覚えていますか?アジア初のMSC認証取得漁業「京底連」
2012/12/11
こんにちは。水産担当の山内です。
一昨日までの常夏のマニラ(マグロ国際会議参加)から一転、雪景色の京都に来ています。
京都の底曳き網漁業は、ズワイガニとアカガレイを対象に2008年、アジアで初めてMSC漁業認証を取得した日本のパイオニア的漁業です。
今回、5年間の認証の有効期限を迎え、「再審査」を受けることになりました。
まずは認証取得後4年目の現状を確認し、認証に際して審査員より出された「宿題」がしっかり出来ているかをチェック。それが終わるといよいよ「再審査」に突入します。
この審査のために京都府機船底曳網漁業連合会(京底連)が用意した資料は、なんと分厚いファイル2冊分。すべて、審査項目が満たされていることを示す「証拠」と呼ばれるもので、100以上の資料からなります(中身はすべて一般に公表済)。
それら資料をもとに、審査員から出される質問に京底連の関係者が一つ一つ答えていきます。
この結果は今後、3名の審査員(資源担当、生態系担当、漁業管理担当)と主任審査員によって資料の吟味と議論が徹底され、報告書草案にまとめられます。
そして、報告書草案はウェブなどで一般に公開され、一定期間「パブリックコメント」を受け付けることとなります。もちろん、WWFもこの草案に目を通し、必要な意見をフィードバックします。
審査員たちは、パブリックコメントからの意見を踏まえ、最終報告書を作成し、これが採択されれば、再審査が完了!京底連はさらに5年間、MSC認証漁業として、世界に認められるのです。
決して簡単ではない作業。それでも京底連は、「資源管理」と「持続可能な漁業」の大切さを世の中に訴えるべく、努力を惜しみません。審査に臨む彼らの背中から学ぶことはとても多いのでした。