自然の森に帰ったトラ「ウポニー」の死が教えてくれること・・・


WWFロシアの事務局から大変ショッキングなお知らせが届きました。

スタッフブログなどでも度々ご報告しておりました、シベリアトラの「ウポニー」が死んだ、という知らせでした。

「ウポニー」は、2014年の冬に極東ロシアで人里に現れて捕獲され、野生復帰のリハビリを経て翌年5月に自然の森に帰ったオスのシベリアトラです。

その後も、発信器つきの首輪から送られてくるGPSの信号を基に、その行動圏や、人里にまた出没しないか、調査が続けられてきました。

その信号が突然途絶えたのです。 2月17日のことでした。

勢いくケージを飛び出し、野生へ帰っていくウポニーの姿

専門家たちは急いでGPS信号が途絶えた場所へ向かいましたが、かなり人里からも離れた場所で、死体を発見するまでには数週間を要しました。

死因はその外傷からヒグマか、より体の大きなトラに襲われたのではと推測されています。

WWFロシア、アムール支部のパベル・フォメンコはウポニーの死について次のようにコメントをしています。

「ウポニーは、人との衝突によって野生から離され、野生復帰のための訓練を受けた後に、再び自然に順応していくという、目まぐるしい変化のある生涯を過ごしました。

首輪からのGPS信号によってウポニーの移動状況がわかります

私たちは、そんなウポニーに「自由への挑戦」、そして「自然界で生き延びる」ことの象徴であってほしいと願っていました。

そんな矢先、この知らせを聞き大変残念に思っています」

自然の厳しい掟がもたらす死は決して少なくありません。

その厳しさにさらに、人の手による森林破壊や密猟を加え、すみかを奪ってしまうようなことは、絶対に無くしてゆかなければいけません。

「ウポニー」と名付けられた一頭のトラの生涯からは、そんな警告にも似た強い思いをあらためて感じました。(広報 山本)

シベリアトラすむ極東ロシアの森。2015年の調査では、野生のシベリアトラの個体数は523~540頭であると推定されています。

関連情報

関連動画:ウポニーの野生復帰に向けて

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C&M室 メディアグループ所属
山本 亜沙美

プレス担当。

海洋生物学が専門のリケジョな広報プレス担当です!この仕事に就くキッカケとなった海牛類のマナティとジュゴンなどモフモフよりもヌメッとした動物が好みですが、最近パンダに浮気中。『ゆるく完璧に』中立的な目線でWWFとみなさまをつなぐ仕事をしています♪

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