被災地の海から生まれた、日本初「ASC認証」のカキ(動画あり)


自然保護室の前川です。
3月30日、宮城県漁協志津川支所戸倉事務所(南三陸町)のカキ養殖が「ASC認証」を取得しました。

ついに実現した、日本初の「ASC認証」です!

「ASC認証」は環境や地域社会に配慮した、持続可能な養殖水産物(シーフード)の証。

国際的にもその信頼性が確かめられた、いわば世界が認める日本のシーフードの誕生です。

この認証カキが、4月2日より東北・関東エリアのイオン101店舗とイトーヨーカドー/アリオ6店舗で販売開始されました。

これまでノルウェーやベトナムなど外国のASC認証水産物はイオン系列の店舗で販売されていましたが、南三陸町での認証取得が実現したことで、私たちにとってより身近なものとなりました。

ということで、販売初日にイオンとイトーヨーカドーの両店の売り場に行ってきました。

ASCマークと並んでパッケージに書かれた「南三陸戸倉っこかき」のロゴは、カキ作りにかける熱い想いが込められています。

この「戸倉っこ」とは、戸倉の子どもたちのこと。カキを子どものように愛情を込めて大切に育てた、いう意味が込められています。

これまで宮城県産のカキは、共同の競売場に集約され入札が行われるため、特定の業者が特定の産地を購入するということが困難で、一部の直販を除き、一律に「宮城県産かき」として販売されてきました。

しかし震災後、漁業の復興を目指す中で、戸倉の皆さんは、養殖密度を下げて高品質のカキ作りを実現。

ASC認証の取得にも取り組んだ自慢のカキを、戸倉の名前と共に全国の人に届けようと、今回の製品の販売に尽力されました。

カキの旬というと冬を思い浮かべますが、春は栄養価が高く、最もおいしい時期と言われています。

店頭でASCマークのカキを見かけたら、皆さんも是非「戸倉っこかき」を味わってみてください。

南三陸の海

イオンレイクタウン(埼玉県越谷市)店内

日本初ASC認証製品「戸倉っこかき」

イトーヨーカドー大宮店ではWWFのASCパンフレットも置いています

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自然保護室(海洋水産 グループ長)
前川 聡

修士(動物学・北海道大学)
渡り性水鳥の全国調査および国際保全プログラムのコーディネーター業務、WWFサンゴ礁保護研究センター(沖縄県石垣島)での住民参加型の環境調査および普及啓発業務、海洋保護区の設定および管理状況の評価業務等に従事後、2011年より東日本大震災復興支援プロジェクトと水産エコラベルの普及および取得支援に携わる。養殖業成長産業化推進協議会委員。

日本各地の漁師町を訪ねては、持続的な養殖や漁業の推進のために関係者の方々と話し合いをしています。道すがら、普段はなかなか見ることができない風景や鳥を見つけては、一人ほくそえんでいます。もちろん、新鮮な魚介とお酒も! 健康診断の数値が気になるAround Fifty

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