MSC / ASC 関連活動情報まとめ(2006年~2010年)


  • 日本のカツオ漁業がMSCを取得!(2009年11月4日)
  • 持続可能な養殖水産物を認証するASCの設立支援(2009年2月17日)
  • 京都でMSC漁業管理認証授与式(2008年10月15日)
  • 日本のカツオ漁でMSC認証審査がスタート(2008年10月15日)
  • 日本初!「海のエコラベル」MSC認証漁業が誕生(2008年9月19日)
  • スーパー最大手が、MSC認証商品を販売開始!(2006年11月20日)
  • 広がるMSC認証 新たな企業が参画!(2006年9月21日)
  • 「MSC」ラベルつき水産物 第二弾!ギンダラの認証製品が登場!(2006年8月16日)
  • 日本初! MSCラベル付き商品が販売開始!(2006年6月8日)
  • 動き始めた海のエコラベル、日本初MSCラベル付き商品販売開始(2006年6月8日)
  • 第2回スマートギアコンテスト"混獲を減らす漁具"の優勝者発表(2006年5月18日)
  • 京都で環境に配慮した漁業認証アジア第1号、本審査開始(2006年2月23日)

日本のカツオ漁業がMSCを取得!(2009年11月4日)

2009年11月2日、カツオ漁業としては世界で初めて、土佐鰹水産グループ(本社:高地県)のカツオ一本釣り漁業が、「海のエコラベル」MSC(海洋管理協議会)の漁業認証を取得しました。日本人に馴染みの深いカツオでのMSC認証の取得により、国内でのMSC認証の認知度の、さらなる広がりが期待されます。

世界で初めてのカツオ漁業認証

海洋環境の保全を図りながら、持続可能な漁業資源の利用を実践していると認められた漁業に与えられる「海のエコラベル」のMSC認証。

今回実現した、カツオ漁業による認証の取得は、国内では、京都府機船底曳網漁業連合会のアカガレイ、ズワイガニ漁に続く、2例目となります。

12カ月におよぶ厳格な審査を経て、MSC認証を取得したのは、土佐鰹水産グループのカツオ漁業。この認証取得により、「環境に配慮したカツオ」が、日本で流通することになりました。

持続可能な漁法、一本釣り

カツオ一本釣り漁業は、さお釣り漁業の中でも、最も規模の大きな漁です。日本の漁師が古来より発達させてきた、この一本釣り技術によって漁獲されたカツオは、高品質のカツオとして市場で流通しています。

カツオ漁は、11月から翌年5月までは、主に中部太平洋で操業し、9月~10月は北へ移動して日本の東の沖合いを漁場に操業しています。今回認証取得した土佐鰹水産株式会社のグループ船は、国内遠洋カツオ一本釣り漁業総漁獲量の約10%、平均4,000トンを生産しています。

今回の土佐鰹水産グループの取り組みにより、大衆魚であるカツオのMSC認証取得が実現したことで、「環境に配慮したシーフード」の選択幅が、消費者により身近な国産魚に広がることを、WWFジャパンは期待しています。

記者発表資料 2009年11月4日

世界初のMSCカツオ漁業認証を土佐鰹水産グループが取得!

【東京発】2009年11月2日、カツオ漁業としては世界で初めて、土佐鰹水産グループ(本社:高地県)のカツオ一本釣り漁業が海洋管理協議会(Marine Stewardship Council;以下、MSC)の漁業認証を取得した。持続可能な漁業に与えられる「海のエコラベル」認証として世界で広く知られているMSC認証は、厳 しい基準に照らし合わせて海洋環境の保全を図りながら、持続可能な漁業資源の利用を実践していると認められた漁業に与えられる。WWFジャパンは、日本人 に馴染みの深いカツオでの認証取得が、国内でのMSC認証の認知度をさらに広げる契機になると期待しており、今回の土佐鰹水産グループの認証取得を歓迎す る。

持 続可能な漁業に与えられる「海のエコラベル」認証として世界で広く知られているMSC認証は、厳しい基準に照らし合わせて海洋環境の保全を図りながら、持 続可能な漁業資源の利用を実践していると認められた漁業に与えられる。日本の漁業がMSC認証を取得するのは、京都府機船底曳網漁業連合会のアカガレイ、 ズワイガニに続いて2例目。12ヶ月におよぶ厳格な審査の結果、土佐鰹水産グループのカツオ漁業がMSC認証を取得した。今回のカツオ漁業によるMSC認 証の取得は世界で初めてとなり、土佐鰹水産グループが認証を取得したことによって、「環境に配慮したカツオ」が国内外で流通することになる。

カ ツオ一本釣り漁業は、さお釣り漁業の中でも最も規模が大きく、重要な漁業だ。漁師の一本釣り技術によって漁獲されたカツオは、高品質のカツオとして市場で 流通している。11月から翌5月にかけては主に中部太平洋で操業し、9月~10月は北へ移動し日本の東沖漁場で操業する。認証取得を目指していて、土佐鰹 水産株式会社のグループ船は、国内遠洋カツオ一本釣り漁業総漁獲量の約10%、平均4千トンを生産している。

土佐鰹水産株式会社の明神宏幸 社長は、「日本の漁師が古来より発達させてきた『カツオ一本釣り漁法』が、真に持続可能な漁法であることが証明されたことを誇りに思います。また、ここに 至るまでご尽力いただいた関係者の皆様に感謝いたします。この度のMSC認証取得によって、伝統的なカツオ一本釣り漁業が守られ、将来にわたり残っていく ことを切に望むとともに、持続可能な漁業の重要性について消費者の認識が高まることを期待します。『カツオ一本釣漁業』が再度光り輝く漁業となるよう、今 後も努力していく所存です。」と述べる。

MSCの最高責任者、ルパート・ハウズは、「信頼性の高い国際的に認められた持続可能な認証カツ オ・マグロの供給に対するヨーロッパ、北米や日本のバイヤーの需要がまだまだ満たされていない状況から見て、この認証取得は、国内はもちろんのこと、国際 的にも大きな注目を集めることでしょう。今回の認証が、世界の他のカツオ・マグロ類漁業が審査へ進む後押しとなることを願っています。」と土佐鰹グループ の認証取得を喜ぶ。

MSCの取り組みは、一般の消費者の環境保全に対する意識を行動に移すことができる現実的な仕組みとして、国境を越えて 拡大しつつある。欧米を中心にMSCラベル付き商品は3000品目を超えており、スーパーマーケットなどで販売されている。日本国内でも、述べ167製品 (2009年9月時点)が流通し、消費者が一目で、それが環境に配慮した製品だということがわかる仕組みとなっている。また、CoC認証(Chain of Custody認証:漁獲後の加工・流通過程の認証)により、生産した漁船まで遡ることが可能なトレーサビリティーも確保されている。

今回の土佐鰹水産グループの取り組みによって、大衆魚であるカツオのMSC認証取得が実現したことで、「環境に配慮したシーフード」の選択幅が、消費者により身近な国産魚に広がることを、WWFジャパンは期待している。

土佐鰹水産株式会社について

土 佐鰹水産株式会社の設立は1996年9月。一本釣りで漁獲されたカツオ(B1冷凍カツオ)のみを原料に藁焼きかつおたたきを製造している(藁焼きタタキ製 造法に関する特許取得)。2008年2月には静岡の新工場で原漁入庫から製品出荷までの一貫生産を開始した。土佐鰹水産株式会社の詳細については http://www.tosakatu.jp/ を参照。

*MSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)とは、WWFと大手食品関連会社が1997年に立ち上げた組織で、1999年に非営利団体として独立した国際的な第三者 機関。魚や貝、エビ、カニなどの漁業で「海の環境を保全しながら、天然の海産物の持続可能な利用を実現する」という条件を満たしたものからつくられた水産 物製品につけられるのがMSCラベル。このラベルがつけられた製品は「海の自然を守って作られた製品」であるという証になる。現在、認証取得漁業は58、 審査中の漁業が40~50ある。これらの漁業の年間漁獲総量は700万トン近くあり、これは、世界の食用向け漁獲量の12パーセントを超える量に相当す る。認証を取得した漁業による漁獲量はおよそ400万トンにのぼり、世界の食用向け漁獲量の7パーセントに該当する。認証後も定期的に監査を受け、厳しい 審査基準が遵守されているか、第三者が確認する。


持続可能な養殖水産物を認証するASCの設立支援(2009年2月17日)

WWFは、持続可能な形で養殖された水産物を認証する、新しい国際的な認証機関ASCの設立を支援することを発表しました。天然の水産物を対象とした漁業と、養殖の水産物、そのそれぞれを対象としたエコラベル制度を広げることで、持続可能な海の利用を進める取り組みです。

養殖水産物の認証を進めよう

WWFは2009年1月27日、持続可能な形で養殖された水産物を認証する、国際的な認証機関ASC(Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会)の設立を支援することを発表しました。

ASCについて

この機関は、持続可能な漁業を認証する第三者機関MSC(海洋管理協議会)の養殖版です。天然の水産物を認証するMSCに対し、ASCが認証するのは、養殖された水産物。
WWFでは、この二つの国際的な取り組みを支援することで、水産資源の持続可能な利用を推進し、海洋環境の保全を進めてゆきたいと考えています。

ASCは今後2年以内に設立されることになっており、第一段階としてサケ、エビ、マス、アワビ、ムール貝、ハマグリ、カキ、ホタテ貝など、11種の養殖業を対象とした、認証審査のための基準作りを、現在進めています。

WWFジャパンでは、多くの養殖水産物が取り扱われている日本国内でも、この認証制度に対する関心を高めるため、水産業者や流通業者などの関係者に向け、情報発信を行なう予定です。

MSCについて

MSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)とは、WWFと大手食品関連会社が1997年に立ち上げた組織で、1999年に非営利団体として独立。国際的な第三者機関として、海の環境を保全しながら、天然の海産物の持続可能な利用を実現する漁業の認証を行なってきました。
また、その基準を満たした漁業により生産された水産物には、海のエコラベル「MSCラベル」が付けられ、消費者に環境に配慮した製品であることがわかる仕組みになっています。また、MSCでは認証の取得後も、定期的な検査を継続。認証を受けた各漁業が、厳しい審査基準を遵守しているかどうか確認しています。

記者発表資料 2009年2月17日

WWFがASC(水産養殖管理協議会)の設立に資金援助へ

【ワシントンDC発】
WWF(世界自然保護基金)は、WWFが設立を支援したMSC(海洋管理協議会)の水産養殖版であるAquaculture Stewardship Council(水産養殖管理協議会)の設立に対し、全面的に資金援助することを決めた。MSCが天然の水産物を対象に、漁業資源利用と漁業経営がともに持続するような管理手法を保持することを促進しているのに対し、ASCは養殖の水産物に対象を絞る。日本では水産物市場に養殖水産物が占める比率が近年高まっていることから、国内の養殖業者・流通関係者の関心が高まるものと期待される。

WWFでは、1990年代よりAquaculture Dialogue meetings (水産養殖管理検討会)とよばれる、2,000人以上の養殖業者、保護活動団体、政府関係者などが養殖業に関して対話を行う任意の会合の調整役をはたしてきた。この会合の目的は、包括的で透明性の高いプロセスを通して、客観的かつ実際の養殖業で実践可能な水産養殖基準を作成することにある。今回、水産養殖管理検討会で作成される責任ある水産養殖の世界的な基準を、管理・運営するために新しい事業体が設立されることとなった。それがASCだ。

ASCは水産養殖業の審査に用いる環境基準を設け、基準遵守を認証する第三者の独立認証機関を雇用する。WWFは、ASCの事業展開と、今後2年以内に事業を開始するための事業戦略に資金支援を行う予定。

現在作成されている責任ある水産養殖のための世界的基準は、WWFが共同設立する新しい事業体によって管理される。

WWFインターナショナル事務局長のジム・リープは「これは、将来の水産養殖産業を環境の面から見ても持続可能なものにし、水産物の世界的な需要拡大に対応できるようにするための、透明性の高い画期的な取り組みである。この新しい基準は、水産業界の質の底上げに貢献し、消費者が環境に良い食品を購入できる選択肢を広げることになる。」と述べている。

また、主力となってこの取り組みに望んでいるWWF米国事務局長のカーター・ロバーツは「この投資は、より効率的かつ持続可能なかたちで世界に食糧を供給する革新的な経路を提供しつつ、世界の海洋とその沿岸生息地を保護するというWWFの目標に完全に合致している。水産物養殖を認証するための信頼できる事業体を設置することで、環境に責任を負いながらも水産物養殖業界は成長を続けることができるはず。」とその重要性を力説する。

今後1年間で、水産養殖に伴う主な環境・社会的影響を最小限に抑えるような基準案が、11種の養殖業について完成する予定だ。対象種はサケ、エビ、マス、ナマズ類(バサなど)、アワビ、ムール貝、ハマグリ、カキ、ホタテ貝、スギ、ブリ類で、世界的に環境に与える影響が大きく、市場価値が高い、あるいは取引量が多いものを選定した。また、Aquaculture Dialogue meetingはティラピアの基準案を2008年9月に作成、2009年1月時点ではこれに関するパブリックコメントが募集されており、今春には12種目として基準案が完成する予定である。

ASCの事業戦略の主要部分は、社会問題と環境問題に対処するためのガイドラインとして世界で最も権威あるISEAL(国際社会環境認定表示連合)の認証プログラムに関するガイドラインに準拠する。既存の水産養殖認証スキームには、ISEALに準拠したものはない。WWFが過去に共同設立した、環境ラベルの組織であるMSC(海洋管理協議会)とFSC(森林管理協議会)はこのISEALに準拠している。


京都でMSC漁業管理認証授与式(2008年10月15日)

2008年10月9日、海のエコラベルとして知られるMSC(海洋管理協議会)の日本初の漁業認証を取得した京都府機船底曳網漁業連合会(京底連、京都府舞鶴市)の認証式が、京都市内のホテルで行なわれました。式典には、今回認証を取得した京底連の関係者をはじめ、京都府知事や関係議員、認証機関やMSC、WWFの関係者らが出席しました。

記念すべき国内認証第一号

10月9日の認証式では、審査機関からの講評に続き、京都府知事、全国漁業協同組合連合会会長、京都府漁業協同組合連合会会長、WWFジャパン会長らが、アジア初の認証がこれからの日本の漁業に与える影響やその審査過程の長い労力などを労った祝辞を述べました。

認定登録証の授与にあたっては、京底連の船主らが一同にあがった壇上で、MSCの最高責任者ルパート・ホウズが祝辞を述べました。これに対し、京底連を代表して川口哲也会長が感謝の意と、長かった審査の過程、これからの連合会の抱負を述べました。

2008年9月19日に今回の認証取得が実現するまでには、認証の本審査を開始してから、2年8ヶ月が経過しています。言葉の壁を乗り越え、日本の漁業の仕組みを海外の認証機関伝えるため、今回の認証取得は長い期間を要しましたが、そのおかげで、次の日本の漁業認証誕生への足がかりが固まったといえるでしょう。

MSCも審査期間の短縮を宣言。すでに予備審査に入っている数カ所の国内漁業で、新たなMSC漁業認証の円滑な取得が、今後後押しされることが期待されます。

さらなるMSCの拡大をめざして

WWFでは今回の認証の取得に際し、WWFジャパンとWWFアメリカがそれぞれ審査費用の一部を助成。取得に際してのアドバイスをするなど、資金面、技術面での支援を続けてきました。

川口会長は、WWFのインタビューに対し、支援の感謝をのべた上で、「せっかく認証がとれても、管理を怠れば、1、2年であっという間にまたよくない状況に戻ってしまう。連合会関係者が一丸となること、また継続してこの取り組みを維持していきたい」と今後の資源管理に対する強い決意を述べました。

京都府沖合のズワイガニ漁場は、京底連だけではなく隣接県の漁船も一部操業が可能です。京底連での取り組みがこれらの漁船にも理解され、認証されたズワイガニの漁業管理がさらに活発になり、国内の他の漁業資源についても管理に対する意識が向上することをWWFジャパンは期待しています。

関連資料

京底連のズワイガニを守る努力 (京底連発表資料より引用)

資源を守るための保護区設置→丹後半島沖にはコンクリートブロックを敷き詰めた保護区が6カ所設けられている。広さは甲子園球場の1700個分に相当。カレイやハタハタなどズワイガニ以外の魚を獲るときはカニが生息する場所を自主的に操業禁止として、混獲を防いでいる。京都の底曳網漁業は、袋状の網を曳いて水深120~400mの海底にすむカレイやズワイガニなどを獲る漁業。小さな魚や商品にならないヒトデが網から抜け出せるように網の構造や目合を工夫した網を使用している。


日本のカツオ漁でMSC認証審査がスタート(2008年10月15日)

カツオの名産地で知られる高知県で、カツオ漁のMSC認証取得が進められています。国際的な水産物のエコラベルで知られるMSCの認証取得を目指しているのは、土佐鰹水産株式会社のカツオ一本釣り漁業グループ。2008年10月15日に、MSCの認証機関による本審査が開始されました。

環境に配慮したカツオ漁

高知県の水産会社・土佐鰹水産株式会社が行なっているカツオ漁が、国際的な水産物のエコラベルで知られるMSCの認証取得をめざした取り組みを開始しました。認証の取得を目指しているのは、同社のカツオ一本釣り漁業グループで、2008年10月15日に、MSC認証取得のための審査が開始されました。

今回本審査の対象となるのは、遠洋カツオ一本釣り漁業で、さお釣り漁業の中でも最も規模が大きなもの。主な魚場は、中部太平洋と日本の東側の近海で、土佐鰹水産株式会社による漁獲量は、国内遠洋カツオ一本釣り漁業の総漁獲量の約7%に達します。

この、さおを操る高度な技術によって漁獲されたカツオは、高品質のカツオとして市場に流通しており、認証取得が実現すれば「海の環境に配慮したカツオ」が、日本や海外で流通することになります。

また、同社では、漁獲し、冷凍したカツオを原料とした、藁焼きタタキを製造。2008年2月からは静岡の工場でカツオの入庫から製品の出荷までの一貫生産に取り組んでいます。同社はカツオ一本釣漁業のMSC認証の取得が実現した後は、MSCのCoC認証(流通・加工過程の認証)も取得し、MSC認証カツオのさらなる普及を目指してゆきたいとしています。

国内第2号の認証取得をめざして

土佐鰹水産株式会社の明神宏幸社長は、今回のMSC認証のための本審査を受けるに際して、次のように述べました。

「弊社は、高知県が土佐藩と言われた頃より櫓を漕ぐ和船で土佐沖に来遊する鰹を一本釣りしていました。3年前にMSCの活動を知り、MSC漁業認証は、まさに我々の先祖代々からの漁法を認める取り組みだと思いました。これこそ危機に瀕している日本のカツオ一本釣り漁業を守り育てる最後の拠り所と認識し、本審査に進むことを決めました。この漁法の漁師の子に生まれたことを誇りに思います」。

日本人にとって馴染み深いカツオでの認証取得は、国内でのMSCの認証と、「環境に配慮したシーフード」の流通を、強く後押しするものとなります。また、どこで、どのように獲られ、流通しているのか、その全てを追跡することが可能なMSCの認証は、食の安全をも保証する一つの手立てといえるでしょう。

カツオ漁では世界でも初めての例となる今回のMSC認証の取得が実現すれば、2008年9月19日に京都府の京都府機船底曳網漁業連合会によるMSC認証の取得に続く、国内第2号の認証漁業が誕生することになります。
WWFは今回の漁業認証の取得に向けた土佐鰹水産株式会社の取り組みに、大きな期待を寄せると共に、MSCの国内での拡大に向けた取り組みを続けてゆきます。

記者発表資料 2008年10月15日

世界初のMSCカツオ漁業認証、日本ではじまる!

【日本、東京発】 2008年10月15日、カツオ漁業としては世界で初めて土佐鰹水産株式会社のカツオ一本釣り漁業グループが、WWFジャパンがその活動を支援するMSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)の漁業認証本審査に入った。WWFジャパンは、土佐鰹水産株式会社によるMSC認証取得に向けたこの取り組みを歓迎する。

持続可能な漁業に与えられる「海のエコラベル」認証として世界で広く知られているMSC認証は、厳しい基準に照らし合わせて海洋環境の保全を図りながら、持 続可能な漁業資源の利用を実践していると認められた漁業に与えらる。今回カツオ漁業によるMSC認証の取得は世界で初めての試みとなり、認証の取得が実現 すれば「環境に配慮したカツオ」が国内外で流通することになる。WWFジャパンでは日本人にとって馴染み深いカツオでの認証取得が、国内でのMSC認証認 知度をさらに広げる契機になると期待している。

日本漁業での本審査開始は2例目。今回本審査の対象となるのは、遠洋カツオ一本釣り漁業で漁 獲されるカツオ。カツオ一本釣り漁業は、さお釣り漁業の中でも最も規模が大きく、重要な漁業だ。漁師の一本釣り技術によって漁獲されたカツオは、高品質の カツオとして市場で流通している。11月から翌5月にかけては主に中部太平洋で操業し、9月~10月は北へ移動し日本の東沖漁場で操業する。認証取得を目 指す土佐鰹水産株式会社のグループ船は、国内遠洋カツオ一本釣り漁業総漁獲量の約7%、平均4千トンを生産している。

土佐鰹水産株式会社の 明神宏幸社長は「弊社は、高知県が土佐藩と言われた頃より櫓を漕ぐ和船で土佐沖に来遊する鰹を一本釣りしていました。3年前にMSCの活動を知り、MSC 漁業認証は、まさに我々の先祖代々からの漁法を認める取り組みだと思いました。これこそ危機に瀕している日本のカツオ一本釣り漁業を守り育てる最後の拠り 所と認識し、本審査に進むことを決めました。このカツオ一本釣漁業がMSC認証を取得した後は、CoC認証も取得し、カツオ一本釣り漁船が漁獲したカツオ をさらに普及していきたいと思っています。この漁法の漁師の子に生まれたことを誇りに思います。」と述べる。

また、MSCの 最高責任者ルパート・ハウズは、昨年の米国西海岸のビンナガマグロ漁での認証取得に続く土佐鰹水産株式会社のカツオ漁業の本審査開始は、マグロのような回 遊魚種の持続可能性の審査についてのMSCのプロセスの適用性と妥当性を実証するものである点、また審査結果が良好であれば、土佐鰹水産株式会社には、日 本および世界において非常に大きな新たなマーケットの機会が広がる点についてふれ、進展を喜んでいる。

日本においては、先月、京都府機船底 曳網漁業連合会がズワイ ガニとアカガレイ漁で認証を取得したばかり。MSCの取り組みは、一般の消費者の環境に対する意識を行動に移すことができる現実的な仕組みとして、国境を 越えて拡大しつつある。欧米を中心に世界39 カ国でMSCラベル付き商品がのべ1,690品目も既に流通しており、スーパーマーケットなどで普通に販売されている。消費者が一目で、それが環境に配慮 した製品だということがわかる仕組みであり、また、CoC認証(Chain of Custody認証:漁獲後の加工・流通過程の認証)により、トレーサビリティーも可能。

今回の土佐鰹水産株式会社の取り組みによって、大衆魚であるカツオのMSC認証取得が実現すれば、消費者にとってより身近な国産魚で「環境に配慮したシーフード」の選択幅が広がるとWWFジャパンは期待している。

[1] 土佐鰹水産株式会社の設立は1996年9月。一本釣りで漁獲されたカツオ(B1冷凍カツオ)のみを原料に藁焼きかつおたたきを製造しています(藁焼きタタ キ製造法に関する特許取得)。2008年2月には静岡の新工場で原漁入庫から製品出荷までの一貫生産を開始しました。土佐鰹水産株式会社の詳細につきまし ては、 http://www.tosakatu.jp/ をご覧下さい。

[2]MSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)とは、WWFと大手食品関連会社が1997年に立ち上げた組織で、1999年に非営利団体として独立、国際的な第三者機 関。魚や貝、エビ、カニなどの漁業で「海の環境を保全しながら、天然の海産物の持続可能な利用を実現する」という条件を満たしたものからつくられた海産物 製品につけられるのがMSCラベル。このラベルがつけられた製品は「海の自然を守って作られた製品」であるという証になる。世界ではこの審査を経て認証さ れた漁業はすでに35漁業。審査中の漁業が79ある。世界の天然サケ漁獲量の42%以上、主要な白身魚漁獲量の40%以上がMSC認証に関与している。 MSCラベルが貼られた商品は現在39カ国でのべ1,690品目が流通している(2008年7月現在)。認証後も定期的に検査を受け、厳しい審査基準が遵 守されているかが確認される。


日本初!「海のエコラベル」MSC認証漁業が誕生(2008年9月19日)

2008年9月19日、京都府舞鶴市の京都府底連が、国際的な「海のエコラベル」として知られる、MSCの漁業認証を日本で初めて取得しました。日本では2006年6月から、外国産の水産物でMSC認証を受けた製品が輸入され、スーパーなどで販売されてきましたが、今後は国産の商品の流通が広がることも期待されます。

日本そしてアジアで第一号の漁業認証

2008年9月19日、日本国内では第一号となる、MSC(海洋管理協議会)の漁業認証の取得が実現しました。アジアでも初となるMSC認証を取得したのは、京都府舞鶴市の京都府機船底曳網漁業連合会(京都府底連)が行なっている。ズワイガニとアカガレイ漁です。

MSCの漁業認証は、国際的な厳しい基準をクリアして、海洋環境の保全を図りながら、持続可能な漁業資源の利用を実践していると認められた漁業に与えられるもの。認証された漁業により生産される商品は、「環境に配慮したシーフード」として認められ、「海のエコラベル」として知られるMSCのラベルが付けられた形で流通します。

日本ではすでに2006年6月から、外国産の水産物で認証を受けた商品が輸入され、流通してきましたが、今回、日本で初めての認証取得が実現したことで、海洋環境に配慮した国産の商品も流通することになります。

未来の漁業を守るために

今回のMSC認証の取得は、国内では前例のない漁業認証の取得とあって、審査には長い時間を要しました。本審査が開始されたのは2006年2月。以来、取得の実現まで、関係者の方々は一方ならぬ苦労を乗り越えてきました。

そもそも、京都府底連では、過去に漁獲高の激減にさらされた経緯があります。1980年にはズワイガニの漁獲が58トンに落ち、アカガレイも1991年に71トンと、それぞれ減少。そこで、京都府底連は京都府立海洋センターの協力を得て、科学的な資源評価を実施し、資源を持続的に利用してゆくため独自の計画を立て、漁期や漁獲サイズなどの自主的な規制や、そのための保護区の設置などに取り組んできました。

この結果、漁獲量は最近3年間の平均で、ズワイガニが119トン、アカガレイが126トンにまで回復。こうした先駆的な資源管理の取り組みが、国際的に認められているMSC認証取得のきっかけとなりました。

今回の認証取得について、京都府底連の川口哲也会長は、全ての協力者に対して感謝の気持ちを述べると共に、MSC認証取得があくまでも通過点であり、今後も資源と漁場の管理を継続し、次代に豊かな海を引き継いでいくことが私たちの目的だ、とコメント。「今後も京都の海を愛する気持ちを糧に、この認証に恥じないよう、底曳網漁業の発展へ向け歩み続けたい」と挨拶を述べました。

また、イギリスにあるMSC本部のルパード・ハウズ最高責任者も、京都府底連によるアジア初の認証取得を祝福。世界有数の水産物の生産国であり輸入国でもある日本で実現した漁業認証を「歴史的な出来事」と評価し、他の日本の漁業が今回の認証取得に続くことを強く願っている、と期待の言葉を述べました。

WWFは今回の認証取得に対し、その当初から、情報の提供や認証取得のための費用の一部を提供、支援活動を行なってきました。
水産物の一大消費国である日本は、世界の漁業の未来に対する大きな責任を負っているといえます。WWFでは今後、MSCラベルの付いた輸入品や国産品の水産物の流通が拡大し、消費者が環境に配慮した製品をより幅広く選択できるように、その普及拡大をめざしてゆきます。

記者発表資料 2008年9月19日

日本の漁業、「海のエコラベル」をアジアで初めて取得

【日本、東京発】 2008年9月19日、WWFジャパン(財団法人 世界自然保護基金ジャパン)がその活動を支援するMSC(海洋管理協議会)の、アジア初 の漁業認証が日本で取得された。今回認証を取得したのは京都府機船底曳網漁業連合会(以下「京都府底連」、京都府舞鶴市)の漁業。持続可能な漁業に与えら れる「海のエコラベル」認証として世界で広く知られているMSC認証は、厳しい基準に照らし合わせて海洋環境の保全を図りながら、持続可能な漁業資源の利 用を実践していると認められた漁業に与えられる。認証された漁業による商品は"環境に配慮したシーフード"として国内外に流通するようになる。WWFジャ パンは、京都府底連の認証取得を機に、国内漁業者の間でMSC認証取得の動きが広がっていくことを期待している。

今回の取得は、2006年2月から本審査が開始されたもの。長期間の審査を経て認証が取得される運びとなった。2006年6月から、一般消費者はすでに日本 のスーパーマーケットの店頭でもMSCラベル付き商品を購入できるようになっていたが、これらはサケやたらこなど海外の漁業で認証されたMSC商品。輸入 ものに限られていた。今回日本の漁業が認証されることで、海洋環境に配慮した国産の商品が流通することになる。

今回認証される取り組みの 対象となっている魚種は、ズワイガニとアカガレイ。京都府底連では、ズワイガニは1980年に58トン、アカガレイは1991年に71トンまで漁獲量が減 少した経験を持つ。そこで、京都府底連は京都府立海洋センターの科学的な資源評価に基づいて資源管理のための計画をたて、漁期や漁獲サイズなどを自主的に 規制する保護区を設けるなどの工夫を実施。減少していた漁獲量は最近3年間の平均ではズワイガニが119トン、アカガレイが126トンにまで回復した。こ うした先駆的な資源管理の取り組みが、国際的に認められているMSC認証取得のきっかけとなった。

今回の認証取得にあたり、京都府底連の川 口会長は「京都府沖合の豊かな海を子々孫々まで残していくために、私たち京都の底曳網漁業者は禁漁区域・禁漁期間の設定等の管理措置に取り組んできまし た。その結果、漁獲量は回復傾向に向かい、私たちの努力が果実となって現れてきました。 今般、MSC漁業認証を得られたことは、我々のこうした取り組み が認められたものであって、この上ない喜びであり、また、ここに至るまでご尽力いただいた関係者の皆様に感謝いたします。今回の認証取得はあくまでも通過 点であります。本府沖合における資源・漁場の管理を持続的に行ない、次代に豊かな海を引き継いでいくことが私たちの目的です。今後も京都の海を愛する気持 ちを糧に、この認証に恥じないよう、底曳網漁業の発展へ向け歩み続ける所存です。」と述べる。日本漁業の独自の取り組みが、世界で初めて認められた栄誉ある認証だ。

MSCの取り組みは、一般の消費者の環境に対する意識を行動に移すことができる現実的な仕組みとして、国境を越えて拡大しつつ ある。欧米を中心に世界39カ国でMSCラベル付き商品がのべ1,690品目も既に流通しており、スーパーマーケットなどで普通に販売されている。消費者 が一目で、それが環境に配慮した製品だということがわかる仕組みである。また、CoC認証(Chain of Custody認証:漁獲後の加工・流通過程の認証)により、トレーサビリティーも可能。消費者にとっては、環境への安心、食への安心の双方が、MSCラ ベルの有無によって、容易に見分けることができるようになっている。

全国約1000店舗でMSCラベル付き商品販売を展開する大手スー パー・イオングループのイオントップバリュ㈱グリーンアイ商品本部加工品・水産商品部長山本泰幸氏は「イオンは"お客さまとともに"プライベートブランド 『トップバリュ グリーンアイ』商品をはじめとして、持続可能な水産資源のご提供に向けた取組みを積極的に推進しております。この度、漁業関係の様々な方々のご尽力によ り、国内で水揚げされた魚介類にもMSC認証が実現したことをうけ、イオンは今後より一層、お客さまに安全・安心な魚介類を永続的にご提供できるよう努め てまいります。」と、今後の展開に期待をよせている。

また、MSC(海洋管理協議会、本部・イギリス)のルパード・ハウズ最高責任者は 「この認証は日本のみならずアジア初の取得であり、歴史的な出来事です。京都府底連のアカガレイとズワイガニ漁業の認証取得を祝福できることをうれしく思 います。京都府底連のこの先駆的な取り組みに続き、日本の他の漁業が近いうちにMSC認証の審査プロセスに進むことを強く願っています。信頼できる国際的 に認知された第三者認証とラベリングに対する需要は、日本国内のみならず日本からの輸出先マーケットでも高まっていることから、この認証取得が京都府底連 の漁業の市場や販路の拡大にもつながっていくことを願っています。」と第一号の漁業認証がでたことで日本のMSC認証取得に拍車がかかることを期待してい る。

WWFは技術的な支援だけではなく、認証費用取得のための補助金を一部支出し、日本初の漁業認証取得を支援した。MSCの日本国内導入 に深くかかわったWWF-USのメレディス・ロパチは「京都府底連は持続可能な漁業への貢献を通して、世界的に認知されただけではなく、未来の漁業におけ る持続的な取り組みの先駆者となりました。」と歓迎している。

世界有数の水産物の生産国であり輸入国でもある日本には、持続可能な漁業に対 する大きな責任がある。消費者にとっても、輸入品だけではなく国産品にもMSCラベルの付く環境に配慮したものが増えれば、選択の幅が広がることにもな る。今回の日本初の動きが、日本での海洋環境の保全と海洋資源の持続可能な利用に弾みがつくとWWFは期待している。


スーパー最大手が、MSC認証商品を販売開始!(2006年11月20日)

海のエコラベルとして、世界で広がり始めているMSCラベルのついた海産物を、日本の総合スーパー最大手のイオンが11月29日から販売を開始。世界屈指の水産物消費大国である日本において、持続的な形で生産された海産物の流通が拡大することが期待されています。

世界の漁業の危機とMSC

世界中の海で危機感が高まっている漁業資源。FAO(国連食糧農業機関)の2004年の報告によると、世界各地で漁獲対象となっている主要な漁業資源のうち、7%が枯渇、16%が乱獲、52%が限界まで利用されており、緊急な対応が必要とされています。

また、同機関によれば、ある漁業では漁獲量の実に30%が違法な方法で漁獲されいます。漁獲を対象とした魚介類以外の生物を誤って捕獲してしまう「混獲」も多発しており、毎年2,000万トン以上のウミガメやイルカ、海鳥などが犠牲になっているとされています。これは、世界の漁獲物の重量の約4分の1に相当するといわれています。

MSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)は、1997年にWWF(世界自然保護基金)などが設立した国際非営利団体で、独自の基準や証審査手順を設け、海の自然環境に配慮した、持続可能な漁業を認証する取り組みを、欧米を中心に世界各国で展開してきました。
この取り組みは、MSCより認定を受けた世界各国の認証機関が、資源・生態系・規制を守った漁業と、その流通・加工の過程を認証し、そこから生産された水産物製品にMSCラベルを付けて販売する、というもの。一般の消費者にも、それが一目で、海洋環境に配慮した製品であることがわかる仕組みです。

国内最大手イオンが販売開始!

このMSCによる水産物の認証が、近年の魚介類の乱獲や枯渇の問題を受け、少しずつ日本でも広がりを見せはじめました。2006年6月には東京のスーパーマーケットで、日本で初となるMSCラベル付き商品が販売開始。そして今回、国内最大手の小売イオン株式会社が、企業としてMSCの企業が認証を取得し、全国660店舗でラベル付きの製品販売に踏み切ったことで、大幅な流通の拡大が期待されることになりました。
また、この動きによって、総合スーパーに商品を流通させている卸業者にも、MSCの流通・加工認証(COC認証)を取得する動きが広がっています。

世界の巨大な水産物消費に大きな社会的責任を持つ日本の総合スーパー最大手が、こうした国際的な環境保全への取り組み、消費者に持続可能な水産物を提供することは、世界の漁業や資源保護にも、大きなインパクトを与えることにつながります。
海の環境を、身近な「食」という観点から考え、それに配慮した製品を消費者が自由に選択できる、MSCの認証制度。WWFは、この取り組みに賛同し、認証を取得する日本企業が今後も増え、海の環境問題に対する国内の関心を高めていくことを目指してゆきます。

記者発表資料 2006年11月20日

総合スーパー最大手、イオンがMSC認証商品を販売開

【日本・東京発】海のエコラベルとして、世界で広がり始めてい るMSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)ラベル。日本でも総合スーパー最大手のイオンが11月29日(水)より全国の「ジャスコ」「マックスバリュ」など660 店舗で、MSCラベル付き魚介類を販売開始する。

国内小売業初のMSC認証

総合スーパー最大手のイオン ㈱は、11月20日にMSC認証の中のCoC認証(Chain of Custody)と呼ばれる流通・加工管理の認証を取得した。MSCラベルは、環境に配慮し、水産資源の持続的利用を可能にする、エコラベル。今回イオン ㈱が取得したCoC認証は、MSC認証で漁獲された魚を他の魚と区別して、確実に消費者の元へ届けるための仕組みである。流通・加工管理の認証を受けた企 業が、MSC認証を受けた漁業から生産された水産物を取り扱う場合にのみ与えられる。今年6月に日本で初のMSCラベル付き商品が東京の一部スーパーで販 売が開始されていたが、イオン㈱のような全国に店舗を持つ企業が認証を取得したのは初めてである。

全国の消費者の手に届く商品へ

MSC ラベル付き商品は、世界中で400商品以上が流通して、広がりを見せている。今回、イオン㈱はラベル付き商品を全国の「ジャスコ」「マックスバリュ」など 660店舗で、プライベートブランド「トップバリュ グリーンアイ」シリーズなどに導入し販売を開始する。日本の総合スーパー最大手がMSC認証を取得し たことで、水産物の最大消費国である日本でのMSCラベル付き商品の流通がいっきに拡大し、リーズナブルな価格で全国の消費者が直接手にとって購入するこ とが可能になる。
今回の動きが、業界に影響を与えるのは必至であろう。また、総合スーパーに商品を流通させている卸業者にも、認証取得の動きが広がっている。

「"持続可能性"という視点から、お客様に永続的に安心して魚介類を召し上がっていただくための取組として、MSC認証商品の取扱いを開始しました。」とイオン㈱水産商品部長 南谷和彦氏は取扱い開始の理由を語る。
また、今後の展開については「地球規模での環境保全を考え、お取引先さまにもご協力をいただきながら、MSC認証商品の販売品目や販売店舗を増やすとともに、プライベートブランド商品としての展開も拡大していきたい」と述べる。

近年、魚介類の乱獲や枯渇が問題となっており、日本の消費者にも無関心ではいられない状況だ。環境問題に関心の高い企業がすでに導入を開始し、少しずつでは あるが日本でも広がりを見せはじめたMSCラベル。世界の巨大な水産物消費に大きな社会的責任を持つ日本の総合スーパー最大手が、こうした国際的な環境保 全への取り組みを導入することは、消費者に大きなインパクトを与えることになる。

海のエコラベルという新しい取り組みが拡大することによ り、海の環境を身近な「食」という観点から考える選択が消費者の間に広がっていこうとしている。MSCの取り組みに賛同し、認証を取得する日本企業が今後 も増え、海の環境問題に日本の消費者が関心を高めていくことをWWFは期待している。

参考

  • MSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)は、1997年にWWF(世界自然保護基金)などが設立し、1999年に独立した国際非営利団体。MSCは、持続可能な 漁業のための原則と基準・認証審査手順の作成、認証機関の認定・評価・監督を行っている。MSCより認定を受けた認証機関が、資源・生態系・規制を守った 漁業を認証する。認証された漁業からの水産物は認証機関によるCoC(流通・加工管理)認証を受けることによってMSCラベルを付けて販売することができ る。

  • 今、世界中の海では漁業資源に対する危機感が高まっている。FAO(国連食糧農業機関)の2004年の報告による と、世界各地で漁獲対象となっている主要な漁業資源のうち、7%は枯渇し、16%が乱獲されており、52%は限界まで利用されている、とされている。さら に、FAOによれば、ある漁業では漁獲量の30%以上が違法な方法で漁獲されている(*1)と推定されている。また漁獲対象の魚以外の生物(ウミガメやイ ルカ、海鳥など)も捕獲してしまう混獲 によって、毎年2,000万トン以上(漁獲で捕獲された約四分の1に相当)の海棲生物が犠牲になっている。こうした海の資源や生態系の劣化に歯止めをかけ ようと設立されたのがMSC認証制度。
    *1:原文の正確さを確保するため、2007年3月12日に記述を修正しました。

  • 2006 年10月末現在、MSC認証を取得しているのは21漁業。さらに18の漁業が認証審査中である。CoC認証を受け流通している商品は世界で400種にのぼ り、さらに増え続けている。2006年 2月には、米国小売最大手のウォルマートが、3年以内にMSC認証製品を含む、持続可能であると認証された水産物のみを取り扱う方針を発表。さらに4月に は英国小売大手のASDAがウォルマートの動きに追随している。日本でも6月に初のCoC認証が取得され、東京のスーパーマーケットなどの店頭で、すでに ラベル付き商品が販売されている。

  • 日本の漁業では、2006年2月から京都府機船底曳網漁業連合会による底曳網漁(ズワイガニとアカガレイ)が、MSCの認証を取得するため本審査を受けている。認証取得は来年初め頃と予想され、認証されれば日本初のみならずアジア初の漁業認証となる。


広がるMSC認証 新たな企業が参画!(2006年9月21日)

国際的な海のエコラベル「MSC(海洋管理協議会)」ラベル。このラベルの付いた水産製品を扱う日本の企業が、また一社増えることになりました。今回、販売が決まったのは、北太平洋産のマダラで、同企業では今後、MSCのラベルつき製品の更なる増加を検討しています。

日本で2社目の認証取得企業

海のエコラベルとして、世界で広がり始めているMSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)ラベルつき水産製品が、2006年から日本でも本格的に販売され始めています。

この海のエコラベルは、まず持続可能な方法で操業している漁業を認証し、次に、そこで漁獲された魚が他の魚と混ざらないよう、流通や加工の過程も審査することで、海の環境に配慮した海産物を確実に消費者の元へ届ける仕組みです。
そのため、実際にMSC製品の流通に携わる企業は、MSCのCoC認証(流通・加工管理の認証)を取得しなくてはなりません。

日本では2006年5月に、東京・築地の亀和商店が初めて、このMSCのCoC認証の第一号を取得しました。そして今回、国内で2社目となる、宮城県塩釜市にある株式会社渡會(わたらい)が、同じく認証を取得し、MSCラベルつき製品の販売を開始しました。

株式会社渡會が国内で扱うことになったのは、アメリカのベーリング海、およびアリューシャン列島で漁獲されたマダラで、大手スーパー向けに販売を開始する予定です。

消費者の要望に応える製品を

今回、アメリカの認証機関Surefish社の審査を受け 8月25日にCoC認証を取得した株式会社渡會の渡會邦彦社長は、その判断のきっかけについて、次のようにコメントをしています。
「漁業資源枯渇が叫ばれている今、海の環境を保全しながら海産物の持続的な利用を進めることを根底に考え、欧米で多数の漁業者や加工流通業者が参加しているMSCの仕組みに興味をもちました。MSC認証商品は、今後消費者が店頭で選択する際の重要な判断材料になり、その重要性はますます高まると思われます」。

実際、自社の製品がMSC認証を取得することは、環境配慮という付加価値を得、他の製品との差を消費者に対してアピールすることにもつながります。同社では今後、ギンダラなど他の魚種の認証取得を検討。消費者に、MSCの認証商品と他の製品の違いを考えてもらい、漁業や流通のあり方について、より深く知ってもらいたいと期待をよせています。

MSCによる海のエコラベルという新しい取り組みの導入により、一般の消費者は、環境配慮型の製品を敢えて選ぶことができるようになりつつあります。海の環境と身近な「食」という生活を結ぶMSCの仕組みは、今後の漁業問題や海洋保全への取り組みを、大きく進めるものといえるでしょう。
WWFではこれからも、日本でのMSCの普及と拡大を目指してゆきます。

記者発表資料 2006年9月21日

広がるMSC認証、新たな企業が登場!

【日本・東京発】海のエコラベルとして、世界で広がり始めているMSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)ラベル。日本で2社目の、CoC認証(流通・加工管理認証)を取得した企業が誕生した。

日本で2社目

日本で2社目となる企業は、宮城県塩釜市にある株式会社渡會(わたらい)。今回CoC認証を取得したのは、アメリカベーリング海・アリューシャン列島のマダラ。MSCの認証機関Surefish社(アメリカ)の審査を経て 8月25日にCoC認証を取得した。

MSC ラベルは、CoC認証(Chain of Custody)と呼ばれる流通・加工管理の認証を受けた企業が、MSC認証を受けた漁業から生産された水産物を取り扱う場合にのみ与えられる。CoC認 証は、MSC認証で漁獲された魚を他の魚と区別して確実に消費者の元へ届けるための仕組みである。宮城県塩釜市にある株式会社渡會は、日本でこの認証を取 得した2番目の企業となる。

株式会社渡會の渡會邦彦社長は、「MSC認証取得のきっかけとして、漁業資源枯渇が叫ばれている今、海の環境を 保全しながら海産物の持続的な利用を進めることを根底に考え、欧米で多数の漁業者や加工流通業者が参加しているMSCの仕組みに興味をもった」と取得の経 緯を語る。自社の製品がMSC認証を取得することで、付加価値が増し、差別化が図れ日本の消費者にも受け入れられると判断、取得を決意した。「MSC認証 商品は、今後消費者が店頭で選択する際の重要な判断材料になり、その重要性はますます高まると思われる」と語る。

また、同社は、今回CoC 認証を取得したマダラの製品を大手スーパー向けに販売を開始する予定。さらにはギンダラなど他の魚種の認証取得も検討している。「たくさんの方々に、 MSC認証商品とそうでないものはいったい何が違うのか、また、それに伴って魚の漁業形態や流通形態はどういうものなのかということを知っていただける チャンスと期待している。」とMSCラベルの日本での普及に期待をよせている。

日本では6月に、初めてMSCラベル付き商品が店頭に並ん だ。東京のスーパーや通信販売などで、MSCラベル付き商品の販売が開始され、広がりを見せている。海のエコラベルという新しい取り組みの導入により、今 までなかった消費者の選択が広がっていこうとしている。海の環境を身近な「食」という観点から考えるしくみに、日本の消費者が参加できるようになり始め た。MSCの取り組みに賛同し、認証を取得する企業が今後も増えていくことをWWFは期待している。

参考

*MSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)は、1997年にWWFなどが設立し、1999年に独立した国際非営利団体。MSCは、持続可能な漁業のための原則と基 準・認証審査手順の作成、認証機関の認定・評価・監督を行っている。MSCより認定を受けた認証機関が、資源・生態系・規制を守った漁業を認証する。認証 された漁業からの水産物は認証機関によるCoC(流通・加工管理)認証を受けることによってMSCラベルを付けて販売することができる。

* 今、世界中の海では漁業資源に対する危機感が高まっている。FAO(国連食糧農業機関)の2004年の報告によると、世界各地で漁獲対象となっている主要 な漁業資源のうち、7%は枯渇し、16%が乱獲されており、52%は(乱獲と枯渇を防ぐため)緊急に管理が必要であるとされている。さらに、FAOによれ ば、世界の漁獲総量に占める違法漁業の割合は30%とも推定されている。また漁獲対象の魚以外の生物(ウミガメやイルカ、海鳥など)も捕獲してしまう混獲 によって、毎年2,000万トン以上(漁獲で捕獲された約四分の1に相当)の海棲生物が犠牲になっている。こうした海の資源や生態系の劣化に歯止めをかけ ようと設立されたのがMSC認証制度。

*2006年8月末現在、MSC認証を取得しているのは21漁業。さらに16の漁業が認証審査中で ある。CoC認証を受け流通している商品は世界で400種にのぼり、さらに増え続けている。2006年 2月には、米国小売大手のウォルマートが、3年以内にMSC認証製品を含む、持続可能であると認証された水産物のみを取り扱う方針を発表。さらに4月に は英国小売大手のASDAがウォルマートの動きに追随している。日本でも6月に初のCoC認証が取得され、東京のスーパーマーケットなどの店頭で、すでに ラベル付き商品が販売されている。

*日本の漁業では、2006年2月から京都府機船底曳網漁業連合会による底曳網漁(ズワイガニとアカガレイ)が、MSCの認証を取得するため本審査を受けている。認証取得は来年初め頃と予想され、認証されれば日本初のみならずアジア初の漁業認証となる。


「MSC」ラベルつき水産物 第二弾!ギンダラの認証製品が登場!(2006年8月16日)

今回、MSCラベルつき製品として販売されるギンダラは、北海道からベーリング海およびカリフォルニア湾に生息する魚で、日本では漬け魚(味噌漬け、粕漬け)、照り焼きなどで人気が高い食材です。

世界のギンダラの漁獲量は2万トンを以上。その90%相当はアメリカが漁獲していますが、この内の約85%がMSCの漁業認証を受けているため、世界に流通しているギンダラの多くは、資源や環境に配慮した漁業によって漁獲されていることになります。

日本が輸入するギンダラの85%相当もアメリカからの輸入品。つまり、店頭に並ぶギンダラ製品の大部分が、海のエコラベルであるMSCラベルを付けて販売できる条件を備えています。
しかし、実際に製品をラベルつきで販売するためには、流通に携わる企業が、MSCのCoC認証(流通・加工管理の認証)を取得しなくてはなりません。そうしなければ、乱獲のような形で漁獲された製品が、流通の過程で混入し、エコラベルとしての信用性と価値を失ってしまうからです。

しかしこの7月末、東京築地の亀和商店が、ギンダラのCoC認証(MSCの流通・加工管理の認証)を取得。8月から国内での製品販売を開始しました。

求められる流通の拡大

今回、亀和商店が販売する製品は、2006年5月に現地のギンダラ漁がMSCの漁業認証を取得したことで、生産が可能になったもの。国内でのMSCラベルつき製品の販売としては、同社が2006年6月にCoC認証を取得したアラスカのキングサーモンに続く、第二弾となります。

亀和商店の和田一彦社長は「ギンダラでもCoC.認証を取得できたことで、MSC認証製品の幅を広げることができた。今後も取り扱うMSC認証の魚種を順次増やしてゆきたい」とコメント。 同社はアラスカ産サーモンと同様に、インターネット販売や東京のナショナル麻布スーパーマーケット、明治屋(玉川店)などでの販売を展開していくことにしており、8月18日(金)、19日(土)の両日には、東京の明治屋玉川ストアーで、試食販売も実施しました。

日本は世界でも屈指の水産物の消費国です。今後、MSCラベルつき製品のような、海の環境に配慮した製品を流通させてゆくことは、世界の海の環境保全にも、大きくかかわりを持つものといえるでしょう。

日本ではまだCoC認証を取得している流通業者が少ないため、消費者が小売店でMSCラベル付きの製品を手軽に入手できるようになるまでには、まだ時間がかかりそうです。
しかし今回、国内で一般の人たちが手に取ることのできる、MSCラベルを付けた製品の種類と数が増えたことで、消費者が環境配慮型の海産物を、自らの意志で選択できる機会が増えることになりました。

WWFでは今後も、MSCラベル付き水産物の種類や数、取り扱い業者が増えることで、消費者の関心がさらに高まることを期待しています。


日本初! MSCラベル付き商品が販売開始!(2006年6月8日)

持続可能な漁業に与えられるエコラベルとして世界的に信頼されている、MSCラベルのついた水産物の販売が、日本でもいよいよ開始されました。商品は、東京築地の亀和商店が2006年5月31日から販売を開始した、アラスカ産の天然キングサーモンです。

国際的な海のエコラベル「MSC」

MSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)は、1997年にWWFなどが設立し、1999年に独立した国際非営利団体で、持続可能な漁業を行なうための原則や基準、認証の審査手順の作成などに取り組んでいます。

現在世界には、このMSCが認定した認証機関が8つあり、漁業と流通・加工管理の審査に取り組んでいます。
まず、漁業がMSCの基準をクリアし、認証機関の認証を受けるためには、資源の持続的な利用をめざした管理に取り組むだけでなく、海の環境保全にも十分に配慮し、さまざまな漁業規制を正しく守ることが求められます。
また、流通・加工管理の認証(CoC認証)については、他の生産方法や生産場所が分からない水産物と混同されることが無いように、適切な管理が行なわれなくてはなりません。

こうして生産された認証製品には、MSCラベルが付けられ、店頭に並び、海の環境に配慮した商品を求める消費者の手に届けられることになります。そして、消費者はこれらの商品を購入することで、間接的に持続的な漁業の推進をサポートすることになるのです。

動き始めた海のエコラベル

日本ではこれまで、このMSCラベルが付けられた製品は市場に流通していませんでした。
しかし、東京築地に本社のある亀和商店が、5月31日からインターネット通信販売で、MSCラベルのついた商品の販売を開始しました。商品は、アラスカ産の天然キングサーモンで、切り身110グラムの2枚入り。
これは、MSC認証を受けたアメリカの漁業者、ブルース・ゴア氏(Triad社社長)の船団がトロール釣りで漁獲したキングサーモンです。

亀和商店は日本国内ではじめてCoC認証を取得した企業で、今回同社が委託する3つの工場が認証を受けたことで、日本で初めてとなるMSCラベルつきの商品販売に乗り出しました。
同社は当面はインターネットを中心に販売を行なう予定ですが、スーパーマーケットなどでの店頭販売も計画されているほか、この秋にはWWFジャパンの通信販売である「PANDA SHOP」でも販売が予定されています。

世界でも屈指の水産物の消費国である日本で、MSCラベル付きの商品を、一般の消費者が購入できるようになったことは、大きな意味を持つといえます。実際に、多くの人たちがMSCラベルつきの商品を選択することになれば、それは世界の漁場の現場にも、大きな、良い影響を及ぼすことになるでしょう。
MSCの国内導入に取り組んでいるWWFジャパンでは、今後も環境や資源に配慮した持続可能な水産物の普及拡大を通じて、海洋環境の保全に取り組んでゆきます。


動き始めた海のエコラベル、日本初MSCラベル付き商品販売開始(2006年6月8日)

記者発表資料 2006年6月8日

【日本、東京発】持続可能な漁業に与えられるエコラベルとして世界で広く知られているMSCラベル。日本で初めてMSCラベル付きの水産物の販売が開始された。

今回ラベル付きで販売される商品は、東京築地に本社のある亀和商店が扱う商品。アメリカの漁業者ブルース・ゴア氏(Triad社(トライアド社)社長)の 船団がトロール釣りで漁獲したアラスカ産天然キングサーモンの切り身110g2枚入。インターネット通信販売で5月31日よりラベル付きで販売を開始し た。

MSCラベルは、CoC認証(Chain of Custody)と呼ばれる流通・加工管理の認証を受けた企業が取り扱う、MSC認証を受けた漁業から生産された水産物にのみ与えられる。亀和商店は日本 国内ではじめてこれを取得した。CoC認証は、MSC認証で漁獲された魚を他の魚と区別して確実に消費者の元へ届けるための仕組みである。亀和商店が委託 する3工場が今回認証を取得した。

亀和商店は当面はインターネットでの販売を中心に展開を予定、スーパーマーケットなどでの店頭販売も計画中である。今秋にはWWFの通信販売であるPANDA SHOPを利用した販売展開も予定している。また亀和商店は加工製品の販売も検討中である。

今回、日本国内で初めてCoC認証を取得した企業が現れたことにより、MSCラベル付きの水産物を日本の消費者が実際に購入することが初めてできるように なった。水産製品の大量消費国である日本で、「環境への安心」に配慮した持続可能な水産物への認知が高まり、MSCラベル商品を消費者が選択することを WWFは期待している。消費者がエコラベル水産物を選ぶことにより、海洋環境の保全が推進することをWWFは目指している。

参考

.*MSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)は、1997年にWWFなどが設立し、1999年に独立した国際非営利団体。MSCは、持続可能な漁業のための原則と基 準・認証審査手順の作成、認証機関の認定・評価・監督を行っている。MSCより認定を受けた認証機関が、資源・生態系・規制を守った漁業を認証する。認証 された漁業からの水産物は認証機関によるCoC(流通・加工管理)認証を受けることによってMSCのラベルを付けて販売することができる。

* 今、世界中の海では漁業資源に対する危機感が高まっている。FAO(国連食糧農業機関)の2004年の報告によると、世界各地で漁獲対象となっている主要 な漁業資源のうち、7%は枯渇し、16%が乱獲されており、52%は(乱獲と枯渇を防ぐため)緊急に管理が必要であるとされている。さらに、FAOによれ ば、世界の漁獲総量に占める違法漁業の割合は30%とも推定されている。また漁獲対象の魚以外の生物(ウミガメやイルカ、海鳥など)も捕獲してしまう混獲 によって、毎年2,000万トン以上(漁獲で捕獲された約四分の1に相当)の海棲生物が犠牲になっている。こうした海の資源や生態系の劣化に歯止めをかけ ようと設立されたのがMSC認証制度。

*現在、世界ではMSCラベルのついた製品は300品以上、さらに増え続けている。2006年2月に は、米国小売大手のウォルマートが、3年以内にMSCの認証製品を含め、持続可能であると認証された水産物のみを取り扱う方針を発表。さらに4月には英国 小売大手のASDAがウォルマートの動きに追随している。日本では、MSC漁業からの製品は既に流通していたが、CoC認証を受けていなかったために MSCラベルがつけられないまま販売されており、消費者にはわからなかった。

*日本の漁業では、2006年2月から京都府機船底曳網漁業連合会による底曳網漁(ズワイガニとアカガレイ)がMSCの認証を取得するため本審査を受けている。認証取得は来年初め頃と予想され、認証されれば日本初かつアジア初の漁業認証となる。


第2回スマートギアコンテスト"混獲を減らす漁具"の優勝者発表(2006年5月18日)

漁獲する必要の無い生きものを、誤って網にかけたり、釣り上げてしまう「混獲」。毎年世界では、この混獲によって、多くの魚や海鳥、アザラシやイルカなどが犠牲になっています。WWFは、 2005年11月29日、前年に続き、第2回となるWWF「国際スマート漁具(Smart Gear)コンテスト」を開始。混獲による海の野生生物の犠牲を減らす、「革新的な漁具」のコンテストを行ないました。2006年3月15日までに寄せられたアイデアは80あまり。その中から、最優秀賞を受けたアイデアが5月11日、発表されました。

「サメよけ釣り針」が大賞に!

第2回目となった、WWF「国際スマート漁具(Smart Gear)コンテスト」。今回、世界26カ国から寄せられたアイデアは、83件にのぼりました。そので見事に優勝したのは、アメリカの団体「シャーク・ディフェンス(Shark Defense)」の次席研究員マイケル・M・ハーマン氏でした。

毎年何千尾ものサメが、マグロ漁やメカジキ漁で使われる釣り針によって混獲され、死んでいます。サメ類の中には、この問題によってその数が90%も減少し、絶滅の危機に追い込まれているものもあるため、緊急に対策が求められてきました。
ハーマン氏は、斬新なアイデアで、この問題の解決に一石を投じました。サメの習性を利用して、混獲を防止する漁具を考案したのです。

サメは磁場を感知する鋭い感覚能力を持っています。そこで、ハーマン氏は、強い磁石を、サメを引っかけてしまうことの多い、延縄漁の釣り針のすぐ上に付けることで、特定の種類のサメを、釣り針から遠ざける方法を考案しました。

シンプルでしかもコストや環境への負担が少ないなどの点が評価された結果、ハーマン氏は見事にコンテストの大賞を受賞。このアイデアを更に開発し、試験するための費用として、2万ユーロ(約275万円)の賞金を獲得しました。

解決策は生み出すもの

コンテストでは、この他にも有望なアイデアが多数寄せられ、副賞をあわせて3名の方が受賞しました。

その中には、ある種の魚を隙間から逃がすことができる、より軽量で「柔軟な」底曳網の通過格子や、海鳥がしばしばひっかかる底曳網に接続されたワイヤーに、洗浄ブラシのような多色のロープ細工を施すことで、鳥を近づけない、といったアイディアもあり、いずれも実用性のある、素晴らしいものとして評価を受けました。

コンテストの授賞式に臨んだ、WWFインターナショナルの事務局長J・リープは、「解決策は存在し、あるいは生みだすことができます」とコメント。人類が今のまま、世界の各地で破壊的な漁業を続ける余地は、もうどこにも無いことを強調し、サメや海鳥、ウミガメなどの未来を保障するためにも、漁法の改革が必要であることを述べました。

資源と命を無駄にする混獲が、今のまま続くようなことがあれば、漁業そのものの未来にも、悪い影響を及ぶことになるでしょう。現在までのところ、漁具と技術発展のための安くて簡単なアイデアを見い出し、漁師たちに受け入れられやすいかたちで広めることができる、この国際スマート漁具コンテストは、漁業関係者、研究所機関、大学、そして政府関係者を参加させることに成功しています。

WWFは、このコンテストなどを通して、世界中の漁業関係者や漁師たちが、貧困国の食料安全保障をも危険にさらしている魚の乱獲や、海の環境悪化などの問題を改善するための実践的な解決を、今後もめざしてゆきます。

混獲の現実

  1. マグロやメカジキなどを目的とした延縄により、絶滅の危機に瀕しているアカウミガメやオサガメが毎年25万頭以上捕えられています。
  2. 毎年延縄漁によって30万羽以上の海鳥が殺されていることが、17種のアホウドリを含む26種の海鳥が絶滅の危機に瀕していることの主な原因の1つとなっています。
  3. 主に混獲により、ここ18年間でおよそシュモクザメの仲間の89%とオナガザメとホオジロザメの80%が北東大西洋から姿を消しました。

第2回「国際スマート漁具(Smart Gear)コンテスト」で優勝したことで、ハーマン氏は自身のアイデアを更に開発し試験するための費用として約2,750,000円を受け取りました。約440,000円(4,000ユーロ)を受け取ることになる2人の次点者も、混獲問題を軽減するための有用なアイデアを提供してくれました。

  1. 次点者:ニュージーランドのインディペンデント・フィッシャリー社に勤めるクリス・キャリー。キャリー氏は、底曳網に取り付けられたワイヤーに鳥が引っかかる問題について、解決策を提示しました。彼は、鳥がワイヤーを発見でき事故を防げるように、船から底引き網へと続くワイヤーに、カラフルなブラシで覆われたロープを取り付けました。
  2. 次点者:フェロー漁業研究所のクリスチャン・ザカリアセン。すでに多くの底曳網を使う漁業者は、網に通過「格子」を取り付けています。網目を抜けるには大きすぎる魚は、格子の前に付いている脱出口から逃げ出すことができます。しかしながら、ネットを通る水の流れにより、依然として漁の目的ではない魚が通過格子の前で網の面に捕えられてしまいます。そして、この通過格子は大抵とてつもなく重いのです。そこでザカリアセンは、軽量かつ柔軟な通過格子を作りました。この通過格子の柔軟性により、水はネットをさまざまな形で通り抜け、通過格子の前で網に絡まってしまう魚の量が減少することになります。

京都で環境に配慮した漁業認証アジア第1号、本審査開始(2006年2月23日)

記者発表資料 2006年2月23日

【日本、東京発】 持続可能な漁業に与えられるエコラベル認証として世界で広く知られているMSC*注(海洋管理協議会)認証が京都府機船底曳網漁業連合会(底連、京都府舞鶴市)で本審査に入ることになった。この認証は、海洋環境の保全と持続可能な海洋資源の利用を両立する漁業を証明するもので、認証された商品は"環境に配慮したシーフード"として国内外に流通するようになる。

日本国内ではMSCの認証を受けた例はなく、今回認証が取得されれば、日本のみならずアジアでも、初めてのMSC認証漁業の登場となる。WWFジャパン(財団法人 世界自然保護基金ジャパン)は、底連の取り組みを機に、MSC認証が日本国内で広まっていくことを期待している。

今回本審査の対象となるのはズワイガニとアカガレイ。予備審査は既に終了しており、2006年2月から10ヶ月をかけて本審査が行われる予定である。底連は、主にズワイガニ、カレイ類などを水揚げしている。

底連では、1970年に1800トンだった漁獲量が1992年には850トンまで減少した。そこで、京都府海洋センターの科学的な資源評価に基づいて資源管理計画をたて、資源管理に力をいれるようになった。漁期や漁獲サイズ、漁獲量を自主的に制限する、保護区を設けるなどの工夫を実施。これにより、減少していた漁獲量は2003年には1010トンまで回復した。

MSCの取り組みは、一般の消費者の環境に対する意識を行動に移すことができる現実的な仕組みとして、国境を越えて拡大しつつある。欧米を中心に世界26カ国でMSCマークのついた水産製品320品目が既に流通しており、スーパーマーケットなどで普通に販売されている。消費者が一目で、それが環境に配慮した製品だということが分かるしくみである。今回、京都でのMSC認証が実現すれば、国産の「環境に配慮したシーフード」の流通が始まり、消費者の選択肢の幅が広がる。

世界有数の水産物の生産国であり輸入国でもある日本には、持続可能な漁業に対する大きな責任がある。日本でMSC認証が広がれば、海洋環境の保全と海洋資源の持続可能な利用に弾みがつくとWWFは期待している。

*注 MSCとは?
MSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)とは、WWFと大手食品関連会社が1997年に立ち上げた組織で、1999年に非営利団体として独立、国際的な第三者機関。魚や貝、エビ、カニなどの漁業で「海の環境を保全しながら、天然の海産物の持続可能な利用を実現する」という条件を満たしたものからつくられた海産物製品につけられるのがMSCマーク。このマークがつけられた製品は「海の自然を守って作られた製品」であるという証になる。世界ではこの審査を経て認証された漁業はすでに15漁業、さらに19漁業が本審査中である(*1)。現在26カ国で約320品目にMSCマークが流通している(2006年1月末日現在)。認証後も定期的に検査を受け、厳しい審査基準が遵守されているかが確認される。

添付資料

MSC アジアパシフィック ニュース発表 2006年2月24日

日本の漁業が初めて環境認定証入手に動く

MSC(海洋管理協議会)は日本の京都府機船底曳網漁業連合会(アカガレイ、ズワイガニ漁)が持続可能で高度に管理された漁業に与えられるMSC認証の取得を目指すと発表したことを歓迎いたします。

中国に続いて世界で第二位の水産物消費国である日本で初めてこの漁業がMSC認証取得のために科学的な審査を受けることになります。

  • アカガレイ、ズワイガニはMSCプログラムでは初めてのケースで、この二つの魚種は一つの漁業として本審査を受け一緒に管理されます。この漁業は日本海の日本の排他的経済水域内で操業されています。
  • この漁業のすべての産物は日本国内でのみ販売されています。
  • 世界的では現在15の漁業がMSCの認証を受けています。それに加え、19の漁業が本審査の過程にあります。
  • 世界規模では、40の漁業がMSCのプロセスに携わり、350万トンの水産物に関与しています。主だった種類として、サウスアフリカヘイク、ニュジーランドホキ、アラスカスケトウダラ、アラスカサーモンなどです。MSCラベルの貼られた320種類以上の海産物が26カ国で得られます。

MSCアジア-太平洋オフィスの地域担当ディレクター ダンカン・レッドビターはグローバルな水産物貿易における日本の重要性を指摘しています。「もしこの漁業がMSCの基準にあうものならば、MSCの進展にとって記念すべき一歩となるでしょう。我々は日本の漁業が持続可能な水産資源管理のために、この決定をされたことを大変うれしく思います。」

この漁業に対する独立した審査が専門家によって行われ、漁業資源状況や、その漁業が海洋環境に与える影響、管理システムの効果を審査します。専門家は審査に約10ヶ月かかると予測しています。もしこの漁業が認定を受け、トレーサビリティーが確立されれば、この漁業からの二つの海産物にはパッケージにはっきり目立つ青と白のMSCのエコラベルを貼る資格が与えられます。

MSCのエコラベルにより消費者は海産物の中では最も環境に優れた製品を選ぶことができるようになります。

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