しています。

「森で一番怖いものは…?」と伺うと「ポーチャー(密猟者)!」と即答してくださったときは、ドキッとしました。
密猟者に出くわしたときは、全ての荷物をその場に置き捨て、全力疾走して捕まえるそう!そして密猟者から武器や罠を没収し、警察当局に引き渡すのだそうです。

©Tsubasa Iwabuchi / WWF Japan

森で回収した密猟の痕跡。左は、ショットガンの薬莢で、右はくくり罠です。

現場での活動は、過酷なものですが、日本からも引き続き応援してゆきたいと思います。

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自然保護室 森林グループ所属
伊藤 小百合

消費者向けのアウトリーチと、フィールドでの活動を発信するコミュニケーションを担当。

ツンドラでの植生調査、在来種の苗木屋さん、科学館職員を経て、このお仕事に就きました。新しく知るだけでは、変えられない世界があるから、誰もができるアクションをおみやげにできるようなコミュニケーションが目標です。

人と自然が調和して
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WWFは世界約100か国で活動している
環境保全団体です。

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