太平洋を横断するマグロたち!メキシコでの国際会議場より


水産担当の山内です。
現在、私はメキシコのベラクルスで開催されている「全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)」会合に参加しています。

これは、東部太平洋でのマグロやカツオ漁に参加している各国代表が集まり、漁業や資源管理について方策を決定する会議で、この海域で遠洋漁業を行なっている日本の政府代表団も参加しています。

太平洋クロマグロは本まぐろとも呼ばれ、「築地の初セリ」や「一本釣り漁師」がよく話題になる、日本で大人気のマグロです。

この太平洋クロマグロは、日本の近海で産卵しますが、産まれた魚は何と!メキシコ沿岸を目指し、太平洋を横断します。そして、メキシコ沿岸にたどり着くと、Uターンしてまた日本近海まで産卵のために戻ってきます。

スーパーなどで、メキシコ産と国産の養殖マグロを目にすることがありますが、実はこのマグロたちは生まれは同じで、養殖のため生簀に入れられる年齢が、1~2才違うだけなのです。

ところが、マグロが何万年も旅を続けてきたこの太平洋という海は、人間が最近になって勝手に引いた「中西部太平洋」と「東部太平洋」という二つのエリアに分けられ、漁業や資源の管理も、それぞれの海域で行なわれています。

つまり、太平洋クロマグロの順調な資源回復を目指すためには、「東部」を管理するIATTCと「中西部」を管理するWCPFC(中西部太平洋まぐろ類委員会)、2つの国際漁業管理機関が、本気で、しっかり連携しなくてはなりません。

今回、私が注目している議題は2つ。
最近資源状況の深刻な悪化が発表された「太平洋クロマグロ」の資源管理と、過剰な漁船数(キャパシティ)の適正化に向けた「実効性のある」合意です。

こうした国際会議は、いずれも議論が踊りがちですが、私も海を分けるこの境界線を越えて、太平洋クロマグロの管理に関する議論の行方を見守っていきたいと思います。

   

ベラクルスの会議場。海域によって漁業管理機関の性格も変わりますが、IATTCの顔ぶれは中南米諸国が中心で、会議のほとんどはスペイン語です。WWFの仲間もエクアドル、ペルー、コスタリカ、グアテマラ、アメリカと多様です。

入り口には巨大なマグロのポスターも

会議のマスコット?

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自然保護室 海洋水産グループ長
山内 愛子

小さい頃から水族館が大好きでした。ご縁があって、水産学を学び、海の専門家として生きることに。これまで出会った海と暮らす人たちへの恩返しと、魚を食べるのが大好きな世界中の人々のために、7つの海を回遊しています。

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