日本の、世界の、HAMACHIを考えます


海洋担当の前川です。
日本は海外からさまざまなシーフードを輸入している水産物の消費大国ですが、同時に輸出も盛んです。

その一つが、欧米の市場に出回っている「HAMACHI」。これ、実は日本で養殖されたブリです。日本はブリ類の世界最大の消費国ですが、同時に生産国でもあるのです。

こうした養殖による水産物は、2020年までには、世界の水産物の40%以上を占めることになると予想されていますが、いかに人工的な養殖とはいえ、自然の海の力を借り、またその餌となる魚も海から獲らねばなりませんから、自然環境にも少なからぬ影響を及ぼします。

そこで、海の環境を守るため、持続可能な養殖の促進をめざすWWFジャパンでは、この2月12~13日に、ブリ類・スギ類水産養殖管理検討会を開くことにしました。

これは、世界のブリ類・スギ類の養殖の現状と問題点について、共通理解を深めるとともに、持続可能な養殖の「基準」作りについて話し合うものです。

アメリカでの第1回、メキシコでの第2回に続く、東京での今回の3回目は、「ASC認証」の取得に必要な目標や指標、行動指針の草案を決める重要な会議。

日本の生産者・消費者の意見をもとに、養殖の「国際基準」をつくる初の機会として、生産者や加工・流通・販売に携わる企業はもちろん、行政、研究者、NGO、消費者団体など、さまざまな立場の方にご参加いただき、オープンな形で意見を述べていただきます。

日本のブリ養殖は、長い歴史の中で改善と改良を重ねてきました。
これに今、「ASC認証」という国際的なスタンダードを重ねることで、より環境や社会に配慮した新しい漁業の発展を目指したいと思います。
ご参加の締め切りは、2月4日(月)です!

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自然保護室(海洋水産 グループ長)
前川 聡

修士(動物学・北海道大学)
渡り性水鳥の全国調査および国際保全プログラムのコーディネーター業務、WWFサンゴ礁保護研究センター(沖縄県石垣島)での住民参加型の環境調査および普及啓発業務、海洋保護区の設定および管理状況の評価業務等に従事後、2011年より東日本大震災復興支援プロジェクトと水産エコラベルの普及および取得支援に携わる。養殖業成長産業化推進協議会委員。

日本各地の漁師町を訪ねては、持続的な養殖や漁業の推進のために関係者の方々と話し合いをしています。道すがら、普段はなかなか見ることができない風景や鳥を見つけては、一人ほくそえんでいます。もちろん、新鮮な魚介とお酒も! 健康診断の数値が気になるAround Fifty

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生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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