寒さに負けるな!渡り鳥
2012/02/29
広報の三間です。
二月も終わり、東京でも梅が咲き始め… と、思ったら、やってきたドカ雪。そろそろ渡り鳥の季節だと思うのですが、こんな天気では鳥も大変でしょうね。
これから先、ぜひ会いたい鳥たちに、シギやチドリがいます。これらは「旅鳥」と呼ばれる渡り鳥で、主に春と秋、日本の干潟や湿地にやってきます。
旅鳥は、日本より温かい南で冬を過ごし、さらに北の北極圏などで夏の繁殖期を迎える鳥。いずれも、地球を北から南へ、大距離を飛んで旅する鳥たち、というわけです。
日本はつまり、その途中に立ち寄るだけの「中継地」なので、大して重要ではない… かというと、そうではありません。
前に同じく、大西洋の渡り鳥の中継地、デンマークのワッデン海で聞いた話ですが、夏前にこの海を訪れるコオバシギという鳥は、体重が倍以上になるほどここで「食いだめ」をしてから、繁殖地の北極圏に向かうとのことでした。
なぜなら、北極圏ではひと夏の間、飲まず喰わずで(!)子育てに専念するからだそうです。で、すっかりやせて、秋にまた中継地に戻ってきて、沢山食べて体重を増やし、今度はアフリカの越冬地に飛ぶ。
なんと過酷な旅を続けていることか!
とにかく、渡り鳥にとって「中継地」は生きる上で大事な大事な場所なのです。そしてその自然は、そうした命を支えるだけの、豊かさに満ちた場所で もあります。
人もその恩恵を受けます。海藻や貝を採り、魚やタコを獲り、海苔を育てる。全ては、太陽の光と、潮の満干がもたらす海の恵みに他なりません。
こうした浅い海と自然の海岸は、今では各地で埋立てられてしまいましたが、まだ残っている場所には、今年も旅鳥たちがやってくるでしょう。
もう少し温かくなったら、季節を告げる彼らに会いに行きたいものです。