©Alain Compost / WWF

【動画あり】3歩進んで2歩下がる悔しさ スマトラ島のトラ保護の現場より


日本のみなさんこんにちは!
WWFインドネシアのサミーです。

今日は嬉しいお知らせと、悲しいニュースがあります。

まずは嬉しいほうから!
先日、森に設置した自動撮影カメラで、非常に貴重な映像が撮れました。
2015年にスマトラ島中部の森で確認されていたメスのスマトラトラ「リマ」の仔トラ3頭が、無事大きく成長していることがわかったのです。
その後「リマ」はオスの「ウマ」に出会い、新しく4頭の仔トラを育てていることも確認できました。

リマと仔トラたち(Tiger Family in Sumatra Over the Years)

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スマトラトラの個体数は推定でわずか300頭以下。
その中で、リマの家族が増えたと分かったときの喜びもひとしおでした。

スマトラトラの幼獣(これはリマの仔ではありません!)
©Alain Compost / WWF

スマトラトラの幼獣(これはリマの仔ではありません!)
トラの妊娠期間は約100日で、1度に生まれる数は2~3頭です。
親離れまで2年ほどかかるので、リマが順調に自然繁殖できていることがわかります。

ですが、悲しいニュースもありました。
先日2頭の仔トラを妊娠していたメスが、イノシシ用の罠にからまり死亡しているのが発見されたのです。

あと10日ほどで産まれる予定だった2頭の個体も、母親のトラと共に命を落としています。
©WWF-ID_WCT_Fitriani D. Kurniasari

あと10日ほどで産まれる予定だった2頭の個体も、母親のトラと共に命を落としています。

トラがすめる森は非常に限られているため、このような問題が起きてしまうのです。
根本的な問題は、やはり熱帯林の減少です。
スマトラ島では、アブラヤシ農園の造成や、紙生産のための植林地開発により、トラの生息地が年々減少してきました。
結果として、人の居住地や農園・植林地にトラが出没したり、罠にかかる事故が起きてしまうのです。

アブラヤシ農園(左)と熱帯林(右)同じく緑でも、トラの獲物となる草食動物が好むさまざまな植物は、アブラヤシ農園には存在しません。
©WWFジャパン

アブラヤシ農園(左)と熱帯林(右)
同じ緑でも、トラの獲物となる草食動物が好むさまざまな植物は、アブラヤシ農園には存在しません。

過去30年間で、約1380万ha(日本の国土面積の約36%)もの森が失われています。
©Esri, USGS, NOAA

過去30年間で、約1380万ha(日本の国土面積の約36%)もの森が失われています。

紙にせよ、パーム油にせよ、動物の生息地などの貴重な森を切り拓かず、持続可能な生産がなされるように、私たちも現場で活動しています。
そして、それらを輸入して使っている、日本をはじめ消費国の皆さんにも、製品を買う時に「森を守ってつくられているか」を気にしていただけたら嬉しいです。


消費国では、森を守って作られたエコラベルのついた商品を選ぶことで、トラや、トラのすむ森の保全を応援できます。
FSC®マークはトイレットペーパーやティッシュ、コピー用紙などの紙製品に、RSPOマークは石けんやシャンプー、洗剤など持続可能なパーム油を使った製品に付けられています。日本でも販売されていますので、もし見つからないときは、メーカーにリクエストしてください。




 

インドネシアをはじめ、世界の森をめぐる問題は、生産国と消費国、双方からの取り組みがあれば、必ず解決できる問題だと信じています。(編訳:森林担当 伊藤)

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