©WWFジャパン

熱帯の川は何色?


みなさんは、熱帯の川というとどんな色を思い浮かべるでしょうか?

多くの方は、茶色をイメージするのではないでしょうか?

実は熱帯の川は3つのタイプに分けられます。

熱帯でよく見られる茶色の川は、「ホワイト・ウォーター(whitewater)」と呼ばれるタイプで、泥や土が大量に混ざりこむことでこのような色になります。
土壌流出や汚染が起こっているわけではなく、もともとこのような色をしています。

©WWFジャパン

インドネシアのテッソ・ニロ国立公園を流れる川

2つ目のタイプは「ブラック・ウォーター(blackwater)」と呼ばれ、タンニンや腐食酸が多く含まれており、黒っぽい色をしています。
強い酸性で、あまり生き物は見られません。

© WWF-Brazil / Zig Koch

ブラジルのネグロ川

そして3つ目は「クリア・ウォーター(clearwater)」と呼ばれ、今回ミャンマーの森の現場を訪れた際に見ることができました。

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ミャンマー・タニンダーリ地方域を流れる川

浸食しにくい岩などからなる土地を流れているために土壌があまり混ざりこまず、透明度が高くなっています。
しかし、大規模な森林伐採が行われれば、土壌が流出し、濁った川になってしまうかも知れません。

©WWFジャパン

Sin Koe Lat滝。タニンダーリ地域は急峻な地形が多いため、滝もよく見かけます。

私たちは今、現地のWWFの仲間たちと共に、ミャンマーの森林やそこに生息する野生生物を守るプロジェクトを進めています。

その一つが持続可能な天然ゴム生産の取り組みで、既存の農園から十分な収入が得られ、新たに森を切り開かずに済むような状況を作り出そうとしています。

©WWFジャパン

天然ゴム農園。幹に取り付けられているのは雨除けで、雨季でも樹液(天然ゴムの原料)を収穫できるようにするための仕掛けです。木と木の間に植えられている苗木はカカオで、混作も進めています。

またこの地域は絶滅が危惧されているインドシナトラの生息地でもあります。
広い森を必要とするため、分断された森をつないだり、既存の森のつながりを維持したりすることで、減少を増加に反転させたいと考えています。

© Kabir Backie / WWF-Greater Mekong

インドシナトラ

この時見た川の色を、維持・改善していけるよう活動を続けていきます。
ぜひ今後もご注目・ご支援をよろしくお願い致します。

地球から、森がなくなってしまう前に。

森のない世界では、野生動物も人も、暮らしていくことはできません。私たちと一緒に、できることを、今日からはじめてみませんか?

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森林・野生生物室 森林グループ
岩渕 翼

博士(生命科学・東北大学)
カリフォルニア州立大学卒業。学位取得後、大学のポスドクや助教として生物と環境の相互作用や、生物多様性の保全や評価手法の開発、企業緑地の生物多様性配慮等に関する研究を行う。研究の傍ら、栃木県環境審議会専門委員として行政支援を行うほか、東日本大震災後には人と自然の復興を目指すグリーン復興の活動に関わる。その後、環境保全NGOに勤務し森林や湿地の保全プロジェクトを担当。WWFジャパンでは東南アジアを中心に、森林や野生生物の科学的なモニタリングから天然ゴムなどの森林コモディティの持続可能な生産の推進など、多角的な活動を展開。

小学生の頃にファーブル昆虫記を読んで感激し、その頃から将来は生き物に関わる仕事をすると心に決めていました。さらに中学生の頃に「沈黙の春」を読み衝撃を受け、環境保全を意識するようになりました。そのあと生態系の仕組みを調べる研究者になり、科学に基づいた保全を追求するために保全の現場に関わるようになりました。森林保全プロジェクトと同時に子育てプロジェクトも進行中。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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