着実に広がりを見せる「グリーン電力証書」


こんにちは。温暖化担当の池原です。
先日、「グリーン電力証書制度」の運営委員会の会合に参加してきました。

この制度は、自然エネルギーによって発電された、二酸化炭素を排出しない電力、つまり地球温暖化防止にもつながる「グリーン電力」を一般に普及させるための制度の一つです。

グリーン電力が持つこのような付加価値を「証書」として販売することで、誰もが自然エネルギーを活用できる仕組みで、私たちの事務局でも、消費した電力分の証書を購入しています。

日本のグリーン電力証書制度は、もともと民間主導でスタートし、現在は財団法人グリーンエネルギー認証センターが事務局となっています。

今回、会合が開かれた運営委員会は、第三者の立場から、このセンターの活動を監査し、審議に参加することで、制度をより公平に、効果あるものにすることを目的とした集まりで、学識者やNPO、自治体などのメンバーで構成されており、私も委員の一人です。

多くの人たちの努力により、制度の発足当初、年間100万kWh程度(2001年)だったグリーン電力の電力量は、2011年には約3億3,000万kWhにまで増加しました。これは、標準的な家庭約8万世帯分の年間消費電力に相当します。

証書を活用する人や企業が順調に増え、社会の中に定着してきていることが分かります。

また、この証書の購入費用は、太陽光発電や風力発電などの自然エネルギー事業に提供され、国内の自然エネルギーの普及拡大にも大きく貢献しています。

「自然エネルギーの普及を応援したいけれど、自宅に太陽光パネルなどを設置するのはなかなか難しい」という方は、ぜひ個人にも気軽にできる取り組みとして、証書の購入を検討してみてください。

 

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電力量で多いのは、バイオマス発電や風力発電。もちろん、太陽光発電や地熱発電なども選べます。さらに2009年には、新たにグリーン熱証書制度も導入され、太陽熱などから生まれる熱エネルギーを証書として購入できるようになりました。

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WWFジャパンが購入したグリーン電力証書

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気候エネルギー・海洋水産室 気候変動・エネルギーグループ
池原 庸介

修士(応用化学、環境マネジメント)
自動車メーカーで環境関連業務に従事した後、英エディンバラ大学大学院で気候変動の研究に従事。2008年にWWF入局。Science Based Targets(SBT)や企業の温暖化対策ランキングプロジェクトなどを通じ、企業の気候変動戦略・目標の策定を支援。公害防止管理者(大気一種)。グリーン電力証書制度 諮問委員。法政大学人間環境学部 非常勤講師

1990年代に環境問題と出会って以来、仕事や研究で環境に携わってきました。気候変動は、人間の暮らしにも生物多様性にも様々な影響を及ぼす世界共通の問題です。企業と協働しながら、脱炭素社会の実現に取り組んでいきたいと考えています。

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