マグロという生物


種類によっては、2~3メートルにもなるマグロは、世界の海で見られる魚の中でも、特に大型になる肉食魚です。マグロの仲間にはいくつも種類があります。日本の食卓によくのぼる、大型のマグロ類には、クロマグロ、ミナミマグロ、キハダ、メバチ、ビンナガなどがあります。

マグロという生物

(2020年9月17日更新)

マグロは、スズキ目サバ科に属する大型の回遊魚です。

泳ぎが命!

マグロは、泳いで口に海水を入れ、それをエラに通すことで呼吸しているため、泳ぐのをやめると死んでしまいます。このため、生まれたその日から死ぬ時まで、眠っているときですら、一度も止まることなく泳ぎ続けます。

マグロの体は、泳ぐのに適した流線型をしており、時には時速100キロもの早さで泳ぐほどの、高い運動能力を誇ります。自分の体温よりも、少し低い水温の海域を好み、海流にのって夏や冬の季節ごとに、広大な範囲を南北に回遊して暮らします。

大型の肉食魚

種類によっては、2~3メートルにもなるマグロは、世界の海で見られる魚の中でも、特に大型になる肉食魚です。
泳ぎ続けることで生きるマグロは、その体力を維持するために、大量の食物を必要とします。食物は、小型から中型の魚類、甲殻類、イカ類など。マグロは、海の生態系の中でも上位に位置している生きものです。

いろいろなマグロ

マグロの仲間にはいくつも種類があります。日本の食卓によくのぼる、大型のマグロ類には、クロマグロ、ミナミマグロ、キハダ、メバチ、ビンナガなどがあります。ここでは、この5種のマグロについて紹介します。
ちなみに「カジキマグロ」という魚の名前を店でよく見かけますが、カジキはサバ科ではなくカジキ科に属しており、マグロ類とは全く別の魚です。

クロマグロ

「本マグロ」という名でも売られている、マグロの王様。
トロの多いマグロとしても喜ばれ、多くは刺身などで消費されています。

基本情報

和名:クロマグロ
別名:ホンマグロ
英名:bluefin tuna
学名:Thunnus orientalis
大きさ:体長300センチ、体重320キロ

特徴・用途

体の背側は青黒く、胸びれは短く、目が小さいのが特徴です。マグロ類の中でもっとも大型に成長し、3メートルを超える記録もあります[1]。
一般には「本マグロ」という名でも呼ばれ、身は濃い赤身。トロも多く、マグロの中でも最高級品として取引されます。熱帯や亜熱帯に生息するメバチやキハダより脂(トロ)が多いのは、クロマグロが比較的冷たい海に生息しているためです。

生態

寿命

クロマグロは、若齢期に急激に成長して5歳で約160 cmに達し、それ以降は成長速度が遅くなって8歳で約200 cm、12歳で226 cmに達します。
寿命は20年以上と考えられ、最大体長は300 cm以上、体重は320 kg以上に達します[1]。

分布とライフサイクル

クロマグロは主に北緯20~40度の北太平洋温帯域に分布しています(図1)。
いっぽう、大西洋および地中海には別種のタイセイヨウクロマグロ(Thunnus thynnus)が生息しています。
クロマグロの主な産卵場所、時期および主な親魚年齢は、南西諸島周辺(4~7月、8歳以上)、日本海(7~8月、3~6歳)および三陸沖(5~8月、6~8歳)です。
ふ化後は、日本沿岸を、餌を探しながら移動しますが、その一部は、1歳ごろになると太平洋を横断し、アメリカ大陸西岸で数年過ごした後、産卵のために日本周辺へ戻ってきます。
なお、クロマグロが産卵できるようになるまで、3~5年かかります(図2)[1]。

図1 クロマグロの分布・回遊経路と主な産卵場

図2 クロマグロの年齢別の成魚の割合:
3歳魚では約2割しか成熟していないが、5歳魚ではほぼすべての個体が成熟する。

漁業と漁獲量

クロマグロの漁獲量は、ピーク時には3万5千トンを超えていましたが、近年は1万トン強まで低下しています(図3)。
世界の漁獲量(2015-18平均)は、約12,000トンであり、日本、メキシコ、台湾、韓国、アメリカ、台湾の順で多く漁獲しています(図4)。
その中でも日本は、約7500トンという全漁獲量の約6割を漁獲している世界一の漁獲国です。
また、クロマグロ漁は、未成魚の漁獲が多いことが特徴であり、その漁獲は全体の95%に達します。
これら未成魚は、主に、まき網、曳縄、定置網などで漁獲され、「ヨコワ」や「メジマグロ」という名前で販売されていますが、これら大量の未成魚の漁獲は、近年の資源低下の主な原因と考えられています[2]。

図3 クロマグロの漁獲量の推移 (ISC20 plenary report final, Table 11より)

図4 クロマグロの国別漁法別漁獲量(2015-18年平均) (ISC20 ANNEX11 Stock Assessment report for Pacific bluefin tunaより)

養殖について

世界的にクロマグロの需要が高まる一方で、資源枯渇のために減少している天然漁獲を補う形で、クロマグロの養殖が盛んになっています。
クロマグロの養殖は、日本とメキシコで行われていますが、2017年の日本の養殖クロマグロ出荷量は15,858トンと、わずか5年で1.6倍に増加しています。
この値は天然クロマグロ漁獲量の倍以上ということからも、養殖クロマグロがポピュラーな存在になったと言えるでしょう(図5)。
また、希少・高価な部位である「トロ」を、養殖では増やすことができることも、養殖の需要を拡大させています。

養殖は、その方法によって「蓄養(天然種苗養殖)」と「完全養殖」の2種類に分類されます。
蓄養というのは、まき網漁やひき縄漁で漁獲した天然のマグロ(主に未成魚)を、生きたまま生け簀に移し、餌を与えて太らせ、脂(トロ)を乗せて育てた上で売りに出す、という方法です。
日本だけではなく、メキシコでも蓄養は盛んに行われていますが、養殖されたマグロのほとんどは日本で消費されています。
一方、完全養殖というのは、人工の環境下で生まれ成魚まで育ったクロマグロから採った卵を孵化させた人工種苗を生け簀で大きく育てる方法で、天然のマグロを漁獲することなく養殖することができます。
完全養殖は、技術的な難しさなどから、現在は日本でのみ行われている手法ですが、人工種苗が用いられる割合はすでに50%を超えております(図6)。
完全養殖は、クロマグロ資源への影響が無いことから、クロマグロ資源が減少した昨今では大変注目されている技術ですが、持続可能性という点で未だ課題があります。
詳しくはこちらをご覧ください。

図5 日本における養殖クロマグロの出荷量の推移 (水産庁、平成29年における国内のクロマグロ養殖実績について(速報値))より

図6 日本のクロマグロ養殖における人工種苗の比率(完全養殖の比率) (水産庁、平成29年における国内のクロマグロ養殖実績について(速報値))より

消費量

近年、クロマグロの消費量は国内、海外共に増加傾向にあり、2018年は3.7万と2012年に比べて1.5倍に増加しました(図7)。
この消費量の増加は、主に養殖クロマグロの供給によって支えられています。
また、日本は世界のクロマグロ消費の76%を占める世界一のクロマグロ消費国です(図8)。
漁獲量、消費量ともに世界一であり、自国の沿岸に主要な産卵地を抱える日本には、持続可能なクロマグロ漁業を確立する、大きな責任と役割があると言えるでしょう。

図7 クロマグロの消費量の推移 (FAO FISHSTATおよび財務省貿易統計より) ※輸入量、輸出量のエラ、内臓重量は考慮していない。 ※消費量は漁獲から消費までの時間差を考慮しておらず、また在庫量を考慮していない、近似値である。

図8 世界のクロマグロ消費における日本の割合 (FAO FISHSTATおよび財務省貿易統計より) ※輸入量、輸出量のエラ、内臓重量は考慮していない。 ※消費量は漁獲から消費までの時間差を考慮しておらず、また在庫量を考慮していない、近似値である。

資源状況と管理について

漁業の管理機関

クロマグロの管理は、西部太平洋ついては中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)、東部太平洋については全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)が行っています(図9)。また、科学データについては、北太平洋まぐろ類国際科学委員会(ISC)とIATTC科学諮問委員会(IATTC SAC)が調査・集約し、WCPFC・IATTCに提供しています。マグロの資源管理を行う国際機関ついて、詳しくはこちらをご覧ください。

図9 世界の海のマグロ類の資源管理にかかわる国際機関

資源状況

ISCによる2020年の報告では、2018年のクロマグロの全資源量は82,212トン、産卵可能な親魚の資源量(産卵親魚量)は28,228トン、これから漁獲対象となる幼魚数(加入量)が約466万尾であることがわかりました(図10)[2]。
2010年には、産卵親魚量が2018年の半分以下の10,837トンという歴史的な低水準まで低下したということを考えると、クロマグロの資源量は、着実に回復してきているとは言えます。しかし、依然として初期資源量(漁業が開始される以前の推定資源量)のわずか4.5%という低水準にあるため、余談を許せない状況です。また、水産庁は、数種のマグロについて、資源状態を3段階(高、中、低)にわけて評価していますが、クロマグロは依然として「低位」と評価されています[1]。

図10 クロマグロの全資源量、産卵親魚量、加入量の推移
2010年には歴史的低水準を記録したが、その後の管理措置強化により回復傾向にある(ISC20 plenary report finalより)

保全管理措置

WCPFCでは、近年のクロマグロの資源低下をうけ、2034年までに初期資源量の20%まで回復することを目標に、2015年より「未成魚漁獲量を50%削減する」という実効的な保全管理措置(CMM; Conservation Management Measure)を実施しています(表1)[3]。また、2018年には漁獲戦略(ハーベスト・ストラテジー)が導入され、資源の回復目標の設定や、その目標の達成確率が60%を下回る場合に管理措置の厳格化を実施すること、またそれら措置についての実効性を検証することになりました[4]。
これら保全管理措置の成果によって、未成魚の漁獲圧が減少し、その結果、一時は初期資源量の2.6%以下まで減少していたクロマグロ資源は、わずか8年で4.5%まで回復しました。しかし、世界的には、初期資源量の20%を下回ると禁漁を検討しなければならない危険水準であることを考えると、持続可能なクロマグロ漁業のためには、漁獲可能量(TAC)を増やすことなく、早期に目標まで資源を回復させることが必要です。

表1 WCPFCにおける保全管理措置および日本国内での対応 (水産庁「国際漁業資源の現況」をもとにWWFが作成)

課題

保全管理措置や漁獲戦略の導入などによって、資源が回復し始めたクロマグロですが、まだ漁獲証明制度(CDS; Catch Document Scheme)が導入されていないという、大きな課題が残っています。漁獲証明制度とは、漁獲された水産物が違法でないことを示すための制度で、漁獲物に対し、いつ、どこで、だれが、どのように漁獲したかを記録することを義務づける制度です。大西洋クロマグロやミナミマグロでは、すでに漁獲証明制度が導入されていますが、クロマグロについては、導入することに合意はされたものの未導入の状態です[5]。いっぽう、タイセイヨウクロマグロにおいては、漁獲証明制度が導入されていたにもかかわらず、2018年には違法な過剰漁獲が発覚しました(詳しくはこちら)。したがって、クロマグロに対しては、早急に漁獲証明制度を導入することだけでなく、電子化の徹底などによって、不正行為をしっかりと防ぐことができるようなシステムの導入が求められています。
また、上記以外の課題として、漁獲対象以外の魚やウミガメ、海鳥などの野生生物を漁獲する「混獲」の問題や、違法・無報告・無規制(IUU)漁業の問題など、まだまだ解決すべき問題は多くあります。詳しくはこちらをご覧ください。

参考文献

1. 水産庁&国立研究開発法人水産研究・教育機構, 2020, 令和2年度国際漁業資源の現況
2. ISC, 2020, ISC Plenary Report
3. WCPFC, 2014, Conservation and Management Measure to establish a multi-annual rebuilding plan for Pacific bluefin tuna, WCPFC CMM 2014-04
4. WCPFC, 2017, Conservation and Management Measure for Pacific Bluefin Tuna, WCPFC CMM 2017-08
5. WCPFC, 2019, Conservation and Management Measure for Pacific Bluefin Tuna, WCPFC CMM 2019-02

ミナミマグロ

クロマグロよりも少し小型ですが、クロマグロと同様にトロが多く、市場ではクロマグロの次に高値で取引されています。南半球に生息していることからミナミマグロ、またインドマグロと呼ばれています。世界の中では、日本がダントツの消費国。

基本情報

和名:ミナミマグロ
別名:インドマグロ、ゴウシュウマグロ
英名:southern bluefin tuna
学名:Thunnus maccoyii
大きさ:体長約200センチ、体重180キロ

特徴・用途

クロマグロの次に体が大きくて肉質が良く、トロも多いことから、市場では高級品として出回っています。インド洋産のものが最初に出回ったことからインドマグロと呼ばれたり、オーストラリアからの輸入が多いため、ゴウシュウマグロと呼ばれることもあります。クロマグロと同様に、比較的冷たい海に生息するため、身体に脂(トロ)が多く乗ります。なお、北半球に生息するクロマグロとは、分布海域は重なっていません。

生態

寿命

20年以上

分布

南半球の海にすみ、主に南緯50~30度付近の、冷たい海に分布しています。アルゼンチン東部の沖合から南アフリカ沖、インド洋南部、オーストラリア、ニュージーランド、チリ近海に生息します。

ライフサイクル

オーストラリア北西の海域で産卵すると見られています。3~4年は南オーストラリア沿岸で過ごし、成長につれて徐々に沖合へ分布を広げます。

消費量

かつては世界の漁獲量のほとんどを、日本の遠洋漁業が占めていましたが、1990年代から、オーストラリアでミナミマグロの蓄養が盛んになると、輸入量が急増しました。現在も世界全体のミナミマグロの大半は、日本が消費しています。2000年以降、ミナミマグロの親魚資源量は極めて低いレベルまで減少してしまいました。それを受け、みなみまぐろ保存委員会(CCSBT)は、第18回年次会合(2011年10月)において、科学委員会が開発した管理方式(MP)の採用に合意し、運用を開始しました。
管理方式を運用した結果、近年、未成魚が増加したため、今後、親魚資源量も増加する可能性が高いと予測されています。

  • データ:FAO FISHSTAT
  • 輸入量、輸出量のエラ、内臓重量は考慮していない。
  • 消費量は漁獲から消費までの時間差を考慮しておらず、また在庫量を考慮していない、近似値である。
  • 漁獲量は大幅な過小報告が明らかになっているのが、補正前の値である。

資源状況

 水産庁は、数種のマグロについて、資源状態を3段階(高、中、低)にわけて評価しています。

全海域
低位

キハダ

キハダは、日本では刺身や寿司の原料として非常に人気の高いマグロで、日本で消費されるマグロの約3割を占めている。また、キハダは海外では缶詰材料としても人気が高く、ヘルシーで安価なタンパク源として世界の需要が増加している。現在の資源量はまだ中位ではあるが、需要増加に伴う漁獲量の増加が懸念されている。そのような背景の中、キハダの持続的な資源利用のため、世界有数の消費国(世界のキハダの約1割を消費)である日本のマーケットの役割が期待されている。

基本情報

標準和名 キハダ
海外名 Yellowfin tuna(英)、Albacore(仏)、Rabil(西)
学名 Thunnus albacares
別名 キハダマグロ、キワダ、ヒレナガ、キメジ(幼魚)、イトシビ、キンビレ、シビ、バシ、ハツ、ホンバツ、マシビ、チューナガシビ
生体情報 体長:200cm(最大239cm)
体重:200kg(最大200kg
寿命:10 年前後
食性 魚類、甲殻類、軟体動物などを捕食する動物食性
資源水準/動向、
世界の漁獲量
(2007 ~2011 年)
  資源水準/動向 世界の漁獲量
中西部太平洋 中位/横ばい 47.9 ~ 57.5 万トン
インド洋 中位/微増 27 ~ 32 万トン
東部太平洋 中位/横ばい 18.1 ~ 26.0 万トン
大西洋 中位/横ばい 10 ~ 12 万トン
IUCN レッドリスト NT(準絶滅危惧)
漁獲方法 主な漁法は、はえ縄とまき網。その他にも竿釣り、流し網、手釣りなど。
MSC 製品 <認証済み>
メキシコにおける竿釣り漁
<審査中>
・インド洋におけるまき網漁(カツオ・メバチ・キハダ)
・モルジブにおける竿釣り・手釣り漁(メバチ・キハダ)
・米国南東部・北部大西洋におけるはえ縄漁(メバチ・キハダ)
利用方法 他のマグロにくらべ脂肪分が少なくあっさりした肉は、淡赤色をしてい
て、もちも良い。日本での旬は春から夏で、さっぱりした肉は、寿司や
刺身をはじめ、山かけ、照り焼き、酢味噌和え、角煮などでも利用される。
海外では、主にまき網漁で漁獲されたキハダが、ツナ缶材料として用い
られる。

生態

キハダの分布域

世界の熱帯・温帯域に広く分布し、水深の浅い層を遊泳している。南緯および北緯25度前後の、赤道を中心とした海域で水揚げされることが多く、地中海には分布していない。日本近海にも生息しているが、あまり広く移動していないと見られている。

キハダの分布域

漁獲量

漁法別漁獲量(2011年)

2011年の漁獲量は1,154,958トンであり、それらの6割をまき網漁が占める。その他にもはえ縄、手釣り、竿釣り、刺し網などでも漁獲される。

漁法別漁獲量(2011年)

漁獲量の推移(2011年)

世界のキハダ生産量は、まき網漁の増加に伴い、1980年代半ばより急激に増加した。一方、日本の漁獲量は減少したものの、輸入量は増加しており、現在でも世界のキハダの約11%を日本が消費している。

漁獲量の推移(2011年)

国別漁獲量(2011年)

2011年、キハダは上位3か国(EU、インドネシア、メキシコ)で世界の漁獲量の3割以上を占める。日本は6位。

国別漁獲量(2011年)

日本の主要輸入先と海域別漁獲割合(2011・2012年)

世界のキハダ資源における日本の消費は約10%である。
日本は、台湾、バヌアツ、韓国、インドネシア、フィリピン、米国から、刺身材料となるキハダを多く輸入している。
冷凍・冷蔵キハダにおける、日本の主要輸入先上位5ヵ国は、その漁獲の多くを中西部太平洋に依存している。

日本の主要輸入先と海域別漁獲割合

混獲対策

はえ縄漁に対しては、全RFMO(地域漁業管理機関)において、混獲対策を行うことが義務付けられている。

混獲対策

WWFの要望

WWFでは、持続可能なキハダ漁業のため、以下のような提案を行っています。

RFMOや各国政府に対して

  • 予防的アプローチによる漁業資源管理の導入および漁獲モニタリングの強化

マーケットに対して

  • トレーサビリティを確保し、IUU(違法・未報告・無規制)漁業由来のマグロを取り扱わないこと
  • 持続可能な方法で漁獲されたマグロ(MSC認証済み製品など)の取り扱い
  • 持続可能な漁業への変換(MSC認証取得など)をサポート

参考文献

水産総合研究センター 国際水産資源研究所, 平成25年度国際漁業資源の現況 / 多紀保彦, 中村康夫. 食材魚介大百科4
中村泉. マグロ学 一生泳ぎ続ける理由とそれを可能にする体の仕組み / 中野秀樹, 岡雅一. マグロの不思議がわかる本 / 水産総合研究センター国際水産資源研究所, まぐろRFMOにおける混獲管理措置について, 2011年3月 / IOTC. Resolution / IATTC. Resolution / ICCAT. Resolution / WCPFC. Resolution

メバチ

目が大きいメバチは、刺身や寿司ネタとして、日本では人気のある種です。赤身が多く、手ごろな値段で手に入るため、スーパーマーケットなどでもよく売られています。

メバチは、日本では刺身や寿司の原料として非常に人気が高く、日本で最も多く消費されているマグロである。そして、冷凍船の増加や、世界での刺身・寿司食の増加、まき網漁による小型魚の混獲などにより、その漁獲量は1980年代半ばより急激に増加し、当時の約1.7倍までとなっている。それにともない、メバチの資源量は中位または低位まで減少している。そのような背景の中、日本は世界のメバチの3割以上を消費する最大の消費国であるため、メバチの持続的な資源利用のために、そのマーケットの役割が期待されている。

基本情報

標準和名 メバチ
海外名 Bigeye tuna(英)、Thon obese(仏)、Patudo(西)
学名 Thunnus obesus
別名 バチ、ダルマ、デルマシビ、メブト、シビ、ソマガツオ、ヒラシビ、メッパ
生体情報 体長:200cm(最大250cm)
体重:150kg(最大210kg)
寿命:10 ~ 15 年前後
食性 魚類、甲殻類、軟体動物などを捕食する動物食性
資源水準/動向、
世界の漁獲量
(2007 ~2011 年)
  資源水準/動向 世界の漁獲量
中西部太平洋 中位/減少 13.7 ~ 15.8 万トン
インド洋 中位/微増 8.1 ~ 12.3 万トン
東部太平洋 低位/横ばい 8.2 ~ 10.8 万トン
大西洋 低位/横ばい 6.9 ~ 8.2 万トン
IUCN レッドリスト VU(絶滅危惧Ⅱ類)
漁獲方法 主な漁法は、はえ縄とまき網。その他にも竿釣り、流し網、手釣りなど。
MSC 製品 <認証済み>
無し
<審査中>
・インド洋におけるまき網漁(カツオ・メバチ・キハダ)
・モルジブにおける竿釣り・手釣り漁(メバチ・キハダ)
・米国南東部・北部大西洋におけるはえ縄漁(メバチ・キハダ)
利用方法 ・はえ縄漁によって漁獲されたメバチは、主に日本で刺身や寿司として利
用される。とくに早春から晩夏にかけて日本近海で漁獲されたメバチの
赤身は、クロマグロの赤身と比べてほとんど遜色がない。
・まき網漁によって漁獲されたメバチは、主にツナ缶の材料として利用さ
れる。

生態

メバチの分布域

世界の温帯~熱帯海域に広く分布するが、地中海には生息しない。太平洋、インド洋の赤道海域に広く分布。大西洋でも赤道周辺を中心としたアフリカ大陸の西部沿岸海域で多く見られる。

メバチの分布域

漁獲量

漁法別漁獲量(2011年)

2011年の漁獲量は412,589トンであり、それらの9割以上をはえ縄漁とまき網漁が占める。その他にも竿釣り、流し網、手釣りなどでも漁獲される。

漁法別漁獲量(2011年)

漁獲量の推移(2011年)

世界のメバチ漁獲量は、1980年代半ばより急激に増加し、現在は当時の約1.7倍となった。一方、日本の漁獲量は、1990年以降減少しているものの、輸入量は増加しており、現在でも世界のメバチの約35%を日本が消費している。

漁獲量の推移(2011年)

国別漁獲量(2011年)

2011年、メバチは41万トン漁獲されており、上位4か国(台湾、EU、日本、インドネシア)で世界の漁獲量の半数を占める。

国別漁獲量(2011年)

日本の主要輸入先と海域別漁獲割合(2011・2012年)

世界のメバチ資源における日本の消費は35%である。  
日本は、台湾、中国、インドネシア、セーシェル、韓国から、主に刺身材料となるメバチを多く輸入している。
日本の主要輸入先の海域別漁獲割合は、台湾、中国、韓国は中西部太平洋での漁獲量が最も多かった。一方、インドネシアとセーシェルは、漁獲の半分以上をインド洋に依存しており、特にインド洋に位置するセーシェルは、その漁獲のすべてをインド洋から得ていた。

日本の主要輸入先と海域別漁獲割合(2011・2012年)

混獲対策

はえ縄漁に対しては、全RFMO(地域漁業管理機関)において、混獲対策を行うことが義務付けられている。

混獲対策

WWFの要望

WWFでは、持続可能なメバチ漁業のため、以下のような提案を行っています。

RFMOや各国政府に対して

  • 予防的アプローチによる漁業資源管理の導入および漁獲モニタリングの強化

マーケットに対して

  • トレーサビリティを確保し、IUU(違法・未報告・無規制)漁業由来のマグロを取り扱わないこと
  • 持続可能な方法で漁獲されたマグロ(MSC認証済み製品など)の取り扱い
  • 持続可能な漁業への変換(MSC認証取得など)をサポート

参考文献

水産総合研究センター 国際水産資源研究所, 平成25年度国際漁業資源の現況 / 多紀保彦, 中村康夫. 食材魚介大百科4
中村泉. マグロ学 一生泳ぎ続ける理由とそれを可能にする体の仕組み / 中野秀樹, 岡雅一. マグロの不思議がわかる本 / 水産総合研究センター国際水産資源研究所, まぐろRFMOにおける混獲管理措置について, 2011年3月 / IOTC. Resolution / IATTC. Resolution / ICCAT. Resolution / WCPFC. Resolution

ビンナガ

ビンナガはビンチョウマグロともいわれ、胸びれが長い小型のマグロです。国内外で主に缶詰の材料として消費されていますが、安価な刺身としても売られています。

基本情報

和名:ビンナガ
別名:ビンチョウ、トンボ、ヒレナガ など
英名:Albacore,germon
学名:Thunnus alalunga
大きさ:120センチ、体重40キロ

特徴・用途

胸びれが細く、極端に長いのが特徴。この胸びれを羽に見立て、トンボという名でも呼ばれることがあります。マグロ類の中では小型。主に缶詰の材料として世界的に利用されているが、最近は日本のスーパーや回転寿司などでトロの部分が「ビントロ」として売られるようになりました。味は淡白。

生態

寿命

インド洋や大西洋では10年以上、太平洋では12~16年以上

分布

全世界の温暖な水域に広く分布します。太平洋では赤道海域から極地付近まで、大西洋では西インド諸島から喜望峰、アメリカのマサチューセッツから、スコットランドを結ぶ区域に生息。地中海西部にも分布しています。

ライフサイクル

水温24度以上、水深50~60メートルより浅い海域で産卵するとみられています。北太平洋では9~10月頃に北米から西方へ移動し、6~8月になると再び北米沿岸へ戻りますが、一部は北西太平洋へと回遊します。南太平洋のものは10~3月に南下し、4~3月には北上。北大西洋では4~9月に西へ、南大西洋のものは東へそれぞれ移動し、10~3月にはその逆に回遊することが知られています。

消費量

日本が海外に向け輸出している、数少ないマグロの一種。逆に日本ではほとんど輸入していません。日本では、沿岸での漁獲を中心に、毎年5万トン前後が水揚げされており、缶詰や火を通す調理品として主に消費されています。また、日本からの輸出も缶詰の形で行なわれています。

  • データ:FAO FISHSTAT
  • 輸入量、輸出量のエラ、内臓重量は考慮していない。
  • 消費量は漁獲から消費までの時間差を考慮しておらず、また在庫量を考慮していない、近似値である。

資源状況

水産庁は、数種のマグロについて、資源状態を3段階(高、中、低)にわけて評価しています。

北太平洋
中位
南太平洋
高位
インド洋
中位  
南大西洋
中位
北大西洋
低位

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