どうなるの?!日本のこれからの「エネルギー基本計画」
2012/03/15
温暖化チームの下元です。昨日、総合資源エネルギー調査会の基本問題委員会の会合に行ってきました。
この調査会は、日本のこれからのエネルギー政策のあり方を決める「エネルギー基本計画」の見直しに携っている、経済産業大臣の諮問機関です。
見直しにあたり、一番注目される点は、「原子力にどれくらい依存するか」というポイント。東日本大震災前の基本計画では「2030年までに原発を14基以上増設し、総発電電力量の53%を原子力でまかなう」という内容でしたが、これを未来に向けてどうするかが課題です。
昨日の委員会の会合では、各委員がそれぞれの試案を出したのですが、やはり意見は割れました。
これまでと変わらない古いエネルギー思考で「原発のシェアを何%に抑えるか」という点ばかりを重視する頭がコチコチの委員たちと、「そもそも、どういう未来像を描いて計画を作るべきなのか、そこから議論すべきだ。社会構造を変えず、現状のまま足元から数字を積み上げても変化はない」と、新しい主張を繰り広げる委員たちが、相容れない立場で平行線の議論を続けたのです。
各委員が提案した、再生可能なエネルギーの占める割合の数値も、委員によって見解に幅がありました。ここから国民に提示する選択肢を3~4つに絞るのも大変そうです。
WWFはこの委員には直接参加していませんが、独自にまとめたエネルギー・シナリオをもとに意見をまとめ、この委員の方々に向けて具申しました。原子力に頼らないで、自然エネルギーの普及をめざした未来を創ってゆくためには、この委員会が大きな役割を果たします。今後の動きにも注目したいと思います。