パリ協定の早期の発効決定を歓迎する!日本はせめてマラケシュ前に批准すべき


Statement 2016年10月6日

10月に入ってインドや欧州連合をはじめとする国々が批准したことによって、とうとうパリ協定の発効条件を満たし、パリ協定はまもなく発効することになった。これまでの温暖化の国際条約の歴史では考えられなかった素早い発効となったことを、WWFは心から歓迎する。日本が発効にかかわれなかったことを強く憂えて、なんとしても11月7日までには批准するべきである。

パリ協定は、55%以上の排出量を占める55か国が批准(受諾、承認含む)した後、30日後に発効する。9月上旬に世界排出第1位の中国と第2位のアメリカが批准したことによって発効に向けて弾みがつき、ブラジル、メキシコ、インドなど有力国が続いた後に、とうとう欧州連合が批准することとなり、55か国にくわえ55%以上という排出量の条件を満たしたものだ。特に欧州連合は、域内28か国の国内手続きが終了する前に、異例の特別措置で批准することをスピード決定したもので、なんとしてもパリ協定発効の立役者の一国となるという強い決意を感じさせた。WWFはパリ協定の発効に向けてこれほどの努力を重ねたこれらの国々のリーダーシップを高く評価する。

これは、異常気象が相次ぎ、温暖化に世界的に危機感が募る中、世界のすべての国が参加して、いずれ世界全体の温室効果ガスの排出をゼロにすることを目指す、画期的な「パリ協定」を前進させていく、という世界の力強い意志の表れだ。

その一方、排出量全体の3.8%を占め、世界第5位の排出国である日本は、G7伊勢志摩サミットで、各国に「パリ協定の早期の批准」を呼びかける宣言をホスト国としてとりまとめた立場であるにもかかわらず、パリ協定の早期発効には寄与しなかった。「国内手続きにおいて他の優先事項があり、時間がかかる」という理由は、どこの国でも同じ事情であり、やはり意思がなかったと言わざるを得ない。

これによって、今年11月7日から開かれる国連の気候変動会議COP22(マラケシュ会議)は、パリ協定の第一回締約国会合になる。もし日本が10月19日までに批准することができないならば、この記念すべきパリ協定第一回締約国会合に日本は、交渉の決定権のある締約国としてではなく、単なるオブザーバーとしての参加になってしまう。もちろんその後にまだ批准していない国々を議論に参加させるための措置は交渉されるであろうが、パリ協定のスタート時から出遅れることとなり、今後の重要なルール作りにおいて、交渉力の著しい低下は避けられないだろう。日本はパリ協定の第一回会合に間に合うように批准するべきである。

  • 訂正)パリ協定の規定により、パリ協定の第一回会合に締約国として参加するには、10月19日までに批准している必要があることが分かりましたので、下線部を修正しました(2016年10月14日)。

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