バンコクの国連会議の現場より
2011/04/07
温暖化担当の小西です。
国連会議が開かれているタイのバンコクに来ています。
来たのは今回で3回目ですが、来るたびにきれいになっていて驚きます。
今月3日に始まったこの会議、初日から3日目の午前中までは、国の交渉ではなく、ワークショップが開かれました。6年間こうした国際会議を見てきましたが、これは初めてのことで、珍しい形かもしれません。
テーマは先進国の2020年の削減目標と、途上国の削減行動。
その中身しだいで「各国がどれだけ温室効果ガスの排出を削減するか」規模が決まる!だ・い・じ・な ワークショップです。
たとえば、森林吸収源というルールがあります。これは、ある国の削減目標から「その国の森林が吸収する温室効果ガスを、削減目標から差し引いてよい」というもの。
(この分は、森がほとんど勝手に吸収するわけですから、人が排出削減の努力をするわけではありません)
日本の場合、京都議定書での最初の削減目標は、1990年比で「6%減」ですが、そのうち3.8%が森林吸収源。つまり、実質的な日本の削減目標は、6%から3.8%を除いた「2.2%」ということになります。
これを、新たな削減目標の中で「どれくらい使ってよいことにするか」によって、各国が努力せねばならない排出削減のボリュームが決まり、実際に石油や石炭から排出されるCO2などの量を左右することになるのです。
こうしたいくつもの課題を話し合い、各国の目標が比較できるようにしながら、足りない分をどうするか検討… と。回りくどいけれど、これが国際交渉の現場です。
今後の交渉を含めた会議の内容については、またご報告いたします!