渡り鳥がつなぐアジアの自然


自然保護室の安村です。北京にいます。
2日間の日程で、渡り鳥の保全や水産資源の利用を通じて、日本にも大きな関わりのある「黄海」の干潟をどのようにして守ってゆくかを考えるワークショップに参加しています。

ワークショップには北京、上海、香港の各地からWWFの関係者が集まっています。初日は、渤海(ぼっかい)の湾奥にある河北省唐山にある干潟の現状についての調査研究の報告がありました。

この地には毎年数万羽のコオバシギ(Red Knots)が休息のために訪れます。

しかし、1990年代半ばからの埋立てなどの開発行為により、干潟が半減。残された500平方kmほどのエリアに群れが集中するようになっています。

この地域は、ラムサール条約登録地のような保護区にも指定されておらず、残された干潟が消失するようなことになれば、推定で10万羽と見積もられているコオバシギの個体群が、非常に深刻な影響を受けると懸念されます。

ワークショップでは、緊急の対応が必要な案件として、まず、この干潟の保全戦略について意見が交わされました。

まず環境影響評価を行ない、保全や利用に関わる利害関係者を集め、開発と保全のバランスについてのワークショップやセミナーを開催し、政策決定者へ提言書を提出していくなどの取り組みが必要だとの意見が出されました。

コオバシギをはじめ、干潟で生きる渡り鳥たちは、日本をはじめアジアの各国を旅しながら生きています。ここ中国での自然保護が、日本の自然を守ることにもつながっていることを、あらためて痛感させられます。

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淡水・教育・PSP室長
安村 茂樹

修士(生物化学・早稲田大学)
サンゴ礁センター駐在時に地域住民主体の環境調査を立ち上げ(現在も石垣島、久米島で継続中)。南西諸島域にて、多分野の研究者と協働した野生生物有害化学物質汚染調査、生物多様性評価調査を指揮。GIS手法を用いた保全重要域図は生物多様性条約で示されたEBSAに、野外調査ではオキナワトゲネズミ再発見や久米島沖のサンゴ大群集発見に寄与。UNEP/GEF黄海プロジェクトと連携した日中韓湿地保全活動をリードし、2020年より緊急支援や淡水・教育活動に関わる部門を統括。

沖縄のサンゴ礁と森、中国・韓国の干潟の保全に従事。国際会議でサイドイベント主催やロビー活動をする機会をいただきました。国際、環境、NGO-この3ワードが合わさるWWFで、何をすべきか考え、その仕事の醍醐味を実感し、行動する。そんな機会を一人でも多くのスタッフに提供したいです。毎日、自転車で通勤し、休みは、川でカヌー漕いでいます。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは世界約100か国で活動している
環境保全団体です。

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