永田町へ行こう!「種の保存法」改正のゆくえ


受動喫煙、共謀罪に憲法改正、国会審議が連日、さまざまな形でニュースに取り上げられています。

しかし、審議の真っ最中にもかかわらず、なかなか報道されない話題もあります。

たとえば「種の保存法」の改正。

希少な野生生物と生態系の保全を目的とした、日本の環境行政の柱の一つというべき、重要な法律です。

国会議事堂。道を挟んだところに衆参両院の議員会館があります。

今国会で審議されているその改正案は、先月、衆議院で可決され、今週から参議院で議論されています。

ここで議員がどんな質問をし、環境大臣がなんと答えるか。そしてどんな附帯決議が付くのかは、今後の日本の自然保護を左右する重要なポイント。

そんなわけで、私たちも大切な取り組みの一つとして、永田町へと通い、審議で活発な議論がなされるよう、議員に働きかけるロビー活動を頑張っています。

参議院環境委員会での審議の様子

「種の保存法」に関して主に会いに行くのは、本会議に先立ち、この議題を専門的に審査する「環境委員会」のメンバー。

しかし、誰でもNGO(民間団体)の話を聞いてくれる訳ではないので、野生生物の保全に関心のある国会議員を、足で探して歩かねばなりません。

もう一つ、私たちが永田町に行くケースには、国会の「参考人」として招致される場合があります。

参考人は、委員会が審査や調査のため、外部の意見を聞く必要があると判断した時、招かれる専門家で、WWFのスタッフもしばしば意見陳述をしてきました。

参考人として呼ばれた自然保護団体のスタッフの意見陳述。参議院のサイトより

参議院での「種の保存法」の改正審議でも参考人質疑があり、18日にもこの問題に取り組んでいるNGOのスタッフが登壇しています。

野山や海のフィールドばかりが、自然保護の現場ではありません。

こうした模様を含む、国会審議の様子は、国会のサイトで動画配信されますので、ぜひご覧ください!(トラフィック若尾)

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自然保護室(野生生物)、TRAFFIC
若尾 慶子

修士(筑波大学大学院・環境科学)
一級小型船舶操縦免許、知的財産管理技能士2級、高圧ガス販売主任者、登録販売者。
医療機器商社、海外青年協力隊を経て2014年入局。
TRAFFICでペット取引される両生類・爬虫類の調査や政策提言を実施。淡水プロジェクトのコミュニケーション、助成金担当を行い、2021年より野生生物グループ及びTRAFFICでペットプロジェクトを担当。
「南西諸島固有の両生類・爬虫類のペット取引(TRAFFIC、2018)」「SDGsと環境教育(学文社、2017)」

子供の頃から生き物に興味があり、大人になってからは動物園でドーセントのボランティアをしていました。生き物に関わる仕事を本業にしたいと医療機器業界からWWFへ転身!ヒトと自然が調和できる世界を本気で目指す賛同者を増やしたいと願う酒&猫好きです。今、もっとも気がかりな動物はオガサワラカワラヒワ。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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