シベリアトラに遭遇!!極東ロシアの森にて


※2023年6月26日をもって、WWFロシア(Vsemirnyi Fond Prirody)はWWFネットワークから離脱しました。

自然保護室の川江です。
先日、私たちWWFジャパンが支援している、極東ロシアの保全の現場に行ってきました。

この極東ロシアの森には、絶滅が危惧されるシベリアトラやアムールヒョウが生息しています。

この2種はとにかく数が少なく、野生のトラは、現地で6年間活動しているWWFアムール支部の担当者でさえ見たことがないほど貴重な種です。

それでも今回、何とか見られないかと淡い期待を頂いていたら、なんと野生の仔トラ2頭に出会うことができました!

ただ、山道を車で走行中に目の前を数秒横切っただけなので、カメラを用意する時間がありませんでした。

皆さまにお見せすることができず心苦しい限りですが、私のまぶたには小さなトラたちがしっかりと焼き付いています。

そして、フィールドからアムール支部の事務所に戻るともう一つ素晴らしいニュースが飛び込んで来ました。

WWFアムール支部のユーリ・ダーマン代表が、ロシア政府から「卓越した環境保護活動家」として認定された、というものです。

ダーマン代表は35年間にわたってアムール川流域の自然保護に携わり、2001年にアムール支部の代表就任後、460万ヘクタール(東京都21個分)に上る60以上の保護区の設立に尽力してきました。

授賞式は12月の予定ですので、その様子が現地から届きましたら、またお届けしたいと思います。

今回の出張は、ボートで川を上ったり、晩御飯のおかずを川で釣ったり、キャンプをしたり、六輪駆動車でけもの道を駆け上がったりとワイルドな旅でしたが、極東ロシアの美しい森とトラを見ることができ、この自然を守っていきたいという思いをさらに強くしました。
ロシアの森と同様、実り多い活動をめざしてゆきたいと思います。

  

シベリアトラ(これは私が見たトラの写真ではありません)。先住民ウデヘ族の間では、トラを見るのは自分が悪い行ないをしたときだ、という言い伝えがあるらしく、今回のトラとの遭遇は、日頃の行ないを回顧する良い機会にもなりました。

極東ロシアの森と川

WWFロシアのアムール支部代表ユーリ・ダーマン

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自然保護室長(森林・野生生物・マーケット・フード・コンサベーションコミュニケーション)、TRAFFICジャパンオフィス代表
川江 心一

京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科修士課程修了。
小学生の頃に子供向け科学雑誌の熱帯雨林特集に惹きつけられて以来30年間、夢は熱帯雨林保全に携わること。大学では、森林保全と地域住民の生計の両立を研究するため、インドネシアやラオスに長期滞在。前職でアフリカの農業開発などに携わった後、2013年にWWFに入局。WWFでは、長年の夢であった東南アジアの森林保全プロジェクトを担当し、その後持続可能な天然ゴムの生産・利用に関わる企業との対話も実施。2020年より現職。

小学生の頃に科学雑誌で読んだ熱帯雨林に惹きつけられると同時に、森林破壊のニュースを知り「なんとかしなきゃ!」と思う。以来、海外で熱帯林保全の仕事に携わるのが夢でしたが、大学では残念ながら森林学科に入れず・・。その後、紆余曲折を経て、30半ばにして目指す仕事にたどり着きました。今でもプロジェクトのフィールドに出ている時が一番楽しい。

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生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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