「豊かさ」の指標を、GDPからHDI、EFへ


企画調整室の清野です。
今、事務局では、日本の消費がどのように世界の環境に負荷をかけているかを示す、日本版「エコロジカル・フットプリント」の発表に向けた取り組みを行なっています。

1961年から2008年までのエネルギーや食料の消費など、国内のさまざまなデータを基にしており、日本が今後、「持続可能」な社会づくりに向けて、どのような取り組みに注力するべきなのか、その方向性を示しています。

たとえば、消費についての日本の大きな特徴の一つに「食料」があります。
まず目立つのは、廃棄している食料の量の多さ。さらに、消費している食料の四分の三は、海外からの輸入に頼ったものであることです。
一方で、食料供給カロリーは適切量であることも分かりました。

それでも、日本人の暮らしを世界中の人たちがするようになったら、地球一個分の生産力では足りないことも、このレポートは指摘しています。

こうした環境の厳しい現状の中で、私たちWWFが実現したいと考えていることは、世界の「豊かさ」の指標を、経済的な側面だけを見るGDP(国内総生産)から、人の暮らしの質を問うHDI(人間開発指数)とEF(エコロジカル・フットプリント)に切り替えてゆくこと。

なぜなら、環境の価値や、その考え方を変えてゆくことこそが、新しい未来をつくるカギになるからです。

そうした側面をふまえたこのレポートは、日本が持続可能な国として発展し得る「可能性」を、しっかり示すものでもあるのです。

くわしくは、この12月に発表予定の日本版「エコロジカル・フットプリント」をご覧になってみてください。ぜひお楽しみに。

 

20121116az.gif

 

F1000137.jpg

事務局でのレポートについての説明会の様子。

F1000138.jpg

 

この記事をシェアする

企画管理室
清野 比咲子

深海生物や昆虫など人間には思いつかない生きものを知るたびに仕事への意欲をキープしています。ワシントン条約会議で世界の人々の真剣な議論を目の当たりにし、自然保護の醍醐味を味わいました。いまは、地球にダメージを与えない新たな時代の暮らし方を模索し、「環境なくして経済なし」と言い続けています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP