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暑さで私たちの健康はどうなる?


今年もとても暑い夏をようやく乗り越えたと思えば、急激に冷え込み、一気に冬がやってきました。この急激な季節の移ろいに、気候の異変を実感する方も増えているのではないでしょうか。

 医学誌『The Lancet』が主宰する気候と健康に関わる報告書「Lancet Countdown 2025」によると、2024年、私たち日本人は平均して48.5日の熱波日(一般的に日中の最高気温が35度を上回る日)に曝露されました。このうち、28.8日(60%)は気候変動がなければ発生しなかったと予想されています。約1ヶ月にも相当する日数です。
  このような猛暑によって、2012年~2021年には毎年平均して4,300人もの方が亡くなったと報告されています。さらに、暑さで人々の活動が制限されることで、経済にも影響が及んでいます。2024年、熱暴露により1人あたり43時間の潜在的な労働時間が失われました。これは過去最高の時間です。このような労働力低下によって、潜在的な所得損失は年間494.2億米ドルに上ったと報告されています。

© Sabrina Bqain / WWF

また同報告書では、より健康的な食事へのシフトが農業分野の温室効果ガス排出削減にもつながると示されています。2022年の日本では、赤身肉・乳製品の消費が農業分野の温室効果ガス排出の約3割を占めていますが、これらの動物性食品の過剰摂取が原因で11,900人が亡くなっています。一方で、果物・豆類・野菜など栄養価の高い植物性食品の摂取不足に起因する死亡は194,400人に上ります。

野菜をたっぷり食べるバランスの良い食事を心がけることで、身体にも環境にもやさしい食生活を送ることができるのです。
ぜひ、食を楽しみながら気候変動対策に取り組んでみましょう。

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大学生インターン
佐藤 こころ

WWF気候・エネルギーグループでインターンをしています。 山形県庄内地方出身。百名山の一つである鳥海山のふもとかつ、美味しい牡蠣やアワビなどが採れる日本海のすぐそばで育ちました。幼い頃から登山や海水浴、キャンプなど自然の中でたくさん遊んできました。現在は東京の大学で国際協力学を専攻し、紛争や環境問題などについて学び日々自分にできることを考えています。

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