ICCAT閉幕!大西洋クロマグロの持続可能な利用で合意


2012年11月19日、北アフリカのモロッコで開催されていたICCAT(大西洋マグロ類保存委員会)の年次会合が閉幕しました。今回の会合では、48カ国のICCAT加盟国が科学委員会による勧告に従い、2013年からの大西洋クロマグロ漁獲割当量を年間13,400トンとすることに合意。持続可能な資源利用範囲で、合意が成立しました。

持続可能な利用で合意したICCAT年次会合

2012年11月12日~19日まで、モロッコで開かれていたICCAT(大西洋マグロ類保存委員会)の第18回特別会合は、2013年からの大西洋および地中海のクロマグロの漁獲割当量を、年間13,400トンとすることに合意し、閉幕しました。

これは48カ国のICCAT加盟国が、科学委員会が提示・勧告していた、大西洋クロマグロの持続可能な利用の範囲内で、漁獲割当量の引き上げに合意したことを意味するものです。

大西洋クロマグロの保全と資源保護を目指し、10年にわたって活動してきたWWFは、今回の決定を、近年の科学者、意思決定者、水産業界との協働が、切迫していた大西洋クロマグロをめぐる状況の流れを変えた結果として歓迎しています。 

違法・無規制・無報告の漁業... 
残された課題も

しかし、違法・無規制・無報告の漁業という問題については、今回のICCAT会合では十分に取り上げられませんでした。

クロマグロ(Thunnus orientalis)「本まぐろ」の名で知られる。最高級のマグロとして人気がある。

世界の海のマグロ類の資源管理にかかわる国際機関。海域や魚種によって管轄が異なる。
くわしく見る

ICCATは、WWFがまとめた、今年のチュニジアにおける管理措置に従わない漁業と蓄養業のおける操業や、過去10年間のパナマ経由で行われた日本への大規模な無報告取引などを含む事例について調査を行いましたが、これらの問題に関して、先を見越した決定はなされませんでした。

科学的根拠に基づいた適切な資源管理のための措置をとったとしても、問題のある取引が続いているのでは、期待される成果につながらない危険があります。

WWFは、各国の政策決定者に対して、今後も科学に耳を傾け続けるよう働きかけ、大西洋東部および地中海のクロマグロ資源の十分な回復をめざすと共に、大西洋クロマグロの資源回復計画が成功するよう、ICCATとその加盟国による違法・無規制・無報告な漁業への対策強化を、これまで以上に徹底するよう、強く求めてゆきます。

記者発表資料 2012年11月19日

【モロッコ発】
WWF(世界自然保護基金)は、ICCAT(大西洋マグロ類保存委員会)が科学的な勧告に従い、大西洋クロマグロの漁獲割当量の引き上げを持続可能な範囲で合意したことを歓迎することを表明した。

19日閉幕したICCATの第18回特別会合は、48カ国のICCAT加盟国は科学委員会による勧告に従い、2013年からの漁獲割当量を年間13,400トンとすることに合意した。

「我々は政策決定者に、今後も科学に耳を傾け続けるよう働きかけている。そうすることによってのみ、大西洋東部および地中海のクロマグロ資源を十分 に回復させるチャンスを得ることになるだろう」と、WWF地中海プログラムオフィス水産プログラム代表のセルジ・トゥデラは言う。

WWFはこの種の崩壊を回避する活動に10年に及んで取り組んできた。近年の科学者、意思決定者、水産業界による協働は、切迫していた大西洋クロマグロ資源状況の潮流を変える結果となった。
「地中海のクロマグロを巡るストーリーは、各方面の改善努力によって、最も絶望的だった漁業を崩壊から救うことができることを示している」とトゥデラ。

ICCAT特別会合の前に実施された、科学委員会による大西洋東部および地中海のクロマグロの資源評価によって、2012年、過去10年間で初めて資源回復の兆候が示された。「この結果は、明らかに漁獲割当量の拡大への関心を駆り立てた」とトゥデラは言う。

しかし科学者は、クロマグロ資源の回復のスピードと程度は未知数であると警告。クロマグロ資源が確実に回復するには、総漁獲量を年間12,900トン~13,500トンの範囲に抑えることを勧告した。

「2012年の特別会合は、ICCAT加盟国のクロマグロ保全に対する貢献を実質的に試すものであった。この会合においてEUを筆頭にICCATが 持続可能ではない漁獲レベルの設定による短期的な利益を優先させず、最終的に科学の尊重が課されたことは、喜ばしいことである」

一方、違法・無規制・無報告の漁業という問題については、ICCATは十分に取り上げなかった。
ICCATは、WWFがまとめた、今年のチュニジアにおける管理措置に従わない漁業と蓄養業のおける操業や、過去10年間のパナマ経由で行われた日本への大規模な無報告取引などを含む事例について調査を行ったが、これらの問題に関して、先を見越した決定はなされなかった。

「科学的根拠に基づいた適切な管理措置も、その順守と透明性のある取引が確保されなくては、本来期待される成果を生まない危険がある」とWWFジャパンの水産プロジェクトリーダー山内愛子は言い、以下のように述べた。

「大西洋クロマグロの資源回復計画が成功するよう、ICCATとその加盟国による違法・無規制・無報告な漁業への対策強化を、これまで以上に徹底し てもらいたい。また、クロマグロの漁獲証明書の電子化導入が、今後一層、遵守状況の改善と透明性のある取引の確保を推進することを期待する」

お問合せ先

WWFジャパン広報室tel:03-3769-1714press@WWF.or.jp

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