自然と調和した文化と歴史を大切に


先日、WWFインターナショナル総裁のヨランダ・カカバッツェが来日しました。
5月4日~7日に横浜で開かれたアジア開発銀行年次総会(ADB)に参加するためです。

ADBはアジア・太平洋地域の経済発展への貢献を目的とした国際開発金融機関。

WWFもADBとは2001年に協定を結び、メコン流域やボルネオ島、ヒマラヤなどでの保全プロジェクトで連携。持続可能な発展に貢献してきました。

ヨランダは、元エクアドルの環境大臣で、その後、国際自然保護連合(IUCN)とWWFの総裁を歴任、でも家では3人の孫と遊ぶ、とても明るくパワフルな女性です。

来日したヨランダ。羽田空港から横浜に向かう車では、ミーティングをやろうと早くも仕事モード。長旅にもかかわらず、少しの時間もムダにしない激務のこなし方を垣間見ました。

50周年にあたる今回の総会には、ADBの事業評価についてのセッションに、専門家パネリストとして参加し、環境保全が、経済や社会の発展と別々に取り組むべき課題ではないこと、そして、持続可能な社会の実現に欠かせない基礎として位置づけることが重要であると強調しました。

またヨランダは同日、横浜市の林文子市長とも面談。

2015年にWWFジャパンと環境に関する連携協定を交わした横浜市に謝意を表すとともに、さらに連携を深めていくこと、持続可能な都市・横浜への期待を林市長に伝えました。

社会的な使命を担い、新しい時代への道を拓いてきた同世代の女性として、共感することも多かったようです。

横浜市の林市長と。環境教育や食品ロスなどが大事な課題であることもお話ししました。また市内の豊かな自然に興味をもったヨランダに、林市長からぜひ横浜を見てほしいとのお誘いもいただきました。対談は、終始なごやかな雰囲気であっという間に時間が過ぎました。

短い滞在でしたが、ヨランダは最後に、私たちにこんなメッセージを残してくれました。

「日本には自然と調和している文化と歴史があります。それを大切にして、世界の自然保護に貢献してほしい」

約100カ国、6,000人のWWFスタッフをまとめる一人の女性からの、シンプルだけれど、心に響く一言でした。

ヨランダの次に向かった先は、インドネシアの会議場。世界を飛び回る彼女の仕事は、今日も続きます。(企画管理室 清野)

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企画管理室
清野 比咲子

深海生物や昆虫など人間には思いつかない生きものを知るたびに仕事への意欲をキープしています。ワシントン条約会議で世界の人々の真剣な議論を目の当たりにし、自然保護の醍醐味を味わいました。いまは、地球にダメージを与えない新たな時代の暮らし方を模索し、「環境なくして経済なし」と言い続けています。

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環境保全団体です。

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