川に5メートルの魚がいる


ウェブ担当の三間です。
ふと思いたち、去年の今頃、どんな情報を発信していたかな? と、調べてみたら、ちょうど1年前に、こんな記事を出しておりました。

多くの巨大魚が生息することで知られる、インドシナ半島の大河メコン川で、開発による自然破壊が進んでいる、という記事です。

川に5メートルの魚がいる、などという事実は、日本で聞くと驚愕すべきことですが、下流では対岸も見えないような、海とも湖ともつかないメコンならば、これも不思議のないこと。

それでも、こうした巨大魚たちがノビノビ、ピンピン暮らすには、川がよい環境でなければ駄目でしょうし、やたらに釣り上げられたりすることなく、長生きできることも必要でしょう。ましてや、ダムなど次々に作り、流れを遮ってしまっては、生きること自体が難しくなってしまう。身体の大きいことが、返って災いにさえなってしまいかねません。

「300キロのコイ」なんて聞くと、「一体、何人前の“あらい”が作れるのだろうか?」などと、ついつい考えてしまいますが、こうした巨大魚たちがいなくなることの意味は、深刻です。

魚が大きいことがすごいんじゃない。こんな大きな魚が生きている、川の自然がスゴイのだ! 巨大魚の危機とは、その雄大な自然の危機です。

巨大魚が絶滅動物の仲間入りをして、恐竜などと並べられ、「昔はこんな大きな生きものがいた」などと、後世言われることのないように。
今ある自然を大切にする取り組みを、続けてゆかねばと思います。

300キロになるというコイの類

尻尾を入れると5メートルになる淡水性のエイ。
世界最大の淡水魚とか!?

 

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自然保護室(コンサベーションコミュニケーション グループ長)
三間 淳吉

学士(芸術学)。事務局でのボランティアを経て、1997年から広報スタッフとして活動に参加。国内外の環境問題と、保全活動の動向・変遷を追いつつ、各種出版物、ウェブサイト、SNSなどの編集や制作、運用管理を担当。これまで100種以上の世界の絶滅危惧種について記事を執筆。「人と自然のかかわり方」の探求は、ライフワークの一つ。

虫や鳥、魚たちの姿を追って45年。生きものの魅力に触れたことがきっかけで、気が付けばこの30年は、環境問題を追いかけていました。自然を壊すのは人。守ろうとするのも人。生きものたちの生きざまに学びながら、謙虚な気持ちで自然を未来に引き継いでいきたいと願っています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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