5月30日は「世界カワウソの日」
2018/05/30
本日、5月30日は何の日か? 皆さまご存知でしょうか。
答えは「世界カワウソの日」。
これは、イギリスのInternational Otter Survival Fund(国際カワウソ保護基金が世界のカワウソ類の保全のため提唱した記念日だそうです。
カワウソといえば最近は日本でも人気の動物。

ユーラシアカワウソ。カワウソとは、イタチ科カワウソ亜科に属する動物の総称です。温帯から熱帯にかけて13種が知られています。
カワウソカフェのようなお店や、タレントが飼っている例が、テレビや雑誌、SNSなどでも盛んに紹介され、個人で飼育している人も多いようです。
しかし、こうしたペット目的の取引は、カワウソ類にとっても大きな脅威。
なぜなら、こうしたカワウソは、東南アジアなどの生息地で生きていた、野生の個体を捕獲したものであることもあるからです。
また、トランクなどに詰め込まれ、ひどい状態で密輸される例もあり、途中で死んでしまう個体も少なくありません。

北海道でも見られるラッコも、カワウソ類。日本にはかつてもう1種、ニホンカワウソ(ユーラシアカワウソの亜種)が生息していましたが、絶滅してしまいました。
スマトラ島やボルネオ島に生息するコツメカワウソのように、生息地である森や川の自然破壊にさらされ、絶滅の危機にある種も、現在7種を数えます。
そうした状況の中、海外からカワウソを密輸しようとした日本人が逮捕される事件まで起きている現状は、私たちも看過できません。
WWFジャパンの野生生物取引調査部門であるトラフィックでは、カワウソ類をはじめ、こうしたペットとして過剰に利用される生きものの取引の実態を調査しています。
ペットを飼育することが全て悪いわけではありませんが、珍しい!かわいい!という理由だけで、気軽に飼い始めたペットが、実は絶滅の危機にあるとしたら? それはよく考えなくてはなりません。
年に一度の「カワウソの日」に、ぜひペットの先にある野生の世界へのつながりに、目を向けていただければと思います。
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南米のアマゾンに生息するオオカワウソ。頭ら尾まで2mにもなる最大の種。毛皮目当ての乱獲で激減しましたが、今は保護されています。

2013年タイのスワンナプーム空港で、密輸されようとしていたところを押収されたコツメカワウソ