淡水の保全

大小さまざまな川や湖、池や沼、湿地帯、
また雨期に水没する森や、乾期には涸れてしまう川まで、
地球の「淡水」をめぐる景観は実に多様です。
しかし、その総面積は地球上のわずか1%。
しかも、その多くが今、水資源の過剰な利用や、
水をとりまく自然環境の開発によって、
深刻な危機にさらされています。
淡水の危機の原因は?
淡水環境の破壊は、
直接的な原因と間接的な原因によって引き起こされています。
たとえば、次のような原因があります。
- 農業や工業に利用する淡水の過剰な取水
- ダムなどの大規模なインフラ開発
- 流域の開発を含む土地利用の変化
- 過剰な漁業資源や土砂の利用
- 侵略的外来生物による悪影響
- 農業や工業排水による汚染 など

日本の消費も、海外でこうした問題を引き起こし、
淡水の自然を脅かしています。
日本が輸入し、消費している農産物の生産には、
大量の水が使われ、水資源の枯渇や汚染に、
少なからず関連しているためです。
限られた、しかし多様な淡水の環境を守るためには、
日本でも持続可能性を意識した消費や生産を進め、
それを支えるビジネスやライフスタイルを確立してゆかねばなりません。
こんな野生生物が
今、絶滅の危機に!
健全な水を守ることは、命のつながりを守ること
淡水環境は地球上の面積の1%を占めるのみですが、
そこには全ての魚種の51%が生息しています。
それはその魚を食物とする
さらに多くの野生生物の命のいとなみを支え、
2億人の人々の暮らしにかかせない
タンパク源となっています。
しかし、これらを育む世界の淡水の自然の豊かさは、
1970年以降、84%も失われ、
淡水魚も2,400種以上が絶滅の危機に瀕しています。
淡水資源の過剰な利用のみならず、
健全な水を生み出す母体である、
森林や湿地といった水をとりまく「流域」の自然の消失や劣化も、
この危機を深刻化させる、大きな原因です。
貴重な淡水が失われれば、
それを頼る多くの命が失われることになります。
人も、その例外ではありません。
淡水を守る!WWFジャパンの取り組み

WWFジャパンでは、特に淡水の利用や汚染に
深くかかわる繊維業界と協力した、水環境の改善を推進。
また、日本を代表する水環境である
水田の生態系保全などにも取り組んでいます。
- 持続可能なコットン(綿)と繊維産業の改善を目指した取り組み
- 国際的に重要な淡水の自然環境の保全
- 日本の水田の生態系と淡水魚、および水環境を利用する渡り鳥の保全
淡水の環境を守るためには、
水を多く利用する農業や工業を、自然に配慮した、
持続可能なものに代えていかねばなりません。
そのためには、そうした産業で生み出される、衣料品や食品など、
さまざまな産品を利用している、
人のライフスタイルも変えていく必要があります。
多様な命をつなぐ水を守るための、
WWFの活動を、ぜひご支援ください
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民間団体のWWFの活動は、
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