世界のサンゴ礁を守ろう!国際パートナーシップの舞台で


あけましておめでとうございます。自然保護室の権田です。

昨年開かれた国連の気候変動会議「COP21」にて、「パリ協定」が締結されました。これからの地球温暖化防止に向けた、世界の新しい約束です。

こうした話題が大きく注目されることからもうかがわれる通り、近年、温暖化は地球規模の深刻な問題になってきました。

その影響の一つには、海の熱帯林と言われるサンゴ礁への被害もあります。

温暖化により海水温が上昇すると、水温変化に敏感なサンゴは「白化現象」を起こして弱ってしまったり、時には大規模に死滅してしまう事もあります。

そして陸域の開発など他の負の要素がこれに加わった時、サンゴの海は、きわめて深刻な打撃を受けることになるのです。

そうした問題に取り組む、国際的なにサンゴ礁の保全と研究を推進する「国際サンゴ礁イニシアティブ(ICRI)」の年次会合が、先月タイで開催され、私も参加してきました。

ICRIは1994年に発足した多国間パートナーシップで、当初日本を含む8カ国だった加盟国は、現在60カ国以上を数えます。

タイで行われた第30回ICRI総会の様子

今回の会合では、各国のプロジェクトや調査研究の取り組みが紹介され、私からも南西諸島で取り組むサンゴ礁の保全活動などを紹介。それぞれの内容について、活発な質疑が交わされました。

また、WWFジャパンは今年度ICRI事務局を務める日本政府と協力し、8つの国から、地域が主体となったサンゴ礁保全の事例を選定。レポートにまとめ発表しました。

大気や海は、国境を越えて循環し、つながっている地球規模の環境システム。それを脅かす温暖化やサンゴ礁の破壊にも、また国境はありません。

そうした問題に立ち向かうための保全のノウハウや情報も、国を越えて共有、循環させ、知恵としてしっかり活用していかねばと思います。

関連情報

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自然保護室 国内グループ所属
権田 雅之

南西諸島プロジェクトを担当。陸域での取り組みを行なっています。

亜熱帯に属する琉球列島の島々で、アマミノクロウサギをはじめ希少生物やその生息地の保全に、地域の方々と共に取り組んでいます。問題と地域社会の変革は、国外の他の島々でも同じような問題と解決の縮図。次の一手は東南アジアの島々や地域への拡大もありや。

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