「ピンチくん」第4版が登場します


草刈です。今から5年ほど前のこと。
WWFでは、日本の生態系を脅かす外来生物の問題への取り組みの一環として、普及啓発用の教材を作成しました。名づけて「ピンチくん」です。

トランプの体裁で、スペードとクローバーが外来生物、ハートとダイヤが日本の在来生物。それぞれのカードに、及ぼしている影響やその生息環境、絶滅危機のレベルなどのデータが書き込まれており、さまざまなゲームが出来ます。

たかがゲームと侮るなかれ、中身は、しっかり研究者の方々にチェックしてもらった、実にハイレベル!な内容です。発表後には試験的に、奄美大島などの高校で、実際のモデル授業にも取り入れていただきました。

すでに第3版まで出ている、この「ピンチくん」。
今回、環境省からの依頼により、WWFでは研究者と共に、4回目となる改訂を行ない、さらに改善を加えて、全国各地にある環境省管轄のビジターセンターなどに配布してもらうことになりました。

そもそも、外来生物法が日本で施行されてから5年が経ちますが、パンフレットの類はともかく、こうした外来生物に関する「教材」については、今までほとんど作られた例がありません。

「ピンチくん」についても、まだまだ遊び方などを工夫してゆかねばならないところですが、こうしたツールを教育の現場に届け、生物多様性を保全する為に、外来生物問題をたくさんの人に広く知ってもらいたいと思っています。図書館とか博物館にも置いて欲しいなあ!

 

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イラスト/デザイン:サンレオール

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自然保護室 国内グループ所属
草刈 秀紀

日本の自然保護にかかわる法制度の改善をめざす取り組みを行なっています。

子どもの頃から動物が好きで、農業者でもないのに農業高校の畜産科に行き、上京して大学時代に多くの自然団体の会員になりました。野生のエルザのゲームワーデンにあこがれ、32年前に職員になりました。最近は、永田町を徘徊しています。

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