風車の「音」をどうするか? 地域が考える自然エネルギーのあり方


こんにちは! 温暖化・エネルギー担当の市川です。

先週、徳島の鳴門市の方々と共に取り組んでいる、地域主体で「再生可能な自然エネルギー」の普及を目指すプロジェクトの、15回目の協議会が開かれました。

協議会では主に風力の適地を見つけるため、地域環境に与える影響をさまざまな観点から検討し、その適地を見極めるゾーニングを進めていますが、今回の検討議題は 「音」についてでした。

風車により生じる騒音の影響が、市民生活に及ばないようにするためには、その設置場所を慎重に選ばねばなりません。

四国の山並み。さて、風車を立てる場所は?

この検討では、協議会に先駆けて行なった国内外の文献調査と、専門家へのヒアリングの結果を踏まえ、どの程度のセットバック(風車を離すべき推奨距離)を設けるかについて議論しました。

ところが、風車の騒音に関する研究はまだ途上段階で、それゆえに「正解」がありません。

たとえば、海外に目を向けると、ドイツなどでは住宅から800m以上、また他国ではそれ以上を推奨する例もあります。

国内でも、距離を500mとする設定もあれば、200mもあるなど、自治体のガイドラインごとに異なっているのが現状。

さらに省庁の検討報告書では、住民が騒音を不快と感じるかは、風車が見えるかどうかの視認性や、風力事業からの便益を享受しているかでも、変わり得る可能性があることを示唆しています。

このように騒音や景観については、その影響を確たる証拠にもとづいて、裁定することには困難がともないます。

しかしながら、「正解」がないからこそ、その判断は、地域の環境条件をよく知る地元の方々が、しっかり検討した上で、自ら決めてゆく必要があります。地域による参加の大切さを示しているともいえるでしょう。

大変ではありますが、この検討が長い目で見たときに、地域に受け入れられる自然エネルギー導入のあり方の一途を担ってくれると信じ、以降も検討を進めていきます!

宅地や建物の近くに建てられた風車。ヨーロッパではこんな風景も見られます。

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自然保護室 気候変動・エネルギーグループ所属
市川 大悟

国内での再生可能エネルギーの普及プロジェクトを主に担当。

子どもの頃にどっぷり遊び漬かった田舎の原風景。その自然をこれからも残したいと考えてWWFに。元々は、畑違いのエンジニアですが、逆に培った経験を糧に、エネルギー面から環境問題の解決に貢献したいと考えています。人と自然が共存できる社会を、皆さんにお見せできるよう、これからも頑張っていきます!

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