© Diana Rudenko / WWF

【動画あり】負の連鎖を招くロシアの雪(2021年)


2021年の夏は、ロシアで今世紀最大の森林火災が発生しました。

と思ったら、今度は大雪が極東ロシアを襲い、野生動物の生存が危ぶまれています。

雪国に生息する生き物なんだから、大雪でも大丈夫なんじゃないの?
と思われるかもしれませんが、実はそうではありません。

積雪の量・期間・状態によって、野生動物の生存や繁殖は大きく影響を受けます。

(左)ノロジカなら40cm、(右)アカシカなら60cmを越えてくると、移動が困難になり、エサを探せなくなり、生存が厳しくなります。

積雪が1mを越すとトラも厳しくなります。

2021年12月時点で、ハバロフスク州とユダヤ自治州で積雪1m。
来年の5月まで続くのではと予想されています。

大雪になると密猟も増加します。
雪が比較的少ない道路に出てくる野生動物が増えるからです。

人里に出てくるトラも増えると言われています。
餌となる草食動物が少なくなるからです。

WWFは10年以上前から、このような大雪が降ると、地元の狩猟団体と協働で除雪作業や野生動物のレスキュー、大豆や干し草を撒いたり、密猟対策パトロールなどを実施しています。現在、こうした取組みは保護区にも拡大しています。

ハバロフスク州の狩猟区で撮影された大雪で身動きがとれなくなる、ノロジカ

餌を撒くって健全な保全活動ではないのでは?
と思われる方もいるかもしれません。
しかし、そうでもしないと、極東ロシアの自然を維持できないほど、長年による人間の活動によって生態系が崩されました。

来年2022年は、トラ年です。
12年前に野生のトラの数を倍増させるという国際目標が掲げられ、
いよいよその結果が2022年9月に発表されます。

トラが生息するには広大で健全な森が必要です。
様々なハードルがありますが、これからもWWFは森を守るための活動を展開していきます。

今後も応援のほどよろしくお願いします!

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自然保護室 森林グループ所属
天野 陽介

獣医になる夢やぶれ、ニュージーランドのマッセー大学で動物学と生態学を専攻。その後、毒蛇調査の 研究助手としてタイの保護区へ。そこで密猟などの違法現場に何度も直面。単に動物学だけでなく、人間社会を理解する必要があると感じ、コスタリカの平和大学で天然資源と平和学の修士号を取得。その後、国連大学でSATOYAMAイニシアティブのプロジェクトに携わり、日本の里山のように世界にも存在する人と自然のバランスがとれた貴重な場所の保全、研究、普及を担当。2019年7月からWWFジャパンの森林グループで極東ロシアとボルネオ島インドネシア領を担当する。

カエルが好きなのに、捕食者であるヘビをタイの保護区で研究していたとき、銃声が。 保護区になるまでこの地に住んでいた老人が密猟者となる負の連鎖を目の当たりにし、自然を守るには人間社会を理解する必要があると痛感。自然と共生していくためには!そして娘に嫌われない父になるためには!が人生のテーマ。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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