スマトラサイ調査の道中、ボートが転覆...!


こんにちは、広報の増本です。 先日、ボルネオ島・東カリマンタンに行ってきました。

今回訪ねた先は、去年、東カリマンタンでは絶滅したと考えられていたスマトラサイ(ボルネオサイ)の生存が20年ぶりに確認されたプロジェクトの現場です。

スマトラサイの痕跡を発見したWWFインドネシアのスタッフとも直接話ができたのですが、その中でこんなエピソードを聞きました。

徒歩と船で数日かかる森の奥へ、設置しておいた調査用ビデオカメラのデータ回収とバッテリー交換に行ったときのこと。

森を流れる川を遡って船で現場へ向かっていると、大雨の後だったため流れが急になっており、3台のボートのうち2台が転覆してしまったそうです。

幸いけが人は出なかったものの、ボートをはじめ、カメラやエンジンが破損し、使いものにならなくなってしまいました。

意気消沈しながらも、カメラの設置現場へ向かい、撮影データを再生してみると、そこにはなんと、森の中を歩き回るスマトラサイが!しかも、複数台のビデオカメラがサイの姿をとらえていたのです。

「カメラもボートも壊れてしまったけど、映像を見た時は、それが吹っ飛ぶくらい夢のような瞬間だった」と彼は興奮気味に話してくれました。

ちなみに、ボートの破損により、調査チームは事務所まで3日かけて歩いて帰ったそうです。食料も水浸しになったため、川で釣りをして食べていたとのこと。それにしても、右の写真のような大物の魚が何匹もとれたというので、この地域に残されている自然の豊かさには驚嘆せざるをえません。

あいにく今回は、サイが発見された場所までは足を伸ばせませんでしたが、同じ森に足を踏み入れ、この森のどこかにスマトラサイが悠々と歩いているんだなあと想像するだけでも、至福の時間となりました。

▼20年ぶりに存在が確認されたスマトラサイの動画

大雨により、近くの村も水浸しに。

流されたボートが木の上で見つかった。

ボートを回収するスタッフ

食料も台無しになったため、川で釣りをして調達。写真はこのWWFインドネシアスタッフでこのプロジェクトのリーダー、ユユンさん。

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ブランドコミュニケーション室(ソーシャルモビライゼーション グループ長)
増本 香織

一橋大学社会学部卒、在学中にオーストラリアメルボルン大学に留学し環境学を専攻。在学中に国際保健系NGOでインターン、卒業後は国内オーガニック食材流通の草分け的なソーシャルビジネスでマーケティングを担当。2013年にWWFジャパン入局、広報部門でWeb・SNSの戦略的運用やキャンペーン業務、資金調達部門でのサポーターリレーション業務に従事し、2020年度より現職。ひとりでも多くの方が、地球や生きものたちのためにアクションを起こしたくなるような、気持ちが動くコミュニケーションを目指しています。森林インストラクター、薬膳インストラクター。

大学時代のインターンや前職を含め、ずっとNGOに携わっています。心から貢献したいと思える仕事に就けるありがたさを感じつつ、1歳と3歳の子育てにも奮闘中。上の子は「なんで?」「どうして?」真っ盛りの時期で、「お母さんはどんなお仕事をしているの?」「パンダのお世話?」と聞いてきます(笑)子どもたちの世代にどんな地球が残せるかは、今を担う私たちにかかっています。

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