「今後のプラスチック資源循環施策のあり方について(案)」に対する意見募集(パブリックコメント)への、意見の提出


「考え方」に以下を盛り込むこと。

・不必要な生産を最小化した上で、リユース、次いでリサイクルを最大限推進し、新たな資源投入と廃棄物の発生を最小限に抑えるという、サーキュラーエコノミーと廃棄物ヒエラルキーの考え方を前提としたコロナ禍からのグリーン・リカバリーへと、社会のあり方を転換する。

理由:現在の大量生産、大量消費、大量廃棄を前提としたまま、リサイクルや熱回収、代替素材の利用を促進しても、深刻なプラスチック汚染や気候変動問題のさらなる悪化を食い止めることはできない。持続可能な社会の実現を目指すコロナ禍からのグリーン・リカバリーを実現するために、サーキュラーエコノミーの推進が欠かせない。

・海洋プラスチックごみによる新たな汚染をゼロにすることを目指す期限を2030年に前倒した上で、新たな国際協定の発足と枠組み作りを、日本が国際的に主導する。

理由:G20大阪サミットで発表された大阪ブルー・オーシャン・ビジョンでは、海洋プラスチックごみによる新たな汚染を2050年までにゼロにすることを目指している。しかし、世界では推定で年間1,100万トンのプラスチックが海洋に流出し、2040年にその量が約3倍にまで悪化すると予測されており、流出ゼロの目標を大きく前倒しする必要がある。世界では、新たな国際協定を早期に発足させ、その枠組みの下で包括的に海洋プラスチック汚染の解決を図ろうとする動きが広がっており、日本政府には、この国際協定発足に向けてリーダーシップを発揮することが期待されている。

「主な施策」に以下を盛り込むこと。

・リデュースの施策として、環境インパクトに応じて回避可能なプラスチックの具体的な品目を指定し、生産及び輸入の禁止等、新たな措置を講じること。また、事業者にリユース・リサイクルが可能で、かつリサイクル素材を用いた製品の生産や使用を段階的に義務付けること。

理由:EUなど世界で、回避可能なプラスチック製品につき、上市の禁止など確実に削減させるための施策が導入されている。日本においても、レジ袋の有料化に次いで、具体的な削減措置を導入すべきである。また、リサイクル素材を使ったリユース・リサイクルが可能な製品の流通を推進するためには、市場の原理に依存するだけでは不十分であり、採用を段階的に義務付ける施策の導入が必要となる。

・代替素材を含めて生産と使用の総量をリデュースする。リデュースで対応できない場合に限り、リユースやリサイクルが可能で、かつ原料生産から廃棄後までマテリアルフロー全体で持続可能性が担保された代替素材の使用を検討すること。

理由:プラスチックの代替素材を強く推進することで、森林や水源の破壊などの新たな環境問題や、食料との競合などの社会問題を誘発しかねない。

・ワンウェイのプラスチック製容器包装・製品において、必要不可欠なものについては、リターナブル容器包装への切り替えによるリユース、次いで同質でのマテリアルリサイクルを推進すること。またケミカルリサイクルの推進については、慎重に検討すること。

理由:新たな生産を必要不可欠なものに絞った上で、まずリターナブル容器包装によるリユース、次いで繰り返し再生できる同質でのマテリアルリサイクルを推進することで、新たな資源投入と廃棄物の発生を最小化し、エネルギー消費を抑え、サーキュラーエコノミーを推進することができる。なお、現時点ではケミカルリサイクルが環境インパクトを低下させることは確認されておらず、処理コストが増大するという課題もある。

・効果的なリデュース、リユース、リサイクルの推進のために、拡大生産者責任(EPR)の適用範囲を拡大し、生産・輸入・使用した製品につき事業者に回収費用の負担を求めること。また容器包装プラスチックに加え、漁具などのプラスチック製品を、EPRの対象とすること。

理由:生産・輸入・使用したプラスチック製品につき、事業者に、リサイクル費用負担のみならず回収費用の負担を課すことで、社会全体としてのプラスチックの回収・リユース・リサイクルの費用を最適化しつつ、回避可能なプラスチックを削減していくことができる。また、海洋への流出被害が特に深刻な漁具などにおいても、EPRを適用することが効果的である。

・一次マイクロプラスチックの発生抑制対策を導入すること。

理由:流出したプラスチックが砕けて発生する二次マイクロプラスチック以外に、製品に混入するマイクロビーズ、合成繊維の衣服の洗濯で発生するマイクロファイバー、合成タイヤの摩耗、のような形で製品の使用中に発生する一次マイクロプラスチックが、世界で年間推定150万トン海洋流出しており、自然や社会への大きな脅威となっている。しかし、日本でその発生抑制対策は取られていない。

別紙:今後のプラスチック資源循環施策のあり方について(案)

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