クイズ!誰の巣でしょう!?


先日、中国北東部にある長白山(白頭山)のフィールドを訪れる機会がありました。

今も豊かな自然林が残り、シベリアトラ(アムールトラ)の生息も確認されている、北東アジアでも貴重なエリアの一つです。

その森の中を流れる川沿いで、木に掛けられた巣箱を見つけました。

高さは地上から5メートルほど。

下にはマジックで「WWF」と書いてあるこの巣箱は、片腕でやっと抱えられるほどの、結構大きなサイズです。

ということは、小鳥の巣箱ではありません。では、誰の!?

WWF中国のスタッフ、リュウ・ペイチーさんに話を聞いて分かったのですが、なんとこれは、カモの巣箱、でした。

この巣箱を利用しているのは、コウライアイサという、水に潜って魚を食べる珍しいカモの一種で、数が非常に少なく国際的な絶滅危惧種とされています。

その危機の原因の一つが、営巣地の減少です。

コウライアイサは河畔の木の樹洞に巣をつくりますが、こうした木が多く伐られてしまったことで、繁殖に影響がでたと考えられています。

そこで、この「巣箱計画」がスタートした、というわけです。

残念ながら、私は数日間のタッチの差で、訪問のタイミングが合わなかったのですが、5月の巣立ちの時期になると、この高さから次々と果敢に地面に飛び降りて川に向かう、小さなヒナたちの姿も見られるとのこと!

やがて、そのヒナたちも大きく育ち、国境を越える、はるかな渡りの旅に出ます。

コウライアイサ。日本にも稀に飛来することがあります。

広大な森にも負けない、たくましく雄大な生き方をするカモたちが、いつか巣箱に頼らずに生きてゆけるように。

長白山の自然を守る取り組みの広がりを期待したいと思います。
(自然保護室 東梅)

関連情報

山麓を流れる川の河畔林。アイサ類には他にも、こうした森の樹洞に巣をつくるものがいます。

自然保護室長
東梅 貞義

これまでにウェットランド(湿地)や黄海の保全を担当。現在は各国WWFの保全活動のリーダーたちと連携した取り組みに力を入れています。

自然保護に取り組み30年近く。これまでのフィールドは、日本では南は石垣島のサンゴ礁から、北海道の風蓮湖まで、世界ではペンギンの生きる南米の海から、極東ロシアのトラの森、渡り鳥の楽園の黄海、そしてミャンマー・タイの東南アジア最大級の手つかずの森まで。野生生物と人の暮らしが交差する現場で、現地の人々や研究者、グローバル企業、国際機関の方々とご一緒に、自然保護と持続可能な未来を目指して日々取り組んでいます。

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