© Japan Climate Initiative

環境のための「コスト」について考える


こんにちは。WWFジャパンインターン生の佐藤です。
先日、JCI主催の「気候変動アクション日本サミット」に参加してきました。オンライン視聴を含め1700人以上が参加した大規模なイベントでした。
 特に印象に残ったのは、環境のための取り組みにかかるコストのお話です。環境に良いことをしようとすると、どうしても追加のコストが発生してしまいます。パネリストとして参加された日本農業新聞の岡部さんも、農業分野への適応策や緩和策の導入には、コストが大きな課題になっていると語っていました。たとえ環境への影響を減らす緩和策を実施したとしても、そのコストをスーパーなどに並ぶ商品の価格へ反映することは難しく、結果として農家の方々だけが負担を抱える構造になっています。そのため、環境のための取り組みを継続することが困難になっているのです。

© Japan Climate Initiative

一方で、近年の食料品価格の高騰には、環境変化が一因となっています。もし今、環境への対策を行わず、今後さらに気候変動が加速すれば、私たちが将来負担しなければならないコストはより大きくなります。長期的な視点に立てば、現時点で環境への取り組みを進めた方がコスト面でも合理的であるはずですが、実際にはすぐに行動に移すことが難しいという矛盾があります。
そこで私は、「環境に配慮した商品は高い」という前提を見直し、逆に環境に負荷をかけている商品に適切な価格を反映させることで、短期的なコストと長期的なコストのねじれを解消できるのではないかと考えます。例えば炭素価格(カーボン・プライシング)のような仕組みです。そうすることで、消費者も長期的な視点から望ましい選択をしやすくなり、環境に配慮した産業が「当たり前」として根付くのではないかと思います。
商品の価格構造を変えることはなかなか難しいですが、私自身、長期的な視点に立って選択できるようにしたいです!

この記事をシェアする

大学生インターン
佐藤 こころ

WWF気候・エネルギーグループでインターンをしています。 山形県庄内地方出身。百名山の一つである鳥海山のふもとかつ、美味しい牡蠣やアワビなどが採れる日本海のすぐそばで育ちました。幼い頃から登山や海水浴、キャンプなど自然の中でたくさん遊んできました。現在は東京の大学で国際協力学を専攻し、紛争や環境問題などについて学び日々自分にできることを考えています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP