国連温暖化防止会議COP17(ダーバン会議)前半報告


2011年11月28日から12月9日まで、南アフリカ共和国・ダーバンにて第17回気候変動枠組締約国会合と第7回京都議定書締約国会合(COP17・COP/MOP7)が開催されています。2013年以降の地球温暖化に対する国際社会の姿勢を決める、この会議。いよいよ最後の閣僚級会合を含めた、第二週に突入しました。第一週目が終了した時点での報告です。

対立が続く温暖化問題をめぐる国際交渉

世界が温暖化防止のために交わした約束「京都議定書」の第1約束期間が終わる、2013年以降に、国際社会が温暖化問題にどう取り組むのか。その枠組みを決める交渉は、本来は2009年にデンマーク・コペンハーゲンで開催された COP15・COP/MOP5において結論を得るはずでした。

しかし、先進国と途上国の利害の対立が大きく、約190カ国が参加する国連会議では、一部の有力国だけで作成したコペンハーゲン合意は採択されませんでした。

失望に終わったコペンハーゲン会議の後、2010年12月のカンクンCOP16・COP/MOP6会議では、コペンハーゲン合意にさらに肉付けをした「カンクン合意」の採択にこぎつけることができました。

この合意には、世界130カ国あまりの国々の削減目標や削減行動が盛り込まれ、資金援助の仕組みや、排出量の測定・報告・検証の仕組み構築など、将来の枠組みに向けての重要な要素が盛り込まれました。
しかし「京都議定書の第2約束期間をどうするのか」という長年の対立点については、妥協点が見出せず、COP17・COP/MOP7に先送りされたのです。

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2013年以降の国際社会の姿勢を決めるCOP17・CMP7

京都議定書の第1約束期間が終了する2013年以降に、温暖化対策が滞ることのないように、2010年のカンクン合意の内容をさらに発展させ、将来の合意の基礎となるような事項を合意し、今後の議論のスケジュールを作成していくことが、COP17・CMP7ダーバン会議では必要です。

特に、日本でも話題になっている「京都議定書の第2約束期間をどうするのか」。
そしてダーバンで採択することがかなわなくとも、すべての国を入れた法的拘束力のある枠組み(議定書)に「いずれ合意するという期限を切った約束(マンデート)」に合意できるかどうか。

こうした高度に政治的な判断が必要な重要事項について、ダーバンではなんらかの決着をつけねばなりません。いよいよ、今回の会議での議論の進展が求められています。

COP17・CMP7一週目に進んだこと

今回の会議は、COP17と通称されていますが、実際には6つの会議が同時に行なわれています。

  • COP17:気候変動枠組条約締約国会合
  • MOP7:京都議定書締約国会合
  • SBI:実施に関する補助機関会合
  • SBSTA:科学及び技術の助言に関する補助機関会合
  • AWGKP:京都議定書特別作業部会
    (議定書AWG:京都議定書の締約国の第2約束期間の目標に関する特別作業部会)
  • AWGLCA:条約特別作業部会
    (条約AWG:京都議定書非加盟国のアメリカと、京都議定書の下で削減義務を負わない中国など途上国をも含む削減行動に関する特別作業部会)
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条約AWGについて

第一週目に主に進められたのは、条約AWGの会議でした。ここでは、論点ごとに分かれて議論されていたテキストが、1週目の最後の土曜日に条約AWG議長テキストとして1つに統合され、「融合テキスト(AMALGAMATION TEXT)」が示されました。

これは本来、新枠組として採択されるべきテキストのドラフト(素案)になることが期待されるものなのですが、131ページにもわたるもので、まだまだまとまったものとはいえません。

技術移転や森林減少防止などほとんど合意に近い論点もありますが、先進国の緩和や途上国の削減行動などは、まだまだ選択肢がたくさんあり、最終テキストには遠い状態です。

なかでも、最も今回の焦点である、将来枠組みの形については、非常にシンプルな4つの選択肢が示されただけでした。

  1. 【マンデート(約束)案】
    17条に基づき中身や時間軸、議論する場などを決めて、議定書にすることを決める
  2. 【議定書になるか、自主的枠組みになるか選択案】
    バリ行動計画、及びカンクン合意を通じてCOP決定か法的枠組みで結論を出す
  3. 【先送り案】
    条約AWGにおいて、バリ行動計画、及びカンクン合意、COP17の結果に基づいて、議論を続ける
  4. 【決裂】決定なし

1のマンデート案には、いくつかの国が時間軸や中身について提案を出しており、より具体化していくことが求められます。これから水曜日から始まる大臣級会合で決定されるように、いくつかの選択肢を示していくために、インフォーマル会合で各国交渉官たちが、夜を徹して議論をつめていきます。

これまでには、小島嶼国連合(AOSIS)と低開発途上国連合(LDC)が「2012年のCOP18に議定書を採択する」という案を先週出しています。低開発途上国連合はより具体的な提案に踏み込んでおり、提案項目はバリ行動計画に基づくとしています。また京都議定書の第2約束期間の合意とともに、この案を採択すると明示しています。

日本は新枠組の合意に向けたマンデートを提案していますが、具体的な時間軸などは曖昧なままです。EUは新枠組合意を2015年と提案しています。

一方アメリカは2020年まではカンクン合意に基づいて各国が自主的に努力を行い、それを国際的に検証する仕組みでいき、2020年以降に次の話し合いをすれば、という非常に弱い提案を出しています。

いずれにしてもこれまでは「2013年以降の枠組み」ということで話し合われてきましたが、「2020年以降」などという言葉が飛び交うようになり、2013年以降次の枠組み(合意されるとして)までの間に国際条約がない状態が数年間にわたる可能性があり、温暖化対策の遅れが非常に危惧されます。

さらに第一週目の週末には、中国が、今まで否定的であった法的枠組みに向けたプロセスに、条件を満たせば合意する可能性を示唆し、注目を集めています。

今まで中国を含めた新枠組が法的拘束力を持つことにずっと難色を示してきた中国が、"法的枠組み"に合意する条件を出してきたことは、交渉の行方に影響を与えることが期待されます。

各国の大臣がぞくぞくと到着して、会議場は混雑度と混乱を増しています。いろんなうわさがまことしやかに流布し、ジャーナリストも交渉官も振り回されながら、走り回っています。交渉はいよいよ大詰めを迎えます。

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