黄海プロジェクトの最終報告


自然保護室の安村です。
2007年から私たちが行なってきた黄海エコリージョン支援プロジェクト。

2015年3月をもって締めくくるにあたり、最終報告のため、プロジェクトスポンサーであるパナソニック株式会社を訪問してきました。

黄海プロジェクトでは、国境をまたぎ、広がる湿地を守り、持続的に利用していく上でのさまざまな課題に挑みました。

黄海沿岸の鴨緑江河口干潟。毎年10万羽前後のシギチドリ類が飛来する

日中韓の三カ国の関係機関は、密接に連携しながら、アイデアを交換し、こうした課題に取り組み、知見を蓄積。

プロジェクトが展開するにつれ、中国、韓国の行政機関、NGO、研究者、一般まで、さまざまな人たちとの接点が広がり、成果やメッセージを効果的に発信することができました。

最終報告会には、北京からWWF中国の黄海プロジェクト担当者である王瑩(ワン・イン)も同行。WWF中国事務局長からの感謝状と、中国らしく、アイスクラック(ひび割れ模様)のはいった特製の茶具もお贈りしました。

オオソリハシシギ。日本にも飛来する渡り鳥

東アジアを代表する渡り鳥の飛来地であり、日本も多く輸入している水産物の生産現場でもある貴重な黄海の湿地。

その自然を守るために、プロジェクトで構築したネットワークを活かしながら、これからも活動を続けていきたいと思います。

日本・中国・韓国各国のパナソニック社員の方々にご参加いただいた保全活動

この記事をシェアする

自然保護室長(淡水・リーダー開発・PSP)
安村 茂樹

修士(生物化学・早稲田大学)
サンゴ礁センター駐在時に地域住民主体の環境調査を立ち上げ(現在も石垣島、久米島で継続中)。南西諸島域にて、多分野の研究者と協働した野生生物有害化学物質汚染調査、生物多様性評価調査を指揮。GIS手法を用いた保全重要域図は生物多様性条約で示されたEBSAに、野外調査ではオキナワトゲネズミ再発見や久米島沖のサンゴ大群集発見に寄与。UNEP/GEF黄海プロジェクトと連携した日中韓湿地保全活動をリードし、2020年より緊急支援や淡水・教育活動に関わる部門を統括。

沖縄のサンゴ礁と森、中国・韓国の干潟の保全に従事。国際会議でサイドイベント主催やロビー活動をする機会をいただきました。国際、環境、NGO-この3ワードが合わさるWWFで、何をすべきか考え、その仕事の醍醐味を実感し、行動する。そんな機会を一人でも多くのスタッフに提供したいです。晴れの日に気が向いたら、自転車で通勤し、休みは、川でカヌー漕いでいます。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP